MEDICAL / SNS運用代行の選び方
クリニックのSNS運用代行
違反しても、指導を受けるのは医療機関です。
代行会社ではありません。
クリニックのSNS運用代行は、一般企業より費用が高めになります。理由は医療広告ガイドラインの確認体制です。費用の目安と、任せ方を間違えたときに何が起きるかを整理しました。
本記事は公表されている情報をもとにした一般的な整理であり、法律上の助言ではありません。個別の表示が医療広告ガイドラインに適合するかどうかの判断については、弁護士や医療広告に詳しい専門家にご確認ください。
この記事で扱うこと
クリニックのSNS運用を外注しようとすると、一般企業向けより費用が高いことに気づきます。
理由は明確です。医療広告ガイドラインの確認体制が必要だからです。
そして、ここを省いた会社に任せると何が起きるか。違反したときに指導を受けるのは、代行会社ではなく医療機関です。
費用の目安、依頼できる範囲、そして任せ方を間違えたときに起きることを、順に整理します。
先に結論
費用の目安は初期15〜50万円、月額10〜30万円とされています。投稿代行のみなら月5万円程度から見つかります。
医療広告ガイドライン対応の確認体制が含まれるプランは、一般的なSNS運用代行より高めになるとされています。この差額は削るべきではありません。
広告規制の対象は医師や医療機関だけでなく広告代理店等も含まれますが、委託したから医療機関の責任がなくなるわけではありません。
丸投げが最大の落とし穴です。投稿は毎週生まれます。公開前に誰が確認するかを決めていないと、違反も毎週生まれます。
最低契約期間は6か月から1年が一般的とされています。契約前に解約条件を確認してください。
アカウントの所有権が自院にあるか、契約終了時にデータが返却されるかも、契約書で確認すべき項目です。
SECTION 01 / PRICE
費用の目安と、料金が決まる要素
公開されている相場情報を整理します。
初期費用
15〜50万円程度
アカウント設計、初期設定、競合調査、運用方針の策定
月額(運用代行)
10〜30万円程度
企画、制作、投稿、分析、月次報告
月額(投稿代行のみ)
5万円程度から
決められた内容の投稿作業が中心
月額(上位プラン)
50〜100万円程度
複数SNSの横断支援、撮影や動画制作を含む場合
※表は横にスクロールできます。複数の制作会社・支援会社が公開している相場情報にもとづく目安です。実際の金額は内容により異なります。
料金が変わる3つの要素
確認体制の有無
医療広告ガイドラインの確認フローが含まれるかどうか。ここが費用差の中心です。
制作の範囲
投稿画像だけか、撮影や動画制作まで含むか。院内での撮影が入ると変わります。
対応するSNSの数
Instagramだけか、YouTubeやTikTokも含むか。媒体が増えるほど上がります。
見積もりを比べるときは、含まれる範囲をそろえてから比較してください。月5万円と月25万円は、同じサービスの安い版と高い版ではありません。中身が違います。
SECTION 02 / WHY EXPENSIVE
なぜクリニックは費用が高めになるのか
一般企業向けのSNS運用代行と比べて、クリニック向けは高めです。感覚ではなく、構造的な理由があります。
医療広告ガイドライン対応の確認体制が含まれているプランは、一般的なSNS運用代行より費用が高めになる場合があるとされています。
工程が1つ増えます
公開前の確認
内容と表現のチェック
内容と表現に加えて、医療広告ガイドラインの確認
必要な知識
SNSの運用知識
SNSの運用知識と、医療広告規制の理解
※表は横にスクロールできます。
違うのは公開前の工程です。体験談になっていないか、ビフォーアフターに必要な説明が付いているか、断定的な表現がないか。投稿のたびに確認が必要です。
この工程を持つには、担当者がガイドラインを理解している必要があります。人件費が上がるので、月額も上がります。
安い見積もりが意味すること
月5万円の投稿代行は、決められた内容を投稿する作業が中心です。ガイドラインの確認が含まれていない可能性があります。安いこと自体が問題なのではなく、含まれていない工程を誰がやるのかを決めていないことが問題になります。院内で確認する体制があるなら、投稿代行で十分な場合もあります。
SECTION 03 / SCOPE
依頼できる業務と、依頼できない業務
何を任せられて、何が院内に残るのか。ここを曖昧にしたまま契約すると、後で揉めます。
任せられること
アカウント設計、運用方針の策定
投稿の企画、画像・動画の制作
キャプションとハッシュタグの作成
投稿作業とスケジュール管理
分析と月次報告
競合アカウントの調査
院内に残ること
医学的な内容の正確性の確認
症例写真を使うかどうかの判断
