AI SEARCH / 自社サイトの実測データ
2026年9月の実測 / 同一サイトの2記事を比較
AI Overviewに59%食われた記事のCTRは9.3%。
5%しか食われていない記事は0.8%だった。
AI Overviewに引用されるとクリックが減る、というのが一般的な理解です。自社サイトの2記事を同じ期間・同じ指標で比べたところ、結果は逆でした。何が本当の分かれ目だったのかを整理します。
この記事で扱うこと
AI Overviewに引用されると、クリックが奪われる。この理解は広く共有されています。
Ahrefsが2026年2月に公開した調査では、2025年12月の約30万キーワードを分析した結果、AI Overviewが表示される検索では、検索1位ページのCTRがAI Overviewのない場合の推定値より約58%低かったと報告されています。
ニューオーダーのサイトでも同じことが起きているのか。Search Consoleの生成AIレポートを使って、自社の2記事を同じ期間・同じ指標で比べました。
結果は、通説と逆でした。
先に結論
AI Overview表示が通常検索の59%にのぼる記事のCTRは9.3%。5%にとどまる記事は0.8%でした。
AI露出が多いページのほうが、クリックされていました。少なくとも自社の2記事では、通説と逆の結果です。
分かれ目は平均掲載順位でした。3位と8.4位。表示回数はほぼ同じ(4.2万と3.4万)なのに、クリックは14倍違います。
AI Overviewに引用されるページの多くは、そもそも通常検索の上位にあります。引用と上位表示は、同じ原因から生まれる結果だと考えられます。
Search Consoleの生成AIレポートで分かるのは表示回数だけです。クリック、CTR、順位、クエリは含まれません。
AI Overview対策を考える前に、通常検索での順位を見てください。順位が落ちている記事は、AI以前の問題です。
SECTION 01 / BACKGROUND
なぜいま測るのか|媒体社が広告商品にし始めた
2026年9月28日、朝日新聞社が生成AI検索時代に対応した新広告メニュー「AIO/GEOタイアップ」の提供を開始しました。
広告主のブランドが生成AIの回答内で適切に言及・引用されるよう、情報設計から効果測定までを支援する内容です。従来のSEOが検索順位やクリック率を重視するのに対し、AIO/GEOは生成AIの回答における言及や引用の文脈・回数を重要指標とする点が特徴とされています。
同社は外部有識者と共同で、2026年7月から8月にかけて7業種700問のプロンプトを各AIツールで調査し、朝日新聞グループがGoogle系AIで引用数上位にあることを確認したとしています。
媒体社が広告商品として売り始めたということは、市場が測定の段階に入ったということです。
自社サイトでも測れます
2026年6月3日、GoogleはSearch Consoleに生成AIパフォーマンスレポートを追加しました。自サイトのページが検索の生成AI回答、すなわちAI OverviewsとAI Modeに何回表示されたかを測る専用レポートです。
広告を出さなくても、自社サイトのAI露出は無料で確認できます。
SECTION 02 / HOW TO READ
Search Consoleの生成AIレポートで分かること
まず、このレポートで何が分かり、何が分からないのかを押さえます。
表示回数
分かる。AI OverviewsやAI Modeに自サイトのURLが表示された回数
※表は横にスクロールできます。2026年9月時点の仕様です。Googleは今後ほかの指標も追加すると表明しています。
使えるのは表示回数だけです。したがって通常の検索パフォーマンスレポートと突き合わせる必要があります。
開き方
Search Consoleの検索パフォーマンス画面を開くと、グラフの下に生成AI機能に関する案内の帯が出ます。そこから生成AIレポートへ移動できます。
期間を揃えて、通常の検索パフォーマンスと並べて見る。この2つを比べることが、唯一できる分析です。
SECTION 03 / DATA
実測|同じサイトの2記事を比べた
ニューオーダーのサイトから、条件の近い2記事を選びました。どちらもInstagramの使い方を解説したハウツー記事です。
比較した2記事
A:インスタの矢印マークの意味を解説した記事(/2025/09/11/instagram_repost/)
B:インスタのストーリーの足跡について解説した記事(/2025/12/01/storys_instagram_ashiato/)
期間は2026年9月1日から28日の28日間。通常検索と生成AIレポートの両方を、同じ期間で取得しました。
※表は横にスクロールできます。2026年9月1日〜28日、Search Consoleの検索パフォーマンスおよび生成AIパフォーマンスレポートより。
通説と逆の結果でした
Aは通常検索の表示回数に対して59%に相当する回数、生成AIに表示されています。それでもCTRは9.3%。
