【インタビュー】定国直樹氏(ピンタレスト・ジャパン株式会社 代表取締役社長)

いよいよ国内展開本格化。

企業がいまピンタレストを始めるべき理由

定国直樹(さだくに・なおき)

ピンタレスト・ジャパン株式会社 代表取締役社長

——2010年にアメリカで始まったピンタレストですが、その特徴はどういったものなのでしょうか?

ピンタレストの根本にあるのは、「もっとみんながクリエイティブになれるはずだ」という考え方です。誰しも子どもの頃には想像力豊かにいろんなことを考えますが、ある一定のところから枠にはまってしまって、クリエイティブなことは一部の人のみのものになってしまう。でも、プラットフォームやツールを使うことで皆よりクリエイティブなことができるはずと私たちは考えていて、「ピンタレスト」はそのためのものだと考えています。

——そのピンタレストは2013年11月に日本に上陸しました。今の状況をどうお考えですか?

ピンタレストは最初からグローバルで始めたわけではなく、アメリカで200名を超える規模になり、ようやく海外展開をできる体制が整ってきた段階から海外展開を開始してきました。海外展開を始めた際にはまずは3カ国から始めたのですが、ヨーロッパではイギリスとフランス、そしてアジアでは日本が最初の国として選択されました。

もちろん、まだまだこれからではありますが、アクティブユーザーはこの1年で3倍になり、ユーザー数は順調に伸びてきています。

−−ピンタレストは「クリエイティブになるためのツール」というお話がありましたが、FacebookやTwitter、インスタグラムやtumblr.など、他のSNSとの違いはどこにあるのでしょうか?


ひと言で表現するならば、「ディスカバー(発見)」です。たとえばグーグルは、「検索」で、具体的な質問に対して、欲しい答えが返ってきます。でも発見というのはたとえばリビングルームをもっと気持ちいい空間にしたいというような、漠然としたイメージを「発見」するためのものなんです。

FacebookもTwitterにもインスタグラムにも2つの共通点があります。ひとつは昨日、こんなに楽しい場所に行ったとか、いま、目の前でこんなことが起きているというように現在、もしくは過去について語るサービスであること。もうひとつが友達に伝えることを楽しむサービスであるということです。一方、ピンタレストはそうではなくて、自分の将来を描いていくツールであり、プラットフォームなんです。

たとえば僕は気になるインテリアやガーデニングなど、自分の興味あるコンテンツをどんどん「ピン」していきます。すると、次第に自分の好きなデザインの傾向がわかってきたり、自分自身知らなかったような「気づき」を発見することができたりします。あるいは今年はこういうことをしていきたいというようなものをどんどん「ピン」していく。それはまさに未来を描くということだと思います。


——ピンタレストは他のSNSと比較して、購入へのアクションが高いと言われています。その理由はどこにあるのでしょうか?

リサーチ会社によって差はありますが、他のSNSと比較して、ピンタレスト経由で購入にいたるパーセンテージがおしなべて高いことは間違いありません。その理由はピンタレストそのものの性質にあると考えています。

ピンタレストは、自分の興味あるものや、好きなコンテンツを「ピン」していくもの。すると自然に好きなものが集まっていく。

たとえば他の人が「いいね!」と言っている商品や、誰かが食事に行ったとか、どこかに旅行に行ったというフィードが流れてきて何となくクリックしたときと、そもそも自分の趣味や興味にあったものが流れてきて、クリックしたときのモチベーションはそもそも違いますよね? それが数値に表れているんだと思います。

そしてもうひとつ、私たちはコンテンツホルダーやクリエイターの方に対してちゃんとトラフィックを送ることをとても重視しています。それはイコールその方たちの作品がより多くの人に知られるといういいサイクルを生み出せるはずです。

——では企業にとってピンタレストはどのような活用があるのでしょうか? 日本ではピンタレストの企業アカウントを活用している会社は多くありません。

ピンタレストにもFacebookと同様に企業アカウントがありますが、一般ユーザーアカウントと企業アカウントにほとんど違いありません。

ただ、上手に使うには、「遊び心」がポイントになってくると思います。つまりオフィシャルのWEBサイトではなかなかできないことをピンタレストではトライしていただくのがいいと思います。

たとえば新製品を発売しましたとか、これが売れ筋No.1ですといった報告は、Facebookをはじめ他のSNSを使った方がいいと思っています。

反対にピンタレストは企業としてのメッセージを発する場所、インスピレーションを与える場所だと思います。

自分たちが支持するものや、自分たちと思想が似ているもの、自分たちがインスピレーションを受けたものをどんどんピンしていく。それが一定以上まとまったとき、会社としてのメッセージになっていくのではないでしょうか。

アメリカのMadewellというファッションブランドは、自分たちの服以外にも、自分たちと世界観が似ているものをピンしていますし、ペットの保険会社のPetplanはペットが喜ぶようなおやつをテーマにピンしたりしている。そうすることで、ユーザーたちとペットコミュニティを作ったりしています。こうした使い方は、これから企業アカウントを始めて頂くにあたって、とても参考になると思います。


ピンタレストは、いま企業アカウントを作るのにも抜群のタイミングだと思っています。というのは、いまFacebookやTwitterで成功している会社は、感度が高い人たちが使い始めたタイミングでユーザーとコミュニティを作る事に成功しました。

反対に今の段階でFacebookページを作っても、注目を集めるのは簡単ではありません。

ですから、まさに企業にとって、ピンタレストを始める機はまさに熟したと言えますね。

——最後に今後の展開を教えてください。

今はまだお話しできませんが、2015年はこれまでとは違った新しい展開を考えています。夏ぐらいには具体的なとりくみが様々なかたちで見えてくるのではないでしょうか。企業アカウントにとっていまが絶好のタイミングというのはそういった仕掛けも含めてのこと。ですから、ピンタレストとしては、当然プロダクトやサービスを頑張りつつ、国内ではこれからさまざまな企業とパートナーシップを組んで、コミュニティを作っていきたいと考えています。


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