世界のSNS規制、どこまで進んでいるか|豪州「アルゴリズムオフ」法案と、日本の現在地【2026年9月】

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世界のSNS規制、どこまで進んでいるか|豪州「アルゴリズムオフ」法案と、日本の現在地

SNS REGULATION / GLOBAL WATCH

規制動向 / 世界と日本

世界のSNS規制、どこまで進んでいるか。
豪州「アルゴリズムオフ」法案と、日本の現在地。

2026年9月8日、オーストラリア政府がSNSの推薦アルゴリズムを拒否する権利を認める法案を発表しました。16歳以上の全ユーザーに、アルゴリズムが推薦するフィードか、フォローした相手のみのフィードかを選ばせる内容です。

ただし、これが本当に「世界初」なのかというと、正確には少し違いますという実態です。この記事では、各国の規制の現在地を横並びで整理し、日本の状況も確認します。

最終更新:2026年9月13日|情報源:NPR/CNBC/NBC News/欧州委員会 ほか

SNS規制オーストラリアアルゴリズムEU DSA未成年保護日本の動向

この記事のスタンス

本記事は、公開されている一次情報・報道をもとに、各国のSNS規制の現状を客観的に整理したものです。特定の政策の是非を主張するものではなく、各国の制度と日本の状況を横並びで整理することを目的としています。

SECTION 01 / AUSTRALIA

何が起きたか|オーストラリアの新法案

まず、事実から入ります。

2026年9月8日、オーストラリアのアルバニージー首相は、「Digital Duty of Care」法案を発表しました。愛称は「My Feed, My Way」です。

AUSTRALIA DATA / 法案の要点

発表日2026年9月8日(アルバニージー首相、キャンベラで発表)
法案名Digital Duty of Care(愛称「My Feed, My Way」)
対象年齢16歳以上の全ユーザー
内容アルゴリズム推薦フィードか、フォローした相手のみのフィードかを選択制に
対象プラットフォームInstagram、Facebook、TikTok等
罰則最大1億920万豪ドル(約109億円)
背景2025年12月施行の「16歳未満SNSアカウント禁止法」の延長線上
現在の状況意見公募のための法案ドラフトを公開した段階。成立時期は未定

※ NPR、CNBC、NBC News等の報道による。

「これは政府による管理ではなく、人々に選択権を与えるものだ」という説明を、アルバニージー首相自身が行っています。一方、野党は法案の詳細を見ないまま「検閲につながる」と警戒を示しており、賛否は分かれています。

SECTION 02 / WORLD FIRST?

これは「世界初」なのか|EUには既に近い制度がある

報道の多くが「世界初」と伝えていますが、制度としては、EUに既に近い仕組みが存在しますというのが実態です。

EUのDSA(デジタルサービス法)に、既にある条項

EUのデジタルサービス法(DSA)には、月間4,500万人以上のユーザーを抱える大規模プラットフォームで、非パーソナライズドフィードを選べるという条項が既に存在します。つまり「アルゴリズムを選べる権利」自体は、EU域内では既に制度化されているという判断です。

オーストラリアの新しさは、対象を16歳以上の全ユーザーに明確に広げたこと、そして罰則額を具体的に示したことという2点です。

「世界初」という見出しは、「これほど明確な罰則付きで、全ユーザーを対象にした義務化としては初」という程度に読むのが、実態に近いと考えられます。

SECTION 03 / UK & EU

イギリス・EUの動き|規制の連鎖

オーストラリアだけでなく、イギリス・EUでも、同種の規制の検討・強化も進んでいます。

UNITED KINGDOM

イギリス

Online Safety Act(オンライン安全法)に基づく規制を運用中
2026年、16歳未満のSNS利用禁止を含む対策パッケージを検討する方針を発表
無限スクロールなど「依存を助長する設計」への言及あり

EUROPEAN UNION

EU

DSA(デジタルサービス法)が2024年から段階的に施行済み
大規模プラットフォームでの非パーソナライズドフィード選択権は、既に制度化
2026年、専門家パネルが未成年の年齢制限をEU域内で統一するよう勧告
ターゲティング広告の未成年への表示は既に禁止

無限スクロール・自動再生・レコメンドアルゴリズムという「設計」そのものを問題視する流れが、複数の地域でほぼ同時並行に進んでいるという構図です。国ごとに手法は違っても、狙う対象はほぼ共通しています。

