近年、多くの企業や店舗がInstagramをマーケティングに活用しています。企業のSNS利用でもTwitterに次ぐ利用数を持っており、Instagramの活用は重要です。
しかし、「フォロワー数が増えない」「インプレッションが上がらない」といった悩みを抱えている担当者も多くいるでしょう。そこで今回の記事ではInstagramのフォロワー数を増やすために不可欠なアルゴリズムを解説します。アルゴリズムを抑えた運用ポイントもご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
1.Instagramのアルゴリズムとは?
Instagramにおけるアルゴリズムとは、「Instagramのシステムがあなたや他ユーザーにどんな投稿を表示させるか判断する仕組み」のことです。
Instagramでは高度なAI(人工知能)を使って、ユーザーの一人一人が気に入る投稿を自動的に表示しています。
たとえば「発見タブ(虫眼鏡マーク)」では、見ているユーザーが気に入ってくれそうな他ユーザーの動画や写真を優先的に表示させる仕組みになっています。
2.Instagramのアルゴリズムに使われている”シグナル”
アルゴリズムを理解するために、Instagramはどんなサービスのゴールを目指しているのかを知らないといけません。
Instagramのミッションは「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」です。そして「好きと欲しいをつくる」を価値の提供にしています。アカウントを成長させるためにはまずこの二つを知り、運用をしていく必要があります。
そこでご紹介したいのが「シグナル」です。これは、投稿がInstagramのミッションをどれくらい達成できるかを測る数値のようなものです。
シグナルの例としては、あるコンテンツへの関心の高さを測る「Interest」と、そのアカウントとの繋がり度の高さを測る「Relationship」、最近の投稿であるか(利用者がいる時間帯に投稿がされているか)などが挙げられます。
つまりシグナルを知っておくと、効率的なアカウント運用ができるようになるのです。
3.アルゴリズムによる表示の優先度
Instagramは2021年6月に公式ブログで表示の優先度について公開をしていますのでご紹介します。
3-1.フィード、ストーリーズ
フィードとストーリーズはInstagramでは、親しい友人や興味関心のあるコンテンツを見るために利用されています。ストーリーズは、エンゲージメントが高いほど左側に、アカウントの世界観を創り出すフィード投稿は、エンゲージメントが高いほど上部に表示されます。
Instagramが公開したブログによると以下の4つが重要視されています。
●投稿に関する情報・・・これには、投稿の人気度と、投稿に関する一般的な情報が含まれます。人気度は何人がその投稿に「いいね!」したかなどを含み、一般的な情報は投稿日時、動画投稿の場合はその長さ、投稿が関連付けられた地域などです。
●投稿者に関する情報・・・投稿者に対するあなたの関心の度合いを表すシグナルです。直近の数週間で、あなたとその投稿者との間に何回やり取りがあったかなどが含まれます。
●あなたのアクティビティ・・・あなたが関心を持つ可能性があるものがわかります。あなたが「いいね!」した投稿数などが含まれます。
●あなたと特定の利用者とのやり取りの履歴・・・あなたが、特定の利用者の投稿にどれくらい興味を持っているかがわかります。これには、相手の投稿にコメントしたかどうかなどが含まれます。
3-2.発見タブ、リールタブ
発見タブやリールタブは、フォローしていないユーザーの投稿が表示される仕組みになっており、新しい「好き」「欲しい」との出会いを作ってくれるフィードです。企業にとっては、新しいユーザーとのタッチポイントになる場所でもあるため、リーチやフォロワーを増やすという点において、投稿が発見タブに表示されることが重要になってきます。
発見タブやリールタブに表示されるコンテンツは、ユーザーの興味関心に基づいて表示されるため一人ひとり別です。
過去に「いいね!」や「コメント」「保存」をした投稿などのシグナルを調べ、興味関心があると思われる投稿が表示されています。
公式ブログによると以下の通りです。
●投稿に関する情報・・・投稿の人気度を測ります。どれだけ多くの利用者が、どれだけ素早く投稿に「いいね!」またはコメントしたか、あるいは投稿をシェアまたは保存したか、などがシグナルとなります。[発見]タブでは、こうしたシグナルは、フィードやストーリーズの場合よりもはるかに重視されます。
●あなたと投稿者とのやり取りの履歴・・・ほとんどの場合、[発見]タブに表示されるのは知らない人の投稿です。ただし、ある投稿者と過去にやり取りがあった場合、そのことが、その投稿者の投稿に対するあなたの興味を推し量る判断材料になることがあります。
●あなたのアクティビティ・・・あなたがそれまでどのような投稿に「いいね!」、保存、コメントといったアクションを取ってきたかや、[発見]タブの投稿にどのような反応を示したか、などのシグナルが含まれます。
