CTV ADVERTISING GUIDE 2026
CTV広告4媒体を比較
TVer・Netflix・Prime Video・ABEMAの選び方
動画配信サービスの広告が増え、「テレビCMの代わりにCTV広告を出したい」という相談も増えています。しかし、4媒体は同じ商品ではありません。視聴者、データ、買付方法、計測、得意な役割を整理し、企業がどう使い分けるべきかを解説します。
先に結論
CTV広告は、地上波CMをそのまま置き換えるものではありません。地上波が得意な一斉到達を残しながら、地上波だけでは届きにくい視聴者へ、データを使って補完的に届ける広告です。したがって「どの媒体が最強か」ではなく、誰に、何を、何回届け、どの行動につなげるかで選ぶべきです。
BASIC
CTV広告とは。OTT広告との違い
CTVはConnected TVの略で、インターネットに接続されたテレビ端末を指します。スマートテレビ、ストリーミング端末、ゲーム機などを通じて動画を視聴する環境です。一方、OTTは放送波ではなくインターネット経由で配信される動画サービスを指します。
視聴する「端末・環境」
リビングの大画面で見るスマートテレビなど。家族で一緒に見るケースもあります。
動画を届ける「配信方式・サービス」
TVer、Netflix、Prime Video、ABEMAなど、インターネット経由で動画を提供するサービスです。
実務では両者をまとめて「CTV広告」と呼ぶことがあります。ただし、同じ動画配信広告でも、スマートフォンでの視聴とテレビ画面での視聴では、見られ方もクリックのしやすさも異なります。媒体名だけでなく、どの端末に配信されるのかまで確認する必要があります。
AOYAMA’S VIEW
「どの番組に出すか」から「誰に、何回届けるか」へ
地上波CMでは、番組、放送時間、エリアを基に広告枠を選ぶのが基本でした。CTV広告では、これに年齢、性別、興味関心、購買・閲覧シグナル、番組視聴傾向などのデータが加わります。
テレビ広告は「番組を買う広告」から、
「視聴者と成果を設計する広告」へ変わりつつある。
これは事実の引用ではなく、各社の広告商品と計測機能を比較した上での青山の見立てです。
ただし、データが使えるから自動的に成果が出るわけではありません。視聴者の重複、世帯での共同視聴、テレビ画面ではクリックされにくいこと、媒体ごとに計測定義が異なることを理解しなければ、レポート上の数字だけが膨らみます。
事実と推論を分けます。各社が提供するターゲティングや計測機能は公式情報で確認できます。一方、「地上波からCTVへ予算を何%移すべきか」は企業ごとの顧客層、商圏、既存出稿、クリエイティブ、計測環境によって変わり、一律の正解はありません。
COMPARISON
TVer・Netflix・Prime Video・ABEMAの比較
4媒体を同じ物差しで比較すると、それぞれの役割が見えます。価格や最低出稿条件は契約形態や時期により変わるため、最新の提案・見積もりで確認してください。
| 媒体 | 主な強み | 使えるデータの例 | 買付・商品 | 向く目的 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| TVer | 国内テレビ番組の見逃し配信。地上波視聴の補完と広い到達 | 年齢、性別、郵便番号、興味関心、番組ジャンル等 | TVer広告、セルフサーブ等 | 全国・地域認知、テレビCMの補完 | 通常の商品では放送局や特定番組を自由指定できない場合がある |
| Netflix | 映画・シリーズ作品のプレミアムな視聴環境 | 広告商品のオーディエンス情報、外部連携等 | Netflix Ads Suite、各種DSP連携 | ブランド認知、好意形成、質の高い接触 | 機能は国・市場・商品で提供時期が異なる |
| Prime Video | Amazonの買い物・閲覧・ストリーミングのシグナル | Amazonのショッピング、閲覧、視聴シグナル等 | Amazon DSPのマネージド/セルフサービス | 認知から購買までのフルファネル | Amazon内の購買だけで評価しない設計も必要 |
| ABEMA | 若年層、ライブ、オリジナル番組、番組連動企画 | 年齢、性別、地域、興味、購買、番組視聴等 | ABEMA X Ads、番組CM、スポンサー企画等 | 若年層認知、番組文脈、タイアップ | 番組・企画型と運用型で設計が大きく異なる |
※表は横にスクロールできます。
MEDIA DETAIL
4媒体は何が違うのか
TVer
地上波テレビの補完
全国・地域への到達
日本のテレビ番組を軸に、広く確実に届ける
TVerは国内テレビ番組の公式見逃し配信を中心に、スマートフォンからテレビ画面まで接触できます。TVerの公表では、2026年1月の月間ユニークブラウザ数は4,470万、2026年1〜3月のデバイス構成はスマートフォン・タブレット52%、CTV38%、PC10%でした。
全国認知だけでなく、郵便番号情報を活用したエリア配信も強みです。地上波CMを止めて置き換えるより、テレビCMで届かなかった人や地域にTVerで追加接触する設計が現実的です。
Netflix
プレミアムな作品環境
ブランド形成
作品へ集中する時間の中でブランドを見せる
Netflix広告は、映画やシリーズ作品を見ようとしている視聴者に接触できます。Netflixは2025年に自社広告基盤「Netflix Ads Suite」を広告つきプラン提供12か国へ展開し、Amazon、Google DV360、The Trade Desk、Yahoo DSPなどとの連携拡大を公表しました。
安さや配信量だけを競うより、作品の視聴環境に合う映像品質、音、ストーリーでブランド好意をつくる媒体です。短期のサイト流入だけでなく、ブランドリフトや検索行動も評価対象にします。
