税理士のInstagram集客|リールで伸ばす型と、広告規制・守秘義務で守る5つのルール【2026年版】

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税理士のInstagram集客|リールで伸ばす型と、広告規制・守秘義務で守る5つのルール

TAX ACCOUNTANT × INSTAGRAM / 2026

税理士のInstagram集客 / 顧問先の獲得

税理士にInstagramはおすすめか。
顧問先につながる投稿と、守るべきルール。

税理士の選定では、料金や実績に加えて、「相談しやすそうか」という印象も判断材料になります。Instagramは、その印象を、相談の前に届けられる媒体です。

ただし、税理士の発信には、日税連の広告に関する細則と、税理士法の守秘義務があります。顧問先の話を、そのまま投稿に使えないのが、一般の事業者との最大の違いです。この記事では、顧問先候補に届く投稿設計と、守るべきルールを整理しました。

最終更新:2026年10月7日|情報源:日本税理士会連合会、国税庁、税理士法ほか

税理士Instagram集客顧問先の獲得広告規制守秘義務会計事務所

先に、結論を

向いています。ただし、投稿の軸は「制度の説明」と「人柄」です。顧問先の事例や、取り扱っている事案は、書面による同意がない限り出せません。「節税○割」「地域No.1」「他より安い」「今やらないと大損」といった表現も使えません。ルールを先に決めたうえで、続けられる投稿の型を作ります。

この記事の位置づけ

公表されている資料にもとづく一般的な整理であり、法律上の助言ではありません。広告に関する細則は、税理士会ごとに定められています。個別の表示が適合するかは、所属の税理士会にご確認ください。

SECTION 01 / WHY

税理士にInstagramはおすすめか

まず、事実から入ります。

税理士の登録者数は、82,343人です(令和8年8月末、日本税理士会連合会)。うち東京税理士会が24,786人、近畿税理士会が15,580人で、この2つで全体の約5割(49%)を占めます。都市部ほど事務所が多く、似た事務所が並びます。

TAX DATA / 登録者数と制度

税理士の登録者数82,343人(令和8年8月末日現在)
東京・近畿東京24,786人/近畿15,580人(2つの税理士会で約5割)
税理士法人の届出主たる事務所5,330、従たる事務所3,167
広告ルールの構造税理士法第39条(会則遵守義務)→ 税理士会の会則 → 広告に関する細則 → 日税連の運用指針
守秘義務税理士法第38条。税理士でなくなった後も同様
懲戒の考え方守秘義務違反は、2年以内の税理士業務の停止または禁止(国税庁の考え方)

※ 日本税理士会連合会の登録者数、税理士法、国税庁「税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方」にもとづく。

Instagramの役割は、「入口」より「裏づけ」

税理士の顧問契約は、紹介や検索のあとで、「相談しやすそうか」を確かめる過程を含みます。Instagramが担う役割は、次の3つに整理できます(これは考え方の整理で、調査データではありません)。

ROLE 01

比較される前の接点になる

事務所名で検索される前に、制度の解説や人柄を通じて、名前を覚えてもらう接点です。

ROLE 02

紹介されたあとの裏づけになる

紹介された相手が、プロフィールや投稿を見て、事務所の雰囲気や得意分野を確かめます。

ROLE 03

採用の入口にもなる

所内の雰囲気や働き方を発信すると、顧問先向けと採用向けの両方に使えます。

向きやすい事務所

個人事業主・フリーランス・創業期の顧客を増やしたい
相続・資産承継に力を入れている
飲食、美容、医療など、業種に特化している
若い経営者に、相談のきっかけを届けたい

優先度が下がる事務所

大企業の法人税務が中心で、紹介と取引関係が主な入口
紹介だけで、すでに受付が一杯である
発信に使える人手と、確認の時間が取れない

SECTION 02 / RULES

先に押さえる5つのルール|広告規制

税理士の業務広告は、2001年(平成13年)の税理士法改正で、原則自由になりました。ただし、日本税理士会連合会の「税理士会会員の業務の広告に関する運用指針」と、各税理士会の「広告に関する細則」の範囲内です。広告とは、ホームページや名刺、チラシなど、あらゆる媒体による情報の開示とされており、SNSも対象と考えられます。