Bはわずか5%。生成AIにほとんど引用されていません。それなのにCTRは0.8%です。
AI露出が多いページのほうが、クリックされている。AI Overviewが表示される検索ではCTRが約58%低いという調査結果とは、逆の動きです。
表示回数はほぼ同じです
4.2万と3.4万。見られている回数に大きな差はありません。それでもクリックは3,984と278で、14倍の開きがあります。表示が足りないのではなく、表示されてもクリックされていない。これがBの状態です。
SECTION 04 / ANALYSIS
数字をどう読むか
では、何が差を生んだのか。
第一に、平均掲載順位です
Aは3位、Bは8.4位。
8.4位は検索結果の1ページ目の下部です。一般にこの位置のCTRは数%程度とされており、0.8%は、それより大きく下回っています。順位だけでは説明しきれない部分も残ります。
ただ、3位と8.4位という差は決定的です。AI Overviewを論じる前に、順位の問題があるということです。
第二に、クエリの分散です
Aは、Search Consoleで確認できる範囲で600を超えるクエリから表示されています。
「インスタ 矢印マーク」「インスタの矢印マークは何」「インスタ 矢印マーク 何」「インスタ矢印マーク何」「インスタ 矢印くるくる」。同じことを少しずつ違う言い方で検索しているクエリが、大量にあります。
AI Overviewは代表的な言い回しには答えを出しますが、この粒度の揺れをすべて拾いきれているとは限りません。結果として、通常検索の入口が残り続けている可能性があります。
一方Bは、足跡をつけずに見る方法という問いが比較的はっきりした領域です。言い換えの幅が狭い分、AI Overviewや上位サイトに答えを押さえられると、逃げ場が少なくなります。
第三に、引用と上位表示は同じ原因から生まれている可能性
Ahrefsの調査では、AI Overviewsで引用されたページの76.10%が検索結果のトップ10に入っていたとされています。
つまりAI Overviewに引用されるページは、もともと検索で上位にあるページです。引用されたから上位なのではなく、上位だから引用される。順序が逆かもしれません。
そう考えると、Aの数字は自然です。順位3位で評価が高いから、AI Overviewにも引用され、通常検索でもクリックされている。AI露出は原因ではなく、結果の指標ということになります。
OPTION 01 / 測り方を社内に残す
AI×SNS企業研修
生成AIレポートの読み方から、何を指標に置くかまで。自社のデータを題材に、判断できる状態を社内に残します。
OPTION 02 / 運用ごと任せる
Instagram運用代行
アカウント設計から投稿制作、分析改善まで。検索と生成AIの両方を見た運用設計をお引き受けします。
SECTION 05 / KPI
運用のKPIにどう組み込むか
ここまでの結果をふまえると、見るべき順番が決まります。
01通常検索の順位とCTRを先に見る
AI Overview対策を検討する前に、通常検索でどの位置にいるかを確認します。順位が落ちている記事は、AI以前の問題です。表示回数が十分にあるのにCTRが低い記事から手をつけます。
02生成AI表示を、順位の補助指標として置く
生成AI表示が多いこと自体は、悪い兆候ではない可能性があります。むしろ評価されている証拠かもしれません。表示回数の推移を記録し、通常検索の順位と並べて見てください。
03クエリの分散を記事ごとに確認する
検索パフォーマンスでページを絞り、クエリの件数を見ます。少数のクエリに集中している記事は、AI Overviewや上位サイトの影響を受けやすい構造です。
04記事単位ではなく、問いの束で設計する
ひとつの問いに最適化した記事は、その問いの答えが外で完結した時点で役割を失います。関連する問いをまとめて扱い、言い換えの幅を広く取る設計が、結果として耐性を生みます。
05月次で記録し、3か月で判断する
生成AIレポートはまだベータ版で、仕様も変わります。単月の増減で判断せず、記録を積んでください。朝日新聞社の広告メニューも記事公開前後の変化を計測する設計になっています。
やらなくてよいこと
AI Overviewに引用されるための特別な施策を急いで導入する必要は、現時点では見当たりません。引用されるページは検索で上位にあるページだとすれば、やるべきことは従来のSEOと大きく変わらないことになります。構造化データやFAQ形式の整備は有効ですが、順位が落ちている記事に施すべき最優先の処置ではありません。
SECTION 06 / LIMITATIONS
この検証の限界
この結果をそのまま一般化することはできません。限界を4つ挙げます。
2記事の比較です
母数が2本では、統計的な結論は出せません。同じ傾向が他のサイトで再現するかは分かりません。
期間が28日です
季節性や、Googleのアルゴリズム更新の影響を切り分けられていません。
因果関係は示せていません
