投稿日:2025年10月28日|カテゴリ:SNSマーケティング / Instagram最新情報
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Instagramが2025年に導入した新機能「Friendsタブ」と「Watch History」は、TikTokを意識したリール(動画)重視の戦略を象徴しています。両機能の開発背景と、企業運用におけるマーケティング上の意味を徹底解説。
📈 Instagramは“TikTok化”を意識したリール強化フェーズへ
2025年、Instagramはショート動画「リール(Reels)」を軸に、プラットフォームの体験設計を大きくシフトしています。
この背景には、TikTokの急成長によって生まれた動画時代の覇権争いがあり、Meta(旧Facebook)全体として“映像によるエンゲージメント最適化”を狙っていることが明白です。
特に2025年に導入された以下2つの機能は、その戦略を象徴しています。
- Friendsタブ(2025年1月リリース)
- Watch History(視聴履歴)(2025年10月リリース)
いずれも「動画をもっと見せたい」「友人を介して共有を増やしたい」「視聴体験を再利用させたい」という意図が強く、Instagramの方向性を明確に示すアップデートです。
🧭 Friendsタブとは(2025年1月登場)
「Friendsタブ」は、2025年1月にAdam Mosseri(Instagram責任者)が発表した新機能です。
リール画面上部の「Reels」「Friends」の切り替えタブにより、友人(相互フォロー関係)による“いいね・コメント・リポスト”を中心に構成された専用フィードが表示されます。
機能概要
- 相互フォローしている“友達”がいいね・コメント・リポストしたリールが表示される
- 自分が関心を持ちやすいリールを「友人の行動」という文脈で発見できる
- プライバシー設定により、友達への表示範囲やアクティビティ公開をコントロール可能
戦略的目的
このFriendsタブの目的は、「友達の反応=信頼できる推薦」として、動画消費を拡大することです。
TikTokが持つ“コミュニティ的拡散力”を意識しており、Instagramはより「リアルな人間関係の中で広がる動画発見」を狙っています。
これにより、
- 「フォロワー数」より「関係性」が重視される時代へ
- ブランド投稿でも“友達タグ”や“共感コメント”が拡散の起点に
- 友達の“いいね”がリール視聴の新たなトリガーになる
🎬 Watch Historyとは(2025年10月リリース)
続いて、2025年10月に正式リリースされたのが「Watch History(視聴履歴)」機能です。
Instagramの設定内「あなたのアクティビティ」→「視聴履歴」からアクセスでき、過去30日以内に視聴したリールの一覧を確認できます。
機能概要
- 過去30日分の視聴リールを「古い順/新しい順」「日付範囲」「投稿アカウント」で絞り込み可能
- 個別リールの削除、履歴全削除にも対応
- 頻繁に視聴するクリエイターやテーマをアルゴリズムが再学習
戦略的目的
Watch Historyの導入背景には、ユーザーの「見たのにもう一度探せない」不満を解消する狙いがあります。
さらに重要なのは、Instagram側がこのデータをアルゴリズム改善に活用できる点です。
ユーザーが「もう一度見返したリール」「履歴から再訪した動画」を把握することで、
どの投稿が“長期的な価値”を持つかをAIが学び、推奨・発見タブでの露出最適化に生かされます。
つまり、Watch Historyは単なる“便利機能”ではなく、「再視聴データをシグナル化するアルゴリズム強化施策」でもあるのです。
💡 TikTokとの差別化:関係性 × 再発見のエコシステムへ
FriendsタブとWatch Historyはいずれも、“バズ”ではなく“関係性”と“継続視聴”を軸にしています。
InstagramはTikTokと異なり、既存のフォロー関係・友人ネットワークを活用した拡散構造を持っています。
| 狙い | 対応する新機能 |
|---|---|
| 友人の行動から発見を促進 | Friendsタブ |
| 視聴体験を再利用・再訪へ | Watch History |
| アルゴリズム精度を向上 | 両機能共通 |
| 滞在時間と再訪率の向上 | 両機能共通 |
結果として、Instagramは「おすすめ動画の量」ではなく、“信頼性のある発見と再訪”に価値を置く方向へ舵を切っています。
🚀 ブランド・企業運用への示唆
1. Friendsタブを意識した「友達連鎖」投稿設計
- タグ付けや共同出演リールなど、“友達を巻き込む構成”を強化
- コメントやメンションを促すキャプションで、相互行動を誘発
- KPIは「いいね数」よりも「コメント・タグ・リポスト数」を重視
2. Watch Historyを意識した「見返したくなる」動画設計
- 視聴者が再訪したくなる「情報性」「共感」「結末フック」を仕込む
- 15秒以内の短尺と、60秒超の“語り型”を両輪で検証
- 投稿後2〜3週間後に「再視聴促進」リマインドをストーリーで展開
3. KPI再定義の必要性
- 平均視聴時間(Watch Time)
- 再訪率(履歴経由視聴)
- 友達経由リーチ(Friendsタブ)
これらの新指標を追うことで、ブランド運用は「継続的な視聴価値」を測る段階へと進化します。
🎯 まとめ:Instagramは“動画の関係性プラットフォーム”へ
TikTokが「バズとトレンドの海」だとすれば、Instagramは「つながりと記憶が残る動画空間」へ。
今後のリール運用では、瞬間的な拡散よりも、“関係の中で何度も見られる投稿”を作ることが成功の鍵になるでしょう。
🧩 参考情報
- Instagram Friendsタブ(2025年1月発表)
The Verge: Instagram adds “Friends” tab for Reels - Watch History(2025年10月発表)
Social Media Today: Instagram adds Watch History for Reels
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