細則は、税理士会ごとに定められている

広告に関する細則は各税理士会(単位会)が定め、運用指針は日税連が定める二層構造です。法的な根拠は、会則を守る義務(税理士法第39条)と、信用失墜行為の禁止(同第37条)です。実際に投稿する前に、所属の税理士会の細則を確認してください。

細則が禁止する広告は、6つの類型

禁止される広告は、次の6つです。このうち、Instagramの投稿で特に注意が要る点を、5つのルールにまとめました。

事実に合致していない広告
誤導または誤認のおそれのある広告
誇大または過度な期待を抱かせる広告
困惑させ、または過度な不安をあおる広告
他の会員または会員の事務所と比較した広告
法令または日税連・税理士会の会則・規則に違反する広告

※ 「困惑させ、または過度な不安をあおる広告」は、2018年の変更で追加され、2019年1月に施行されました。

RULE 01

事実と異なる表示、誤導する表示をしない

経歴や実績を偽らないのは当然として、「最高の税務知識の提供」「割安な報酬」のような、誤導・誤認のおそれがある例示も挙げられています。評価を示す言葉より、事実を書きます。

RULE 02

結果を保証せず、過度な期待を抱かせない

「相続税をゼロにします」「節税○割」「必ず還付」は、誇大や過度な期待にあたります。制度の基本や、一般的な考え方の説明にとどめます。

RULE 03

他の税理士や事務所と比較しない

「地域No.1」「どこよりも安い」「他の事務所と違って」は使えません。対応できる業種、体制、料金の考え方を、事実として説明します。

RULE 04

不安をあおらない

「今やらないと大損」「税務調査で大変なことに」は、過度な不安をあおる広告にあたるおそれがあります。期限と準備の流れを、淡々と伝えます。

RULE 05

出してはいけない情報、渡してはいけないものがある

税務行政庁在職時の具体的な役職名(「元○○税務署長」など)は表示できません。社会的儀礼の範囲を超える利益供与(商品券や高額な特典など)も制限されます。関与先の話は、次章で整理します。

医療の分野でも、同じように「投稿の中身が広告にあたる」整理が進んでいます。規制のある業種の運用の考え方は、クリニックのInstagram運用と医療広告ガイドラインも参考になります。

SECTION 03 / CONFIDENTIALITY

守秘義務と、顧問先の話の扱い

税理士法第38条は、「正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない」と定めています。税理士でなくなった後も同様です。

広告の細則で、表示できないとされる事項

税務行政庁在職時の具体的な役職名
関与先(委嘱者)の氏名・名称
現在、取り扱っている事案の内容
過去に取り扱った事案の内容
※ 関与先の書面による同意がある場合は、例外とされる

Instagramで起きやすい漏れ

顧問先の名刺・ロゴ・店舗が写り込んだ写真
パソコン画面や書類が写り込んだ動画
「顧問先の飲食店様の事例」など、特定できる事案の紹介
匿名にしても、事案の内容から顧問先が分かる投稿
所員の個人アカウントでの、顧問先に関する発信

事例は「同意」か「制度解説への置き換え」の二択

事案の内容を示す事例投稿は、関与先の書面による同意がある場合を除いて、できないと整理されています。匿名にしても、顧問先が特定できる内容は避けます。投稿の材料にするなら、制度の一般的な解説に置き換えるか、書面で同意を得たうえで掲載する、のどちらかです。同意の取り方は、所属の税理士会に確認してください。

所員にも、守秘義務があります

税理士法は、税理士の使用人その他の従業員にも、秘密を守る義務を課しています(第54条)。所員が撮影・投稿に関わる場合は、写り込みの確認と、個人アカウントでの発信のルールを、所内で決めておきます。