順位が高いからCTRが高いのか、別の要因があるのか。相関の観察にとどまります。
クエリ分散は仮説です
Aのクエリ件数は確認していますが、それが原因であることを証明したわけではありません。
それでも書いた理由は、自社のデータで確かめられるからです。同じ手順は、どのサイトでも実行できます。
AI Overviewでクリックが減るという前提で施策を考える前に、自社のデータがどうなっているかを一度見てください。前提が違っているかもしれません。
QSearch Consoleで、AI Overviewの表示回数は確認できますか。
Aできます。2026年6月3日に追加された生成AIパフォーマンスレポートで、AI OverviewsやAI Modeに自サイトのURLが表示された回数を確認できます。検索パフォーマンス画面から移動できます。
Qそのレポートでクリック数やCTRは分かりますか。
A2026年9月時点では分かりません。表示回数、ページ、国、デバイス、日付の5項目のみです。クリック数、CTR、平均掲載順位、クエリは含まれていません。Googleは今後ほかの指標も追加すると表明しています。
QAI Overviewに引用されると、クリックは減りますか。
A一般にはそう理解されています。Ahrefsの2026年2月の調査では、AI Overviewが表示される検索で1位ページのCTRが約58%低かったと報告されています。ただしニューオーダーの自社サイトで2記事を比較したところ、生成AI表示が通常検索の59%にのぼる記事のCTRが9.3%、5%にとどまる記事が0.8%と、逆の結果になりました。
Qなぜ逆の結果になったのですか。
A平均掲載順位が3位と8.4位で大きく異なっていたことが最大の要因と考えられます。またAI Overviewに引用されるページの多くはもともと検索上位にあるため、引用されること自体が評価の高さを示している可能性があります。ただし2記事の比較であり、因果関係を証明したものではありません。
QAI Overview対策として、まず何をすべきですか。
A通常検索での順位とCTRを先に確認してください。順位が落ちている記事は、AI Overviewとは別の問題を抱えている可能性があります。生成AI表示は、順位の補助指標として記録するところから始めるのが現実的です。
Q構造化データやFAQ形式の整備は効果がありますか。
AAIが内容を正確に理解しやすくなるという点で有効とされています。ただし引用されるページの多くが検索上位にあることを踏まえると、順位が低い記事に対する最優先の処置とは言えません。順位の改善と並行して進めるのが妥当です。
Qどのくらいの頻度で確認すればよいですか。
A月次で記録し、3か月程度の推移で判断することをおすすめします。生成AIレポートはベータ版で仕様の変更もあるため、単月の増減で結論を出すのは避けたほうが安全です。
CLOSING / まとめ
AIを論じる前に、順位を見る
自社の2記事を比べたところ、AI露出が多いページのほうがCTRが高かった。
分かれ目は平均掲載順位。3位と8.4位で、クリックが14倍違った。
AI Overviewに引用されるページの多くは、もともと検索上位にある。引用は原因ではなく結果の指標かもしれない。
生成AIレポートで分かるのは表示回数だけ。通常検索と突き合わせて読む。
ひとつの問いに最適化した記事は、答えが外で完結した時点で役割を失う。問いの束で設計する。
2記事の比較であり、一般化はできない。だからこそ、自社のデータで確かめてほしい。
SOURCES / 出典・参考
生成AI検索時代に対応した、新しい広告メニュー「AIO/GEOタイアップ」を提供開始(2026年9月28日) / 株式会社朝日新聞社(prtimes.jp)
Search Console に生成AIパフォーマンスレポートを追加(2026年6月3日) / Google Search Central(developers.google.com)
AI Overviewsと検索クリックに関する調査(2026年2月) / Ahrefs(ahrefs.com)
ニューオーダー自社サイトのSearch Consoleデータ(2026年9月1日〜28日)(ニューオーダー)
※ 本記事は2026年9月30日時点の情報と、同年9月1日から28日に取得した自社サイトのデータにもとづきます。生成AIパフォーマンスレポートはベータ版であり、仕様および指標は変更される場合があります。掲載した数値は特定のサイトにおける観察であり、同様の結果を保証するものではありません。
OPTION 01 / 測り方を社内に残す
AI×SNS企業研修
生成AIレポートの読み方から、何を指標に置くかまで。自社のデータを題材に、判断できる状態を社内に残します。
OPTION 02 / 運用ごと任せる
Instagram運用代行
アカウント設計から投稿制作、分析改善まで。検索と生成AIの両方を見た運用設計をお引き受けします。
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