Instagram集客ガイド
「コロナ後、旅行需要は戻ったのに、自社の集客が伸び悩んでいる」「若い世代のお客様が店舗やWebに来てくれない」——そんな悩みを抱える旅行代理店・観光事業者は少なくありません。その突破口が、Instagramを軸としたSNS活用です。
この記事では、旅行代理店・観光業がInstagram集客に取り組むべき理由を最新データで示し、実際に成果を出しているJTB・HISの公式アカウントを事例として分析。さらに、宿泊施設や自治体を含めた観光事業者がInstagramで集客するための具体的なコツ、失敗しないための注意点、よくある質問までを一気通貫でご紹介します。
【データ】なぜ今、旅行代理店・観光業にInstagram集客が必要なのか
結論から言えば、旅マエ(旅行前)の情報収集の中心がInstagramへと移り、同時にインバウンド需要が過去最高を更新しているからです。この2つの追い風が重なる今こそ、旅行代理店・観光事業者がSNS活用で選ばれる存在になる好機です。まずは最新の数字で全体像をつかみましょう。
旅マエの情報収集は「Instagram」が主役に
2025年3月に僕と私と株式会社がZ世代(15〜28歳)を含む3,000名に実施した調査では、旅行先やプランを決める際に参考にした情報源として、Z世代の49.3%が「SNSの一般ユーザーの投稿(Instagramのタグ検索・TikTokの口コミなど)」を挙げ、堂々の1位となりました。旅行サイト・まとめ記事(38.5%)やGoogleマップの口コミ(37.8%)を上回っています。
さらに「影響を受けやすいSNS」を尋ねると、Z世代の47.9%が「Instagramの投稿/ストーリー」を選び、こちらも1位。旅の記録の残し方でも「Instagramのストーリーに記録」(42.4%)がトップでした。若い世代にとってInstagramは、旅先を探す・決める・共有するすべての起点になっているのです。
インバウンドは過去最高、しかも需要は「地方・体験」へ
2025年の訪日外国人数は4,268万人と初めて4,000万人を突破し、旅行消費額も9兆4,559億円で過去最高を更新しました(観光庁)。政府は2030年に訪日6,000万人・消費額15兆円を掲げており、市場はさらに拡大局面にあります。宿泊費の構成比が高まるなど、需要は「モノ消費」から地方・体験を含む「コト消費」へと広がっています。
この巨大な需要を取り込むうえで、写真・動画で世界中に届くInstagramは旅行代理店・観光事業者にとって最も相性の良い集客チャネルの一つです。日本語と英語の2言語で発信すれば、国内の若年層と訪日外国人の両方に同時にアプローチできます。
旅行代理店がInstagramで集客すべき3つの理由
理由① 旅行先の選定にInstagramが使われているから
前述の通り、Z世代の約半数が旅行先選びでSNSの一般投稿を最重視し、影響を受けやすいSNSでもInstagramが1位です。Instagramは女性・20〜40代の利用率が高く、旅行・ライフスタイルといったビジュアル重視のジャンルと特に相性が良いプラットフォームです。旅行代理店の発信がこの層のフィードや発見タブに届けば、そのまま旅先候補として保存・比較してもらえる可能性が高まります。
理由② 情報収集から予約までスマホ1台で完結するから
若年層の旅行予約はスマートフォンが中心で、「見て・調べて・申し込む」までの動線が1台の中で完結します。Instagramのプロフィールに予約ページや相談窓口へのリンクを整えておけば、リールやフィードで魅力を伝えた勢いのまま、予約・問い合わせへとつなげられます。投稿→保存→プロフィール遷移→予約という導線設計こそ、集客の要です。
理由③ 正確な発信でキャンセルを防ぎ、信頼を積み上げられるから
旅行のキャンセルは、内容や条件のミスマッチが一因になりがちです。Instagramで宿・行程・現地の様子を写真や動画で正確に伝えておけば、「思っていたのと違う」を減らし、キャンセル抑止とリピートにつながります。継続的な発信は、価格だけでは測れない“この会社に任せたい”という信頼=指名される理由を育てます。
成功事例① JTB公式(@jtb_jp)— 潜在顧客を動かす“おでかけ検索”
旅行代理店のInstagram運用で真っ先に参考にしたいのが、JTB公式アカウント(@jtb_jp)です。フォロワーは25.3万人を超え、旅に行きたくなる情報や美しい風景を継続的に発信しています。