SECTION 04 / PROFILE

プロフィールとハイライトの設計

患者の場合と同じく、顧問先候補が最初に見るのは、プロフィールです。評価を示す言葉を並べるほど、広告規制に触れやすくなります。

見直したい書き方

「地域No.1」「口コミ高評価」「業界最安」
「相続税ゼロ」「節税○割」
「元○○税務署長」など、具体的な役職名
「他の事務所と違う」という比較

安全な書き方の型

①事務所名+エリア(例:○○税理士事務所|○○市)
②対応する相手と業務(個人事業主・法人・相続/確定申告・記帳・決算など)
③初回相談の案内(有料・無料は事実で)
④予約・問い合わせのリンク

ハイライトの構成

HIGHLIGHT 01

初回相談の流れ

問い合わせから、面談、見積もり、契約までの手順を載せます。相談前の不安を減らす、いちばん効く情報です。

HIGHLIGHT 02

対応する相手と業務

個人事業主・法人・相続など、対応できる範囲を事実で示します。業種特化なら、業種名を明記します。

HIGHLIGHT 03

料金の考え方

料金を載せる場合は、サービスの内容・範囲・条件を併記します。「割安」などの評価語は使いません。

HIGHLIGHT 04

よくある質問

制度の一般的な説明で、答えられる範囲にとどめます。個別の判断が要る質問は、相談へ案内します。

HIGHLIGHT 05

事務所紹介・採用

所内の雰囲気や、働き方を紹介します。顧問先向けと、採用向けを兼ねます。

SECTION 05 / POSTS

顧問先候補に届く投稿設計

投稿の軸は、「制度の説明」と「人柄」です。誰の、どんな悩みに答えるかを先に決めると、ネタが尽きにくくなります。

誰向けに、何を語るか|3つのセグメント

個人事業主・フリーランス

確定申告の流れと、準備するもの
開業届・青色申告の基本
インボイスや帳簿の考え方
経費になるか迷う支出の、一般的な考え方

法人の経営者

決算の流れと、準備のスケジュール
役員報酬や社会保険の、制度の基本
資金繰りと、税金の支払い時期
顧問税理士に頼めること・頼めないこと

相続・資産承継

相続税の申告期限と、準備の順番
贈与の制度の基本
相続でよくある手続きの流れ
相談する前に、集めておく資料

制度や期限は、毎年の税制改正で変わります。投稿する前に、国税庁の最新の情報で、必ず確認してください。

投稿の5つの型

1図解のカルーセル|制度を1枚ずつ整理する保存されやすい型です。「確定申告の流れ」「開業届の出し方」など、手順や全体像を図解にします。
21分のリール|よくある質問に答える「これは経費になる?」など、よく受ける質問に、一般論で答えます。冒頭で、答えの要点を先に伝えます。
3ストーリーズ|期限のリマインドと質問箱提出や納付の時期を、淡々と伝えます。質問箱で寄せられた内容は、一般論で答えます。
4人柄の投稿|所長・所員の考え方事務所が大切にしていること、相談の進め方、所内の雰囲気を伝えます。顧問先の話は、出しません。
5お知らせ|相談会やセミナーの案内開催日時、内容、申し込み方法を、事実で伝えます。特典や割引の訴求は避けます。

季節ネタの年間カレンダー

税理士の発信は、年間の繁忙期に合わせると、ネタを探す手間が減ります。

1月〜3月

確定申告|準備、必要書類、青色申告、医療費控除の考え方

4月〜6月

新年度・創業|開業届、決算後の申告、住民税の基本

7月〜9月

中間の見直し|予定納税、資金繰り、事業計画の整理

10月〜12月

年末に向けて|年末調整、年内にできる準備、贈与や相続の基本

ハッシュタグは、1投稿5個までです(2025年12月の公式発表)。詳しくは、インスタのハッシュタグは5個までで解説しています。フォロワー以外に届ける仕組みは、Instagramの発見タブとはをご覧ください。

SECTION 06 / REELS

フォロワーを伸ばすなら、リール|型と、税理士ならではの注意

フォロワーを増やすことが目的なら、リールがおすすめです。リールは、フォロワー以外のユーザーにも、リールタブや発見タブで表示されるためです。次章で紹介する4つの投稿例も、すべてリールです。