●投稿者に関する情報・・・直近の数週間で、その投稿者と他の利用者との間に何回やり取りがあったかなどのシグナルが含まれます。魅力的なコンテンツを投稿している人を、多種多様な投稿者の中から探し出すのに役立ちます。
リールの場合は以下の4つです。
●あなたのアクティビティ・・・あなたが最近「いいね!」またはコメントをしたり、アクションをとったりしたリールを調べます。これらのシグナルを参考に、あなたとの関連性が高そうなコンテンツを把握します。
●あなたと投稿者とのやり取りの履歴・・・[発見]タブの場合と同様、表示されるのは知らない人が作成した動画です。ただし、ある投稿者と過去にやり取りがあった場合、そのことが、その投稿者の投稿に対するあなたの興味を推し量る判断材料になることがあります。
●リールに関する情報・・・動画内のコンテンツに関するシグナルです。解像度やフレームレートなどの動画に関する情報、音源、人気などが含まれます。
●投稿者に関する情報・・・投稿者の人気度は、魅力的なコンテンツを投稿している人を多種多様な投稿者の中から探し出し、あらゆる人にオーディエンスを見つけるチャンスを提供するのに役立ちます。
3-3.オリジナルコンテンツがおすすめに表示されやすい
2022年4月に、Instagramの代表を務めるアダム・モセリ氏が「Instagramに投稿した写真や動画のランク付け方法を更新する」と発表し、過去に投稿されたことにあるコンテンツよりも、新しいオリジナルコンテンツの方が高いランク付けをされるようになっています。
つまり、アカウントを運用する際にオリジナルのコンテンツを投稿するのが表示されやすくなるポイントとなります。

4.アルゴリズムに基づいたInstagramの5つの運用ポイント
Instagramのアルゴリズムでは「ユーザーのコンテンツへの関心の高さ」と「アカウント同士のつながり」が重要です。この二つのクリアするためにどんなアカウント運用をしていけばいいのかをご紹介します。
4-1.ユーザーが身近に感じ、共感できるコンテンツを制作する
まずはユーザーが自分の身近な事柄として共感できるコンテンツを提供しましょう。例えば、ボディケアに興味のある女性を対象にアンケート調査を実施し、結果を投稿します。すると同様の悩みを持つ女性の興味・関心を持ってくれます。
4-2.ユーザーにとって役立つコンテンツを制作する
「ユーザーにとって役立つ」という視点もコンテンツ制作では欠かせません。後で見返したくなる投稿は保存やフォローへと繋がるからです。
具体的には、コラム記事や比較記事などを魅力的な写真・動画とともに投稿することです。そのためにはフォローが何を望んでいるのかを投稿インサイトを見て、ユーザーの好みを把握しておきましょう。注目してほしいのは保存数です。ここの数字が高いとユーザーの役に立つコンテンツがわかってきます。
4-3.投稿・コンテンツからプロフィールへ誘導する
コンテンツ制作の際には、投稿からプロフィールへ誘導するために、下記の内容を挿入するとユーザーアクションが期待できます。
テキスト内への誘導文挿入やユーザーネームを入れておくとプロフィールにアクセスされる可能性が高くなります。
主な方法としては、
・「商品詳細はプロフィールのリンクをチェック!」という文言をキャプションに入れる
・「@neworder_ 」のようにユーザーネームを入れる(タップでプロフィール画面に移動可)
などが挙げられます。
Instagramのアルゴリズムはプロフィールへのアクセス数も重要視しています。投稿の際は工夫しておきましょう。
4-4.滞在時間を増やす工夫を心がける
フィード投稿を行う際は、画像や動画は複数にしておきましょう。ユーザーの滞在時間が1秒でも長くなると、アルゴリズムが優先的に表示してくれるからです。
もし1枚しか画像が投稿されていない、あるいは数秒の動画しかない場合、ユーザーはすぐに画面をスクロールしてしまいます。それだとシグナルとして弱くなってしまいます。スクロールさせないために複数の画像と動画を投稿しましょう。
4-5.関連性のあるハッシュタグをつける
投稿する動画や画像に関連したハッシュタグをつけると、対象のハッシュタグを検索したユーザーにとって有益な情報を得やすくなります。関心のあるユーザーが増えればフォロワー以外へのリーチ数が伸びていき、インプレッション数も増えていきます。
少しでもインプレッションを伸ばすためにも自身の投稿と関係のあるハッシュタグを付けてください。できれば10個以上つけておくとフォロワー以外のリーチ数が伸びやすくなります。
5.まとめ
Instagramは、「ユーザーのコンテンツへの関心の高さ」や「アカウント同士のつながり」を含むシグナルを重視し、独自のアルゴリズムに基づいて、ホームタブ、リールタブ、発見タブに表示される順序を決定しています。
自身のアカウントのインサイトを常に確認し、データをもとに成果と課題を振り返り、PDCAサイクルを回していきましょう。
そこで大切なのは「投稿の質」です。いくらポイントを押さえた運用をしていても肝心の投稿の質が低いとフォロワー数はアップしません。まずは投稿の質を上げていくことを第一に考え、その上でアルゴリズムに基づいた運用をしていきましょう。
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