NEW ORDER / INSTAGRAM STRATEGY

規制の変化を、運用設計に活かす。

世界のSNS規制がどう動いているかを知ることは、将来のアカウント運用リスクに備える第一歩です。アカウント設計から投稿企画まで、変化に強い運用体制を支援します。

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Instagram運用代行

アカウント設計から投稿企画・分析まで。規約・規制の変化に対応した運用体制で承ります。

OPTION 02 / 自分たちで回す

AI×SNS研修

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相談だけでも承ります。

SECTION 04 / JAPAN

日本はどうか|総務省は「一律規制に慎重」

では、日本の状況はどうでしょうか。総務省が、世界の潮流とは異なる立場を取っています。

2026年4月総務省が未成年のSNS依存対策の検討を開始利用開始時の年齢に応じたフィルタリング機能の組み込みを事業者に求める案を検討。法改正も視野に、夏頃の結論を目指すと報道されました。
2026年6月総務省が報告書案をまとめる「諸外国のように年齢で一律に利用を制限することは望ましくない」と明記。年齢確認の厳格化を軸とする方針が示されました。
2026年内(予定)青少年インターネット環境整備法の見直し議論が継続「情報アクセスと利用制限のバランス」を重視する方向性。一律の使用年齢制限には慎重な姿勢が繰り返し示されています。

「SNSは青少年のコミュニケーション手段であり、サービスごとのリスクも異なるため、一律の使用年齢制限をかけることは望ましくないのではないか」という立場です。オーストラリア・イギリス・EUが「規制の強化」に向かう一方、日本は「バランス」という言葉を軸に、慎重な検討を続けています。

SECTION 05 / US LAWSUIT

アメリカでも同時進行|Meta、47州との180億ドル和解

立法の動きと並行して、司法の場(アメリカ)でも大きな動きがありました。

2026年8月26日、Metaは47州・ワシントンD.C.・米国領土に対し、最大180億ドルを支払うことで合意しました。カリフォルニア州司法長官ら47州の司法長官が、MetaがInstagram・Facebookを意図的に依存しやすい設計にし、若年層への害を利用者に十分説明していなかったと主張という、2023年提訴の集団訴訟が土台になっています。

US SETTLEMENT DATA / 和解の要点

合意日2026年8月26日(連邦地裁判事が承認)
相手47州・ワシントンD.C.・米国領土の司法長官
金額最大180億ドル(10年間、Metaが約70%=127億ドルを負担)
残り30%の条件TikTok・YouTubeが同様の安全対策を導入し、同等の負担に応じること
主な改革内容18歳未満は1日2時間の利用制限(親の許可なしに解除不可)
 深夜0時〜午前6時の利用禁止(夜間カーフュー)
 いいね・リアクション数の非表示をデフォルト化
 美容整形風フィルターの原則禁止
 10代ユーザーが「非アルゴリズムフィード」をデフォルトで選べるように
 学校時間中(午前8時〜午後3時)のプッシュ通知を原則無効化
実施時期数ヶ月以内に主要な変更、年齢確認システム等は最大1年程度かかる見込み

※ CNN、Bloomberg、Washington Post、Al Jazeera等の報道による。

オーストラリアの法案と、驚くほど似た内容が含まれている

今回の和解に含まれる「10代ユーザーが非アルゴリズムフィードをデフォルトで選べるようにする」という項目は、オーストラリアの新法案が目指す内容とほぼ同じですという点です。アメリカでは司法の和解条件として、オーストラリアでは法律として、「アルゴリズムに頼らない見え方を選べるようにする」という結論に、ほぼ同時期に別々の経路でたどり着いている訳です。

「10代は複数のアプリを行き来するため、業界全体での解決策が必要だ。TikTok・YouTubeにも、この枠組みへの参加を求める」と、Meta法務責任者は述べています。10代がSNSを跨いで使う実態を踏まえ、業界横断での対応を求める姿勢です。

SECTION 06 / WHY ALGORITHM

なぜ「アルゴリズム」が標的になるのか

立法(オーストラリア・EU・イギリス)と司法(アメリカ)、経路は違っても行き着く先が同じという事実が示すのは、無限スクロール・自動再生・レコメンドアルゴリズムという「設計」そのものへの警戒という問題意識です。