なぜ、リールなのか

WHY 01

フォロワー以外に届く

フィード投稿やストーリーズは、フォロワーが見る場所が中心です。リールは、リールタブや発見タブで、まだフォローしていない人にも表示されます。フォロワーを増やす入口として、最も向いた形式です。

WHY 02

伸びる指標が「見られ方」と「シェア」

Instagramの責任者アダム・モセリ氏は、2025年1月に、ランキングの主な要素として、視聴時間、いいねの率、シェア(DM送信)の率を挙げたと報じられています。フォロワー以外に届けるうえでは、シェアが特に重要とされます。冒頭で引き込み、最後まで見られ、「誰かに送りたい」と思われる設計が、効きます。

WHY 03

4つの投稿例が示す規模

次章の4つは、フォロワー2.8万〜11.9万人で、すべてリールの投稿です。当社が公開アカウントを見た範囲では、制度の解説を静止画で堅く並べる事務所の公式アカウントは、フォロワーが数百〜数千人にとどまる例が多くありました(統計ではなく、当社の観察です)。

フォロワー数が、目的ではありません

目的は、顧問先候補に届き、相談につながることです。リールは広く届く分、顧問先候補ではない人にも届きます。「個人事業主の確定申告」「法人の決算」など、狙う相手のテーマに絞って作ると、増えたフォロワーが、相談につながりやすくなります。リールで見つけてもらい、プロフィールとハイライトで相談の入口へ案内する、という流れで設計します。

税理士のリールの、つくり方の型

次章の4つの投稿から読み取れる型を、5つにまとめました。

1冒頭で、問いを立てる「返礼品が減るかも?」「税務署から突然電話が来たら?」。見る人が自分の話だと感じる、問いや場面で始めます。
21つのリールに、1つのテーマ制度を欲張って並べず、1つの疑問に答えます。続きは、次のリールか、カルーセルへ送ります。
3顔と声で、役割を決める所長が話す、所員が質問役になる、掛け合いにする。「誰が話すか」を決めると、人柄が伝わり、シリーズにしやすくなります。
4結論を先に言い、要点を数えながら伝える「結論から言うと」と先に答え、「ポイントは3つ」と数で区切ります。最後まで見る理由になります。
5キャプションで、要点を一覧にして、保存を促す番号付きの一覧で、見返せる形にします。「決算前に見返せるよう、保存してください」という一言も、有効です。

リールならではの注意

動画だからこそ起きやすいこと

テロップと音声に、強い言葉が入る(「ヤバい」「絶対に損」「第1位」)
背景に、書類・パソコン画面・顧問先の名刺・ロゴが写り込む
顧問先を訪問した場所や、顧問先の店舗で撮影してしまう
所員が出演して、所内の情報を話してしまう

確認の方法

テロップ・音声・キャプションも、広告の表現として、5つのルールで確認する
撮影前に、背景を片づけ、画面を映さない。撮影場所は、事務所内に限る
台本を、税理士が事前に確認する(動画は、公開後に直しにくい)
制度・数字は、国税庁の最新の資料で確認する。所員にも、守秘義務の確認を行う

静止画のカルーセルは、保存されやすく、制度の理解に向いています。リールは、フォロワーを増やす入口です。リールで見つけてもらい、カルーセルで理解してもらう、という役割分担も、有効です。

SECTION 07 / EXAMPLES

参考にしたい投稿例4選|税理士系アカウントのリールに学ぶ

フォロワー2.8万〜11.9万人の、税理士系アカウントのリールを4つ紹介します。顧問契約につながった件数などの成果は公開されていないため、「成功事例」ではなく、参考にしたい投稿例として扱います。フォロワー数と投稿数は、2026年10月時点の公開プロフィールの数字です。

掲載にあたって

4つとも、事務所名ではなく、個人のキャラクターや、YouTubeとの連動を軸にした運用です。参考にするのは、投稿の「型」であり、言葉の強さではありません。各投稿の表現が、日税連の運用指針や各税理士会の細則に適合しているかを、本記事が保証するものではありません。埋め込みには、キャプションが表示されます。コメント欄そのものは表示されず、コメント数とInstagramへのリンクが表示されます。