注目はハイライトの「おでかけ検索」。まだ行き先を決めかねている人向けに、動画の地図で都道府県名をタップすると「#Joytb〇〇(地名)」の投稿一覧が見られる仕組みで、旅先選びにSNSを使う若年層のニーズにぴたりと合っています。投稿は「行ってみたい?」をいいねで問うアンケート形式、リールはナレーションを抑えた風景PV中心で宣伝色が薄く、保存・再生されやすい設計です。ユーザーの「#Joytb」投稿を紹介するUGC活用も、ファンとの関係づくりに効いています。
成功事例② HIS公式(@his_japan)— セール情報×旅の魅力で行動喚起
もう一つの好例がHIS公式アカウント(@his_japan)です。フォロワーは約8.7万人。「旅の魅力や旅行のお役立ち情報」を軸に、季節のセール・キャンペーンをいち早く届け、見た人の“今すぐ動きたい”を刺激しています。
HISはブランド全体で、九州・渋谷本店といった地域・店舗アカウントや、海外支店(タイランド等)のアカウントを併走させているのも特徴です。全国共通の憧れ(旅の魅力)と、地域・店舗ならではのリアルな情報を使い分けることで、幅広い層に“自分ごと”として旅を届けています。リールで旅先の疑似体験を提供しつつ、キャンペーン投稿で予約というゴールへ背中を押す——この緩急が、旅行代理店のアカウント設計として非常に参考になります。
観光業・宿泊施設・自治体のInstagram集客 4つの型
旅行代理店に限らず、ホテル・旅館・観光協会・自治体(DMO)など、観光にかかわる事業者がInstagram集客で成果を出すには、次の4つの“型”を押さえることが有効です。
型① 発見される — リールで“疑似体験”を届ける
フォロー外にも届くリールは、認知拡大の主戦場です。ナレーションに頼らず、風景・食・宿の空気感を数十秒で見せる“疑似体験型”の動画は、宣伝色が薄く保存・シェアされやすいのが特長。冒頭2秒で「どこ?行きたい」と思わせる構成を意識しましょう。
型② 保存される — 保存したくなる情報を1枚に凝縮
「モデルコース」「季節の絶景カレンダー」「予算別プラン」など、後で見返したくなる実用情報はカルーセル(複数枚)で保存を狙います。保存数はInstagramのアルゴリズムでもリーチにつながりやすい重要指標です。
型③ 予約される — プロフィール導線を整える
どれだけ見られても、予約・相談への道がなければ集客にはつながりません。プロフィールに予約ページ・LINE相談・キャンペーンLPへのリンクをまとめ、ハイライトで「予約方法」「よくある質問」を常設しておきましょう。
型④ 拡散される — ハッシュタグとUGCで口コミ化
独自ハッシュタグ(例: #Joytb)や位置情報を設計し、旅行者自身の投稿(UGC)を紹介・二次活用することで、広告費をかけずに口コミが広がる循環をつくれます。インバウンド向けには英語ハッシュタグの併用も効果的です。
Instagram運用で失敗しないための注意点
「投稿して終わり」にしない — KPIと改善サイクル
きれいな写真を上げるだけでは成果は出ません。リーチ・保存・シェア・プロフィール遷移といった指標を毎月確認し、伸びた投稿の型を次に活かす改善サイクルを回すことが不可欠です。「誰に・何を・どの指標で」を先に決めてから運用を始めましょう。
属人化を防ぎ、運用を仕組みにする
担当者の感覚頼みだと、異動や退職で運用が止まってしまいます。投稿カテゴリ・トンマナ・撮影ルールをマニュアル化し、誰が担当しても一定の品質を保てる体制を整えることが、継続的な集客の前提になります。
景品表示法・著作権・炎上リスクに配慮する
キャンペーンや割引の表現は景品表示法に、写真・音源・地図の利用は著作権に配慮が必要です。他者の投稿(UGC)を紹介する際は必ず許諾を取り、誤解を招く表現や配慮を欠いた投稿による炎上を未然に防ぎましょう。
よくある質問(FAQ)
まとめ — SNS活用で“選ばれる”旅行代理店・観光事業者へ
旅マエの情報収集はInstagramが主役になり、インバウンド需要は過去最高。この2つの追い風の中で、旅行代理店・観光業にとってInstagram集客は「やった方がよい施策」から「やらないと機会を逃す施策」へと変わりました。
JTBの“おでかけ検索”やHISのセール発信のように、発見・保存・予約・拡散の型を押さえ、KPIで改善を回せば、フォロワー数に関わらず成果は着実に積み上がります。ぜひ本記事を参考に、自社の魅力が伝わるアカウント運用に取り組んでみてください。
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