「何を見せるか」を選ぶAIの設計そのものが、依存や心理的な負荷につながりうるという理解が、各国・各地域の規制論議を貫く共通認識になりつつあります。

SECTION 07 / FOR BUSINESS

企業のSNS運用への示唆

今回の豪州の法案は、あくまでオーストラリア国内向けの規制ため、日本企業への直接的な影響は当面ありません。

ただ、SNS規制は、一部の国・地域で始まった動きが、時間差で他地域に広がるという傾向は見ておく価値があります。今回のような規制がグローバルプラットフォームの仕様変更につながれば、日本のアカウント運用にも波及する可能性は否定できません。

「アルゴリズムのおすすめ表示に依存しすぎない、フォロワーとの直接的な関係を重視した運用設計」という発想を、今のうちから持っておくことは、規制の有無に関わらず有効な備えになります。

FAQ / よくある質問

よくある質問

Qオーストラリアの法案は、既に成立していますか?
Aいいえ。2026年9月8日時点では、意見公募のための法案ドラフトを公開した段階です。今後、意見公募や議会審議を経る必要があり、成立時期は明らかにされていません。
Q「世界初」という報道は、正確ですか?
AEUのDSAに、既に大規模プラットフォームでの非パーソナライズドフィード選択権が存在するため、完全な「世界初」ではありません。ただし、対象を16歳以上の全ユーザーに広げ、罰則額を明確にした義務化としては、先進的な事例と言えます。
Q日本にも同様の規制は来ますか?
A現時点で総務省は、「諸外国のように年齢で一律に利用を制限することは望ましくない」という立場を明確にしています。ただし世界的な規制強化の流れが続けば、議論の方向性が変わる可能性はあります。
Q企業は今、何をすべきですか?
A直ちに対応が必要な規制ではありませんが、「アルゴリズムに依存しすぎないアカウント運用」という視点を持っておくことをお勧めします。世界の規制動向は、プラットフォームの仕様変更という形で、時間差を伴って波及することがあるためです。

CLOSING / まとめ

「アルゴリズムの設計」が、世界共通の論点になっている

オーストラリアの新法案は、単独の出来事ではありません。

EUは既に制度化、イギリスは検討中、日本は年齢確認の厳格化にとどめる方針。それぞれ手法は違っても、狙いは共通しています。

「アルゴリズムに依存しすぎない運用設計」という視点を持っておくことが、規制の有無に関わらず、今後のSNS運用の備えになります。
世界の動きを、まず知っておいてください。

SOURCES / 出典

出典・確認資料

Australian social media users to be offered choice to opt out of algorithms / NPRwww.npr.org
Australia to let social media users ‘opt out’ of algorithm-based feeds / CNBCwww.cnbc.com
Australia proposes measure to allow social media users to opt out of algorithms / NBC Newswww.nbcnews.com
The Digital Services Act / 欧州委員会digital-strategy.ec.europa.eu
Meta settles landmark state child harm claims for $18 billion / CNN Businesswww.cnn.com
Meta Says It’ll Pay Up to $18 Billion in Social Media Claims / Bloombergwww.bloomberg.com
What Meta’s $18 Billion Settlement Means for Teens on Instagram and Facebook / U.S. Newswww.usnews.com

※ 日本の状況は、日本経済新聞・Bloomberg・Impress Watch等の報道、および総務省・こども家庭庁公開資料をもとに整理しています。本記事は特定の政策の是非を主張するものではありません。

FOR SNS TEAMS

規制の変化に、備えた運用を。

世界のSNS規制は、時間差を伴って波及することがあります。変化に強いアカウント運用体制の構築を、企画から支援します。

OPTION 01 / 任せる

Instagram運用代行

アカウント設計から企画・投稿・分析まで。規約・規制の変化に対応した運用体制で承ります。

OPTION 02 / 自分たちで回す

AI×SNS研修

生成AIを社内SNS運用に組み込む研修。変化に対応できる社内体制を作ります。

※ 本記事は2026年9月時点の公開情報をもとに、各国のSNS規制動向を客観的に整理したものです。特定の政策・政党への支持や反対を意図するものではありません。最新情報は各国政府・公式発表をご確認ください。

青山 直樹

メディアを32年、内側から見続けてきました。1994年電通入社、テレビ局担当6年、アジアのメディアビジネス4年。
2004年起業、ゴルフメディアを8年、ソーシャル専業13年。
今はAI時代のSNSを考え、書き、企業に教えています。
東大経済|㍿ニューオーダー代表

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