投稿例 01

『教えて!税理士ヨッシー』(@oshieteyosshi)

フォロワー11.9万人投稿510件型:時事ニュース×夫婦の掛け合い解説

投稿の中身

リール「【2026年10月、ふるさと納税が変わります】」です。画面には、ヨッシーが話す姿に、「返礼品が減るかも?」「量が調整されたりする可能性がある」という大きなテロップが重なります。キャプションは、見直されるのは主に返礼品の「地場産品」の基準であること、その地域で製造・加工された返礼品について、「本当に地域内で十分な付加価値が生まれているのか」が、これまで以上に厳しく確認されることを説明しています。そのうえで、現在掲載されている返礼品の一部が、「対象から外れる」「内容や寄附金額が変わる」「取り扱いを終了する」可能性があると、3つの箇条書きで示しています。続けて、決まり文句「Enjoy Tax Enjoy your life!」、アカウントの趣旨(税金のことで迷う時間が減れば、やりたいことに向き合う時間が増える)、そして税理士の夫ヨッシーと、お金の知識のない妻ヨメッシーの紹介が続きます。この話題は、総務省の指定基準の見直し(2026年10月1日から地場産品基準を厳格化)に関するもので、複数の解説の内容と一致しています。

学べること

制度変更の直前に、生活者の関心が高い「ふるさと納税」を取り上げ、「今見る理由」を作っている
変更点を「地場産品の基準」に絞り、影響を3つの箇条書きで整理している
「〜の可能性もあります」と、結果を断定せずに書いている(誇大・過度な期待を避ける書き方の手本になる)
大きく短いテロップで、音声を出さなくても内容が伝わる
毎回、同じ構成(タイトル→要点→決まり文句→アカウントの趣旨→キャラ紹介)で、初めて見た人にも、アカウントの趣旨が伝わる

税理士事務所が真似るときの注意

掛け合い形式は、出演する家族や所員の同意と、役割の線引きを決めてから始めます。「返礼品が減るかも?」という見出しは、可能性を示す疑問形で、変更の事実にもとづいていますが、「知らないと損」型の強い言い方に寄せると、「過度な不安をあおる広告」に近づきます。制度変更の解説は、総務省などの一次情報で確認し、変更点を断定的に書きすぎないことが前提です。また、寄附者ごとの控除上限額の計算など、個別の判断が必要な内容は、相談へ案内します。

投稿例 02

『【お得な節税話】税理士よこがわ』(@yokogawatax)

フォロワー5.2万人投稿348件型:ランキング形式の税制改正解説

投稿の中身

リール「2026年10月以降 知らないとヤバい 税制改正5選」です。キャプションでは、2026年10月に始まる税制改正のうち、押さえておくべき5つを解説する、と述べています。プロフィールには、偽アカウントへの注意、法人(openFA税理士法人)の名称、「提案型の税務顧問」の案内が並んでいます。

学べること

税制改正という、時事性のある切り口で、「今見る理由」を作っている
「5選」と数を絞り、最後まで見る理由を作っている
キャプションの冒頭で、投稿の内容を一文で言い切っている
プロフィールで、なりすまし対策と、顧問の入口を両立させている

税理士事務所が真似るときの注意

タイトルの「知らないとヤバい」と、キャプションの「絶対に知らないと損する」は、細則が禁じる「過度な不安をあおる広告」「過度な期待を抱かせる広告」に照らすと、そのまま真似しない方がよい表現です。「お得な節税話」も、成果を強調する言い方です。「2026年10月から変わる税制改正5つ」のように、事実だけを伝える表現に言い換えます。また、キャプションには20を超えるハッシュタグが並んでいます。ハッシュタグは、1投稿5個までです(詳しくはこちら)。改正の内容は、国税庁・財務省の一次情報で確認します。

投稿例 03

『脱・税理士スガワラくん』(@sugawara.smg)