患者が写り込む素材の同意取得
スタッフの個人アカウントのルール
最終的な公開の可否
違反を指摘されたときの対応
右側が重要です。医学的な正確性の確認は、外部に委託できません。代行会社の担当者が医療従事者でない以上、そこは医療機関側が見る必要があります。
医師監修の体制を持つ代行会社もありますが、自院の診療方針に沿っているかの判断は、やはり院内でしかできません。
OPTION 01 / 運用を任せる
Instagram運用代行
アカウント設計から投稿制作、分析改善まで。産婦人科をはじめ医療機関の運用実績があり、公開前の確認工程を含めて設計します。
OPTION 02 / 院内で回す
AI×SNS企業研修
投稿の企画から公開前の確認まで、院内で回せる手順を作る研修です。誰が何を確認するかを、自院仕様のマニュアルに残します。
SECTION 04 / MISTAKES
失敗する頼み方5つ
ここがこの記事の本題です。費用より先に、任せ方で決まります。
01丸投げにする
何が起きるか
いちばん多い失敗です。投稿は毎週生まれます。公開前に誰も確認しない体制だと、違反も毎週生まれます。代行会社が良かれと思って書いた一文が、体験談や誇大広告にあたることがあります。
どう防ぐか
公開前の確認を院内の誰が行うか、1人を決める。医学的内容は医師が、表現は担当者が見る二段構えが現実的です。
02ガイドラインを知らない会社に任せる
何が起きるか
一般企業のSNS運用に慣れていても、医療広告規制を知らなければ意味がありません。共感を呼ぶ患者の声、劇的な変化を見せるビフォーアフター。一般企業なら効果的な手法が、医療では違反になります。
どう防ぐか
契約前に、医療広告ガイドラインの確認フローがあるかを聞く。医療業種の運用実績を確認する。
03症例や体験談を売りにする会社を選ぶ
何が起きるか
成果を出しやすいからと、症例写真や患者の声を前面に出す提案をする会社があります。体験談の広告は原則としてできず、術前術後の写真も詳細な説明がなければ掲載できません。
どう防ぐか
提案の段階で、症例や体験談をどう扱う方針かを確認する。限定解除の要件を説明できるかで、理解度が分かります。
04最低契約期間を確認しない
何が起きるか
最低契約期間は6か月から1年が一般的とされています。成果が出なくても、合わないと感じても、期間内は解約できないことがあります。
どう防ぐか
最低契約期間、解約の申し出期限、中途解約時の費用を契約書で確認する。
05アカウントの所有権を確認しない
何が起きるか
代行会社の名義でアカウントが作られ、契約終了時にデータの返却が有償になる例が報告されています。積み上げたフォロワーと投稿が、自院の資産にならない状態です。
どう防ぐか
アカウントの所有権が自院にあるか、契約終了時にデータをどう返すかを、契約書に明記してもらう。
責任は医療機関に残ります
医療広告ガイドラインでは、医師や医療機関だけでなく、広告代理店等も規制の対象とされています。
ただし、委託しているから医療機関側の責任がなくなる、という整理にはなりません。指導や是正命令の相手は、医療機関です。
違反すると、指導改善の要求から始まり、是正命令、刑事告発へと段階的に進むとされています。厚生労働省のウェブサイトで医療機関名が公表される場合もあります。
SECTION 05 / CHECKLIST
契約前に確認する7項目
見積もりの金額より先に、次の7点を聞いてください。
01医療広告ガイドラインの確認フローはあるか
誰が、どの段階で確認するのか。仕組みとして存在するかを聞きます。担当者の知識任せなら、担当が変わった時点で崩れます。
02医療業種の運用実績はあるか
診療科まで含めて聞きます。美容クリニックの実績と、保険診療の実績は別物です。
03症例写真や体験談をどう扱う方針か
限定解除の要件を説明できるかで、理解度が測れます。説明できない会社は避けたほうが安全です。
04公開前の確認は誰が行うのか
代行会社が確認するのか、院内が最終確認するのか。両方やるのか。ここを決めずに始めると、誰も見ていない状態になります。
05最低契約期間と解約条件はどうなっているか
6か月から1年が一般的とされています。解約の申し出期限と、中途解約時の費用も確認します。
06アカウントの所有権は自院にあるか
契約終了時にアカウントとデータがどうなるか。返却に費用がかかるかも聞いておきます。
07投稿本数と修正回数の上限はあるか
月何本か、修正は何回までか。ここが曖昧だと、追加費用で揉めます。
SECTION 06 / IN-HOUSE
院内に残すべきもの
外注しても、院内に残さなければならないものがあります。
確認する人
公開前に見る人を1人決めます。複数人だと確認が抜けます。異動や退職があったときに引き継ぐ相手も決めておきます.