Prime
Video
Amazonシグナル
認知から購買へ
買い物・閲覧・視聴のシグナルを広告設計へ
Prime Video広告は日本でも提供され、Amazonオリジナル作品やPrime特典対象の第三者コンテンツなどにプレロール、ミッドロールで配信されます。買付はAmazon DSPのマネージドサービスまたはセルフサービスを通じて行います。
最大の特徴は、Amazonの買い物、閲覧、ストリーミングのシグナルを使って、認知から検討・購買までを設計しやすいことです。EC商品だけでなく、耐久消費財、金融、旅行、店舗サービスでも、検討層の発見やブランド形成に応用できます。
ABEMA
若年層・ライブ
番組連動企画
番組の熱量と一緒にブランドを届ける
ABEMAはニュース、スポーツ、恋愛番組、アニメなどのリニア配信とオンデマンドを持ちます。ABEMAの広告資料では18〜34歳が利用者の過半を占め、年齢・性別・地域・興味関心に加え、購買情報や番組視聴者へのターゲティングも案内されています。
運用型広告だけでなく、番組CM、スポンサー、タイアップなど、コンテンツと一体になった企画が強みです。若い視聴者への認知だけでなく、「その番組を好きな人の会話にブランドが入る」設計を考えられます。
HOW TO CHOOSE
目的別に見る、CTV広告の選び方
4媒体すべてへ薄く出す必要はありません。いまの広告施策で届いていない層、足りない役割から優先順位を決めます。
地上波CMを補完したい
TVerを中心に検討。地上波とCTVの重複を見ながら、未到達層や地域へ追加接触します。
ブランドの質を高めたい
Netflixを候補に。プレミアムな作品環境に耐える映像表現とブランドリフト計測を設計します。
購買との距離を縮めたい
Prime VideoとAmazon DSPを候補に。購買・閲覧シグナルを活用し、認知から検討までつなげます。
若年層や番組ファンへ届けたい
ABEMAを候補に。ライブ、オリジナル番組、スポンサー企画まで含めて考えます。
「4媒体のリーチを足せば最大化」は間違い
同じ人がTVer、Netflix、Prime Video、ABEMAを併用している可能性があります。各媒体のリーチを単純に足すと、延べ人数を実人数のように扱うことになります。
- 共通のオーディエンス定義を決める
- 媒体横断の重複とフリークエンシーを把握する
- 配信量ではなく、純増リーチを確認する
- 同じ動画を流用せず、視聴文脈に合わせて編集する
MEASUREMENT
クリック率だけでは、CTV広告の価値を測れない
テレビ画面で動画を見た人は、その場で画面をクリックできないことがあります。しかし、広告を見た後にスマートフォンで商品名を検索し、後日店舗へ行くことはあります。CTV広告をWeb広告と同じクリック率だけで評価すると、本来の効果を見落とします。
広告接触
誰に、どの端末で、何回見せたか
意識変化
認知、理解、好意、購入意向が変わったか
行動変化
検索、サイト訪問、アプリ利用、来店が増えたか
事業成果
売上、申込、商談、継続率に寄与したか
最低限そろえたい計測項目
共同視聴にも注意が必要です。テレビ画面の1インプレッションを1人の視聴と断定できない場合があります。媒体レポートの数字をそのまま比較せず、定義と計測期間をそろえます。
ACTION
企業が出稿前に決めるべき5つのこと
広告の役割
全国認知、地上波の補完、若年層開拓、購買促進など、最優先の役割を一つ決めます。
狙う視聴者
年齢・性別だけでなく、生活、購入検討、視聴コンテンツ、地域まで具体化します。
媒体ごとのクリエイティブ
テレビCM素材の横流しで終わらせず、冒頭、尺、字幕、音、CTAを視聴環境へ合わせます。
重複と配信頻度
複数媒体を使う場合は、延べ配信量ではなく純増リーチと過剰接触を管理します。
成功の定義
再生完了だけで終わらず、検索、サイト訪問、来店、申込、売上まで評価方法を先に決めます。
SUMMARY
CTV広告は、媒体選びより「役割設計」が先
TVer、Netflix、Prime Video、ABEMAは、それぞれ視聴者もデータも買付方法も違います。4媒体へ同じ動画を配信し、合計再生回数を眺めるだけでは、CTV広告を使いこなしたことにはなりません。
地上波CM、YouTube、SNS広告、検索広告、店頭、ECまで含めて、どの施策が誰へ何を届けるのかを整理する。CTV広告は、その空白を埋めるために使うべきです。
企業が学ぶべきなのは「話題の媒体へ出すこと」ではなく、視聴者の変化に合わせて、広告の届け方と測り方を更新し続けることです。
NEW ORDER ADVERTISING SUPPORT
CTV広告を、事業成果につながる設計へ
媒体の選定、地上波・SNS・検索広告との予算配分、動画クリエイティブ、計測方法まで整理します。出稿ありきではなく、現在の課題からご相談ください。
出典・参考資料
- TVer広告 公式サイト
- TVer「ユーザー属性・デバイス構成(2026年1〜3月)」
- Netflix「広告ビジネス3年目と日本での展開」
- Netflix Upfront 2026
- Amazon Ads「Prime Video広告」
- Amazon Ads「Amazon DSP」
- ABEMA Ads 公式広告商品
※各媒体の機能、提供地域、最低出稿条件、計測メニューは変更される場合があります。2026年8月24日時点の公開情報を基に構成し、実際の出稿時には各社の最新資料・見積もりをご確認ください。媒体各社が公表する利用者数や効果数値は、各社定義によるものです。
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