フォロワー6.8万人投稿1,620件YouTube登録者180万人(プロフィール表記)型:YouTube連動の実務アドバイス

投稿の中身

リール「経営者なら覚えておきたい 税務署から突然電話が来た時の対応」です。キャプションでは、税務署から突然連絡が来ても、その場で慌てて日程を決めず、まず都合を伝えて相談すること、顧問契約がなくても、税務調査だけスポットで依頼できる税理士がいること、ホームページだけで判断せず、実際の対応経験も確認することを、順に説明しています。詳しい内容は、YouTubeの動画と、ほかの投稿に誘導しています。ハッシュタグは5個です。

学べること

経営者が「実際に困る場面」(税務署からの電話)に、テーマを絞っている
結論(慌てず、まず相談)を、先に言い切っている
「相談先の選び方」まで伝えており、売り込みではなく、助言として機能している
YouTubeや、ほかの投稿への導線が、明確である

税理士事務所が真似るときの注意

このアカウントは、個人のYouTuberとしての発信で、プロフィールは「脱・税理士」を名乗っています。税理士会の細則の対象となる立場かどうかは、本記事では判断しません。事務所が真似る場合、「税理士人気ブログランキング第1位」「ベストセラー1位」といった順位・最上級の表現は、他との比較にあたるおそれがあります。YouTubeの動画タイトルにある「超危険」「命取り」のような強い言葉は、不安をあおる表現にならないよう、注意が要ります。税務調査の話題を扱うときは、顧問先の事案に触れないことが前提です。

投稿例 04

『お金の塾【インスタ校】しゅん先生』(@shun_sensei43)

フォロワー2.8万人投稿532件型:シリーズ化した経営者向けの一言解説

投稿の中身

リール「できる社長の習慣① 〜財務編〜」です。画面には、「利益出たけど使わずに置いときます」という社長の習慣が示されます。キャプションは、「税理士が『絶好調』と言いたくなる社長の習慣」「利益より、お金。節税より、借りられる会社。」「決算前に見返せるよう、保存しておいてください」という短い文で構成されています。ハッシュタグは5個です。プロフィールには、法人の顧問実績が多いこと、質問はコメントへ、LINEへの入口が書かれています。

学べること

「できる社長の習慣①」と番号を付け、シリーズ化している
「利益より、お金。節税より、借りられる会社。」と、対句で考え方を印象づけている
「保存しておいてください」の一言で、決算前に見返される投稿にしている
読者を「法人の経営者」に絞り、LINEなど次の一歩を用意している

税理士事務所が真似るときの注意

「顧問実績多数」のような実績の表示は、事実にもとづいて書き、顧問先の名前や事案は出さないことが前提です。「節税より、借りられる会社」は、一つの考え方を示す表現で、結果を保証する言い方にならないよう、注意してください。

4つのアカウントに共通する型

確認した範囲では、4つとも、顧問先の名前や事案を出していません。そのうえで、次の4点が共通しています。

COMMON 01

問いや数字で始まるタイトル

「返礼品が減るかも?」「突然電話が来た時の対応」「5選」「習慣①」。何の話かが、一瞬で分かる形です。

COMMON 02

個人の顔と、役割設定がある

夫婦の掛け合い、YouTuber、「インスタ校」の先生。事務所の名前より、「誰が話すか」が前に出ています。

COMMON 03

キャプションが、保存したくなる要点になっている

番号付きの一覧、短い対句、「保存しておいてください」の一言。リールを見たあとの、見返しの動機を作っています。

COMMON 04

プロフィールが、相談の入口になっている

会計顧問・相続・オンライン相談、ホームページ、YouTube、LINE。見た人が、次に何をすればよいかが分かります。

真似るのは「型」。言葉の強さは、そのまま使わない

4つの投稿は、事務所の公式アカウントとは前提が異なります。「知らないとヤバい」「絶対に損する」「第1位」「命取り」といった強い言葉は、第2章の5つのルール(誇大・比較・不安をあおる表現)に照らして、言い換えが必要です。タイトルの型と、キャプションの作り方を取り入れ、言葉は事実の表現にします。