確認する項目
体験談になっていないか。ビフォーアフターに必要な説明が付いているか。最上級の表現や断定的な安全性の表現はないか。毎回同じ項目を見ます。
スタッフの個人アカウントのルール
院内で撮影した写真を個人アカウントに投稿してよいか。クリニック名が分かる形で発信してよいか。個人アカウントでも広告として扱われ得る以上、明文化が必要です。
何のために運用するのか
集患か、採用か、既存患者との関係維持か。ここが決まっていないと、代行会社は投稿を作れても、成果の定義ができません。
最後の項目が、実は費用対効果を決めます。目的が決まっていない状態で外注すると、投稿は増えても評価ができません。3か月後に続けるか判断するための基準を、契約前に決めておいてください。
投稿内容の考え方は、別記事にまとめています
診療科別の発信ネタ、集患につながる運用のコツ、実際の医療機関アカウントの事例は、
病院・クリニックのインスタ活用事例で解説しています。産婦人科、総合病院、医師個人の運用例を、実際の投稿とあわせて紹介しています。
QクリニックのSNS運用代行は、いくらくらいかかりますか。
A公開されている相場情報では、初期費用が15〜50万円程度、月額10〜30万円程度とされています。投稿作業が中心の投稿代行なら月5万円程度から、撮影や複数SNSを含む上位プランでは月50万円を超える場合もあります。
Q一般企業向けより高いのはなぜですか。
A医療広告ガイドラインの確認工程が加わるためです。確認体制が含まれるプランは、一般的なSNS運用代行より費用が高めになる場合があるとされています。担当者がガイドラインを理解している必要があり、その分の人件費が反映されます。
Q代行会社に任せれば、ガイドライン違反の責任も任せられますか。
A任せられません。広告規制の対象には広告代理店等も含まれますが、指導や是正命令の相手は医療機関です。委託していても医療機関側の責任がなくなる整理にはなりません。公開前に院内で確認する体制を残してください。
Q月5万円の投稿代行で足りますか。
A院内に確認できる体制があるなら、足りる場合があります。安い見積もりは、ガイドラインの確認工程が含まれていない可能性があります。含まれていない工程を誰がやるのかを決めたうえで選べば、問題にはなりません。
Q最低契約期間はどのくらいですか。
A6か月から1年が一般的とされています。成果が出なくても期間内は解約できないことがあるため、契約前に最低契約期間、解約の申し出期限、中途解約時の費用を確認してください。
Qアカウントは自院のものになりますか。
A契約内容によります。代行会社の名義でアカウントが作られ、契約終了時のデータ返却が有償になる例も報告されています。所有権と契約終了時の扱いを、契約書に明記してもらうことをおすすめします。
Q医師監修の体制がある会社なら安心ですか。
A確認の質は上がりますが、自院の診療方針に沿っているかの判断は院内でしかできません。医学的な内容の正確性については、最終的に医療機関側で確認する工程を残してください。
Qどこから相談すればよいですか。
Aまず何のために運用するのかを院内で決めてください。集患か、採用か、既存患者との関係維持か。目的が決まっていないと、成果の定義ができず、3か月後に続けるかの判断もできません。目的が決まっていれば、必要な範囲だけを外注する設計ができます。
CLOSING / まとめ
安く任せるより、確認する人を残す
費用の目安は初期15〜50万円、月額10〜30万円。投稿代行のみなら月5万円程度から。
クリニックが高めになるのは、医療広告ガイドラインの確認工程が加わるため。
委託しても、指導や是正命令の相手は医療機関。責任は院内に残る。
丸投げが最大の落とし穴。投稿が毎週生まれるなら、確認も毎週必要になる。
最低契約期間、解約条件、アカウントの所有権は契約書で確認する。
何のために運用するのかを先に決める。目的がないと成果の定義ができない。
SOURCES / 出典・参考
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)令和8年3月30日最終改正 / 厚生労働省(mhlw.go.jp)
医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)令和8年3月30日 / 厚生労働省(mhlw.go.jp)
クリニックSNS運用代行の費用相場に関する各社の公開情報(複数)
※ 本記事は2026年9月29日時点で公開されている情報にもとづく一般的な整理です。相場は目安であり、実際の金額はサービス内容により異なります。法令の当てはめについては、弁護士や医療広告に詳しい専門家にご確認ください。
OPTION 01 / 運用を任せる
Instagram運用代行
アカウント設計から投稿制作、分析改善まで。産婦人科をはじめ医療機関の運用実績があり、公開前の確認工程を含めて設計します。
OPTION 02 / 院内で回す
AI×SNS企業研修
投稿の企画から公開前の確認まで、院内で回せる手順を作る研修です。誰が何を確認するかを、自院仕様のマニュアルに残します。
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