BTOB MARKETING / INSTAGRAM
BtoB企業のInstagram活用
「うちはBtoBだから、Instagramは関係ない」
その判断は、少しもったいない。
商材が専門的で、取引先も限られる。BtoB企業にとってInstagramは相性が分かりにくい媒体です。それでも、企業を知ってもらう手段としては有効に働きます。実際の企業アカウントを見ながら整理します。
この記事で扱うこと
BtoB企業がInstagramを使う意味は、商品を売ることではありません。
取引先の担当者、求職者、社員とその家族、地域の人。自社を取り巻く人たちに、どんな会社なのかを知ってもらう。そのための場として機能します。
この記事では、BtoB企業がInstagramを始める理由、実際の企業アカウント、投稿の企画、運用の設計を順に整理します。
先に結論
BtoBでも発信を受け取るのは人です。取引先の担当者も求職者も、個人としてInstagramを見ています。
文章やカタログでは伝わりにくいものが伝えられます。製造現場、技術者の仕事、製品が使われている様子。
Instagramは投稿にリンクを張れません。だからこそ、売り込むのではなく知ってもらう場として設計するほうが機能します。
会社紹介や製品紹介をそのまま出しても見られません。見る側の関心から企画を組み直す必要があります。
見る指標はフォロワー数ではなく、保存、プロフィールへのアクセス、採用ページへの流入、指名検索です。
SECTION 01 / WHY
BtoB企業がInstagramを始めるべき3つの理由
1. 受け取るのは、会社ではなく人です
BtoBの取引は企業と企業の間で成立しますが、実際にやり取りするのは人です。
発注先を検討する担当者も、転職を考えている技術者も、仕事を終えればひとりの利用者としてInstagramを開きます。会社の名前を見かけて、どんなところか気になって、プロフィールを覗く。その入口をつくるのがInstagramの役割です。
最終消費者と接点のないBtoB企業ほど、何をしている会社なのかが伝わっていません。知られていないことによる機会損失は、思っているより大きい。
2. 文章では伝わりにくいものが伝えられます
製造工程、検査の様子、技術者の手つき、製品が実際に使われている現場。写真と動画でしか伝わらない情報があります。
カタログやWebサイトは、情報を整理して伝えるのに向いています。一方で、現場の空気や働く人の雰囲気は、整理された情報からは抜け落ちます。Instagramはそこを補えます。
3. 採用と広報に、同じ素材を使えます
撮影した写真や動画は、Instagramだけで終わりません。採用ページ、会社案内、展示会のモニター、社内報。ひとつの素材を複数の用途に回せます。
特に採用では効きます。求人票では分からない職場の様子を、普段の投稿が代わりに伝えます。
ポイント
BtoBのInstagramは、売るための場ではなく、知ってもらうための場です。問い合わせを増やすことを目的にすると、投稿が売り込みに寄り、かえって見られなくなります。
SECTION 02 / CASE
支援事例|株式会社アーネスト
当社では、株式会社アーネストのSNS活用を支援してきました。
同社は、高品質リビルト自動車部品ブランド「RAP」と、環境対応優良部品ブランド「NAP」を展開する、自動車補修部品の製造・販売会社です。
リビルト部品は、使用済みの部品を整備して再び使える状態にする製品です。環境面でもコスト面でも意義のある事業ですが、業界の外にいる人には仕組みが伝わりにくいテーマでもあります。
Instagramでは、製品のスペックを並べるのではなく、事業や会社の様子が自然に伝わる投稿を重ねています。
株式会社アーネスト公式(@honest_japan)の投稿
株式会社アーネスト公式(@honest_japan)の投稿
株式会社アーネスト公式(@honest_japan)の投稿
株式会社アーネスト公式(@honest_japan)の投稿
BtoB企業のアカウントでも、製品だけを並べる必要はありません。会社の取り組みや現場の様子を見せることで、事業への理解が進みます。
SECTION 03 / REFERENCE
参考事例|加賀電子株式会社