NEW ORDER / INSTAGRAM

守秘義務と広告規制を踏まえた、継続できる運用を。

税理士事務所のInstagramは、投稿を作る前に、確認の手順を決めておくことが肝心です。守秘義務と広告規制の確認工程を含めて、運用を設計します。

OPTION 01 / 任せる

Instagram運用代行

アカウント設計から投稿制作、分析改善まで。公開前の確認工程を含めて設計します。

OPTION 02 / 所内で回す

AI×SNS企業研修

投稿の企画から公開前の確認まで、所内で回せる手順を作る研修です。誰が何を確認するかを、事務所仕様のマニュアルに残します。

相談だけでも承ります。

SECTION 08 / OPERATION

所内の運用フローと見る数字

一度ルールを決めても、更新のたびに、写り込みや表現の漏れが生まれ得ます。確認の手順を、仕組みにします。

1税理士が、内容の正確性を確認する制度の説明、数字、期限が、最新の内容と合っているかを、税理士が見ます。
2広告ルールの5項目で、表現を確認する誤導・誇大・比較・不安をあおる表現・役職名や利益供与がないかを、毎回同じ項目で見ます。担当は1人に決めます。
3写り込みを確認する書類、パソコン画面、顧問先の名刺・ロゴ・店舗、所員の私物が写っていないかを確認します。
4所員の個人アカウントのルールを決める事務所名が分かる形での発信、所内で撮影した写真の扱いを、文書にします。
5税制改正と細則の変更に、年に一度は追従する制度の説明は、毎年の税制改正で古くなります。過去の投稿の見直しも、年次の作業に入れます。

運用を外部に任せる場合も、広告の責任が税理士の側に残ると考えるのが安全です。顧問先の情報を、委託先に渡さないこと、公開前の確認を誰が行うかを、契約で決めておきます。

見る数字は、フォロワー数より「相談につながる動き」

Instagramのインサイトで見る

プロフィールへのアクセス数
問い合わせ・予約リンクのタップ数
保存数(見返したい情報になっているか)
DMでの相談の数

所内で聞く・数える

初回相談の問診で、「Instagramを見た」という選択肢を設ける
問い合わせ時に、知ったきっかけを聞く
月ごとの新規相談の数と、投稿の内容を並べて見る

SECTION 09 / MISTAKES

よくある失敗5つ

MISS 01

制度の解説が、難しすぎる

専門用語を並べると、保存も相談もされません。1投稿に1つのテーマを決め、図解と一言で伝えます。

MISS 02

季節ネタだけで、人が見えない

繁忙期の解説ばかりだと、どの事務所でも同じに見えます。考え方や所内の雰囲気を、2割ほど混ぜます。

MISS 03

不安をあおって、反応を取ろうとする

「今やらないと損」型は、反応は取れても、過度な不安をあおる広告にあたるおそれがあります。信頼も下がります。

MISS 04

顧問先の情報が、写り込む

背景の書類、画面、名刺、店舗が、投稿の公開後に見つかる例は少なくありません。公開前の確認を、必ず挟みます。

MISS 05

更新が止まる

繁忙期に止まるのが、最も多いパターンです。繁忙期は、ストーリーズだけに絞る運用でも、アカウントは続きます。

FAQ / よくある質問

よくある質問

Q税理士は、Instagramで発信・広告をしてもよいのですか?
Aできます。税理士の業務広告は、2001年の税理士法改正で原則自由になりました。ただし、日税連の運用指針と、各税理士会の細則の範囲内で行う必要があります。ホームページやSNSなど、あらゆる媒体が対象と考えられます。
Qどんな広告が禁止されていますか?
A細則が禁止する広告は、事実に合致しない広告、誤導・誤認のおそれのある広告、誇大または過度な期待を抱かせる広告、困惑させ、または過度な不安をあおる広告、他の会員や事務所と比較した広告、法令や会則に違反する広告の6つです。
Q顧問先の事例を、投稿してもよいですか?
A関与先の氏名・名称や、取り扱っている事案・過去の事案の内容は、関与先の書面による同意がある場合を除いて、表示できないと整理されています。匿名にしても、顧問先が特定できる内容は避けます。制度の一般的な解説に置き換えるのが、安全です。
Q「元国税」「元税務署長」と書いてもよいですか?
A税務行政庁在職時の具体的な役職名は、表示できません。経歴の書き方に迷う場合は、所属の税理士会に確認してください。
Q料金を載せてもよいですか?
Aサービスの内容・範囲・条件を、事実として併記して載せます。「割安な報酬」などの評価語は、誤導・誤認のおそれがある例として挙げられています。
Qお客様の声を、投稿に載せてもよいですか?
A顧問先の氏名や、事案の内容が分かる投稿は、書面による同意が要ります。事務所が依頼して書いてもらった感想を、広告であることを示さずに載せると、景品表示法のステルスマーケティング規制の論点にもなります。
Q初回無料や、特典のキャンペーンをしてもよいですか?
A社会的儀礼の範囲を超える利益供与(商品券や高額な特典など)は、制限されます。初回相談の有料・無料は、サービスの内容として事実で示します。迷う場合は、所属の税理士会に確認してください。
Q所員や、スタッフの個人アカウントも対象になりますか?
A事務所の広告と認められる場合は、対象になり得ます。守秘義務は、所員にも課されています(税理士法第54条)。写り込みの確認と、個人アカウントのルールを、所内で決めておきます。
Q何を、どれくらいの頻度で投稿すればよいですか?
A制度の説明、期限、所長・所員の考え方、所内の雰囲気が中心です。頻度に決まりはありません。確認の手順を守れる範囲で、続けられる頻度にします。
Q公認会計士や弁護士で、税理士登録をしている場合は?
A税理士会に登録して税理士業務を行う場合は、税理士会の会則と細則の対象になります。登録している資格ごとの規律を、それぞれ確認してください。

CLOSING / まとめ

顧問先の話をしない。制度と人柄で、相談のきっかけを作る

税理士のInstagramは、顧問先候補が、相談の前に事務所を確かめる場になります。

制度の説明と人柄を軸に、顧問先の事例は出さない。評価・比較・不安をあおる表現は使わない。この線引きを、所内のルールとして決めてから、続けられる型で発信してください。

まずは、プロフィールの書き方の見直しと、写り込みの確認手順づくりから始めるのが、最短です。

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SOURCES / 出典

出典・確認資料

税理士登録者数(令和8年8月末日現在) / 日本税理士会連合会www.nichizeiren.or.jp
税理士会会員の業務の広告に関する運用指針(平成14年制定版の掲載。最新の内容は所属税理士会で確認)www.taxcom.co.jp
細則の一部変更について(会員の業務の広告に関する細則、平成31年1月1日施行) / 関東信越税理士会www.kzei.or.jp
税理士法(昭和26年法律第237号) / e-Gov法令検索laws.e-gov.go.jp
税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方 / 国税庁www.nta.go.jp
税理士の広告規制とは?(関与先の表示規制の整理。参考) / freeeadv.freee.co.jp
士業の広告規制|資格別の規律(規律の構造の整理。参考) / ホームページ制作専科www.hp-senka.jp

※ 本記事は2026年10月7日時点の公開情報にもとづく一般的な整理であり、法律上の助言ではありません。広告に関する細則は税理士会ごとに定められ、改正されることがあります。実際の運用にあたっては、所属の税理士会が定める最新の細則と運用指針をご確認ください。

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顧問先候補に届く投稿を、守秘義務と広告規制の範囲で続ける。アカウント設計から投稿制作、公開前の確認まで、事務所の体制に合わせて整理します。

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相談だけでも承ります。

青山 直樹

メディアを32年、内側から見続けてきました。1994年電通入社、テレビ局担当6年、アジアのメディアビジネス4年。
2004年起業、ゴルフメディアを8年、ソーシャル専業13年。
今はAI時代のSNSを考え、書き、企業に教えています。
㍿ニューオーダー代表

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