もう1社、BtoB企業のInstagram活用として参考になるアカウントを紹介します。
加賀電子株式会社は、半導体や電子部品の商社機能に加え、電子機器の設計・製造を手がける企業です。一般の消費者が直接取引する会社ではありません。
それでもInstagramでは、企業の活動や社内の様子を定期的に発信しています。
加賀電子株式会社(@kaga_electronics_pr)の投稿
加賀電子株式会社(@kaga_electronics_pr)の投稿
取引先に向けた製品の宣伝ではなく、企業そのものを知ってもらう発信になっている点が参考になります。
SECTION 04 / PITFALL
「製品紹介」だけでは見られにくい理由
BtoB企業がInstagramを始めると、まず製品の写真を並べがちです。
それ自体は間違いではありませんが、見る側に自分が見る理由がありません。カタログをそのまま載せているのと変わらないからです。
企画は、見る側の関心から組み直すと変わります。
製品紹介
なぜこの製品が必要なのか、現場のどんな困りごとを解決するのかから見せる
工場紹介
普段は見られない工程や、品質管理の工夫を切り取る
社員紹介
仕事内容だけでなく、入社の理由や仕事の面白さを語ってもらう
会社の歴史
業界がどう変わってきたか、顧客の課題がどう移ったかと結び付ける
展示会の報告
どんな質問が多かったか、来場者が何に関心を持っていたかを共有する
※表は横にスクロールできます。
共通しているのは、主語を自社から、見る側に移している点です。
SECTION 05 / IDEAS
BtoB企業におすすめの投稿企画
最初から大がかりな撮影をする必要はありません。続けられる企画から始めることが大切です。
現場・工場の様子
製造工程、検査、物流、技術者の仕事。普段見えない場所ほど関心を持たれます。
製品が使われている場面
自社の製品が、どこでどう役立っているか。取引先の許可を得て紹介できると強い。
社員とチーム
誰が働いているのか。採用にも効き、取引先の安心にもつながります。
専門知識の解説
業界の基礎知識、用語、制度の変更。カルーセルでまとめると保存されます。
展示会やイベント
準備、当日の様子、終わってからの振り返り。リアルタイム性のある発信ができます。
会社の日常
朝礼、社内の取り組み、周年、季節の行事。親しみが生まれます。
形式の使い分け
リール
はじめて見る人に届ける。現場の動き、工程、人の様子
カルーセル
理解してもらう。解説、比較、手順、まとめ。保存されやすい形式です
ストーリーズ
既に知っている人との接点を保つ。日常、イベント速報、質問の受付
通常投稿
世界観を積み上げる。製品写真、現場の記録、社員の写真
※表は横にスクロールできます。
SECTION 06 / DESIGN
運用の設計|誰に、何を知ってもらうか
投稿を始める前に、決めておくことがあります。
誰に向けた発信かを1つに絞る
取引先の担当者、求職者、既存顧客、地域。全部に向けると、誰にも届きません。
たとえば採用を主目的にするなら、職場や社員の投稿が中心になります。取引先への理解促進なら、技術や製品が使われる場面が中心になります。目的が決まれば、投稿する内容も自然に決まります。
売り込まない
Instagramは投稿本文にリンクを張れません。クリックして詳細へ、という流れが作れない媒体です。
この制約は、むしろ設計を助けます。売り込めないなら、知ってもらうことに集中すればいい。製品の性能を並べるより、どんな会社がどんな思いで作っているかを伝えるほうが、Instagramでは届きます。
プロフィールには自社サイトへのリンクを1本置けます。興味を持った人が自分で辿れる状態にしておけば、十分です。
続けられる体制にする
BtoBのInstagramは、短期間で数字が跳ねる施策ではありません。半年から1年かけて、少しずつ知られていくものです。
月に何本出すか、誰が撮るか、誰が確認するか。無理のない本数を決めて、止めないことが、結果的にいちばん効きます。
BtoBは扱う内容が専門的なぶん、社内に分かる人がいるほど続きます。現場で撮った素材を社内で投稿に仕上げられる体制があれば、外部に全部を頼むより回しやすくなります。生成AIを使えば、キャプションの作成や企画出しの負担は下げられます。
撮影と公開のルールを決めておく
工場や現場を撮る場合、写してよい範囲を事前に決めておくことをおすすめします。取引先から預かった製品、開発中の設備、社員の顔。後から問題になりやすい部分です。公開前に誰が確認するかも、あわせて決めておいてください。
SECTION 07 / KPI
見ておきたい指標
フォロワー数を目標にすると、BtoBではうまくいきません。そもそも母数が小さいからです。
代わりに見る指標を挙げます。
保存数
後で見返したいと思われたか。解説系の投稿で特に意味を持ちます
プロフィールへのアクセス
投稿から会社に興味が移ったか。認知の深さを示します
プロフィールのリンククリック
自社サイトまで辿った人の数
リーチした人のうち、フォロワー以外の割合
新しい人に届いているか
採用ページへの流入
採用目的なら、ここが実質的な成果地点になります
指名検索の推移
社名で検索する人が増えたか。認知が広がった証拠になります
※表は横にスクロールできます。
最後の2つは、Instagramの管理画面では分かりません。アクセス解析やSearch Consoleと合わせて見る必要があります。
QBtoB企業がInstagramをやる意味はありますか。
Aあります。取引先の担当者も求職者も、個人としてInstagramを見ています。最終消費者と接点のないBtoB企業ほど、何をしている会社なのかが伝わっていないため、知ってもらう手段として機能します。
Qフォロワーが増えなくても意味がありますか。
Aあります。BtoBではそもそも対象となる人数が限られるため、フォロワー数を目標にすると評価できません。保存数、プロフィールへのアクセス、採用ページへの流入、指名検索の推移といった指標のほうが、実態に近い評価ができます。
Q製品の写真だけでは駄目ですか。
A駄目ではありませんが、見る側に自分が見る理由がないため伸びにくくなります。なぜその製品が必要なのか、どんな困りごとを解決するのか。現場の課題から組み立てると、同じ製品紹介でも見られ方が変わります。
Qどのくらいの頻度で投稿すればよいですか。
A本数より継続です。月2本でも止めずに続けるほうが、一時的に増やして止まるより効果があります。誰が撮り、誰が確認し、いつ出すかを決めて、無理のない本数から始めてください。
Q工場や現場を撮影するときの注意点は。
A写してよい範囲を事前に決めておくことをおすすめします。取引先から預かった製品、開発中の設備、社員の顔など、後から問題になりやすい部分があります。公開前に誰が確認するかもあわせて決めてください。
Qどのくらいで成果が見えますか。
A短期間で数字が跳ねる施策ではありません。半年から1年かけて少しずつ知られていくものと考えてください。途中で評価するなら、保存数やプロフィールへのアクセスの推移を見ます。
CLOSING / まとめ
売る場ではなく、知ってもらう場として使う
BtoBでも、発信を受け取るのは人。取引先の担当者も求職者も、個人としてInstagramを見ている。
文章やカタログでは伝わらない現場の様子や人の雰囲気を、写真と動画が補う。
製品紹介をそのまま出しても見られない。見る側の関心から企画を組み直す。
投稿にリンクを張れない媒体だからこそ、売り込まずに知ってもらうことへ集中する。
フォロワー数ではなく、保存、プロフィールへのアクセス、採用ページへの流入、指名検索を見る。
短期間では動かない。無理のない本数を決めて、止めないことがいちばん効く。
BtoB企業のInstagram運用を支援します
運用をお任せいただく形と、社内で回せるようにする形の2つがあります。現在の体制に合わせてご提案します。
OPTION 01 / 任せる
Instagram運用代行
アカウント設計、投稿企画、撮影、制作、分析改善まで。事業理解、採用、企業広報など、目的に合わせて設計します。撮影や制作だけの部分的なご依頼にも対応します。
OPTION 02 / 社内で回す
AI×SNS企業研修
現場で撮った素材を、生成AIを使って投稿に仕上げる手順を社内に残します。BtoBは専門的な内容を扱うため、社内に理解のある人がいるほど続きます。
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