Meta 2025年第1四半期決算から学ぶ、SNS活用の未来戦略【ニューオーダー視点】

Instagram

2025年4月30日(米国時間)、Meta Platforms, Inc.(旧Facebook)が2025年第1四半期(2025年1月〜3月)の決算を発表しました。
売上高は 423億ドル(約6.7兆円)、前年同期比 16%増 と市場予想を上回る成長を示し、純利益は 166億ドル(約2.6兆円) に達しました。

この数字は単なる「業績好調」の証明にとどまりません。SNSという巨大なプラットフォームが、いまどの方向へ進んでいるのか。そして、企業がどのようにSNSを活用すべきなのかを読み解くための重要な材料です。

株式会社ニューオーダーとしては、このMetaの動向を自社のSNS運用代行や広告戦略に活かすことが不可欠だと考えます。本記事では、Metaの決算から見える3つの示唆を整理し、今後のSNS活用戦略に落とし込んでいきます。


1. 広告売上の堅調な伸びと「AI広告」の深化

Metaの売上の大半は「広告事業」によるものです。2025年1Qも例外ではなく、広告売上は前年同期比で16%増加しました。

特に注目すべきは、広告インプレッション数が +5%、平均広告単価が +10% と、単純な広告数の増加ではなく、広告の「質」が向上している点です。

その背景には、Metaが推進する AIによる広告最適化 があります。ターゲティング、クリエイティブの生成、入札の自動化といった領域でAIの導入が進み、広告主が求める「成果」をより効率的に実現できるようになっています。

ニューオーダーの視点で言えば、これはクライアントのSNS広告運用において 「人の感性 × AIの精度」 をどう掛け合わせるかが鍵になる、ということです。私たちは広告の企画・制作・運用のプロフェッショナルとして、AIを前提とした広告戦略をクライアントに提案する必要があります。


2. 数字で読み解くMetaの強み

決算資料から、Metaのプラットフォームが依然として巨大な影響力を持つことが確認できます。

指標内容
売上高423億ドル(前年同期比 +16%)
純利益166億ドル(前年同期比 +17%)
広告売上高約419億ドル(全体の9割以上を占める)
インプレッション数+5%
平均広告単価+10%
日間アクティブユーザー(DAP)約34.3億人(前年同期比 +6%)
Reality Labs売上(メタバース関連)4.12億ドル(前年比 -6%、依然赤字)
2025年資本支出見通し640〜720億ドルへ引き上げ(AIインフラ強化目的)

この数字から見えるのは、Metaの成長が「ユーザー数の拡大」よりも「収益性の改善」にシフトしていることです。ユーザー基盤は既に世界最大級であり、今後は一人当たりの広告価値をどう高めるかが重要になっています。

つまり、企業のSNS運用においても 「広くリーチする」から「質の高いエンゲージメントを創出する」 への移行が不可欠です。


3. インフラとAIへの巨額投資が示す未来

Metaは2025年の資本支出を従来の見通しからさらに引き上げ、640〜720億ドル を投じる計画を発表しました。その大半がAIインフラの強化に向けられるとされています。

ザッカーバーグCEOは決算発表の場で「AIはすべての事業を変革する(transforming everything we do)」と語り、Meta AIやスマートグラス、生成AIによるコンテンツ提案などの開発を加速させる姿勢を明確にしました。

ニューオーダーとして注目すべきは、これが SNS広告の未来像 を指し示している点です。

  • 生成AIによる広告クリエイティブの量産
  • ユーザー行動を即時解析するAIアルゴリズム
  • 広告入札の完全自動化
  • パーソナライズされたショッピング体験

これらは、広告代理店が従来の枠組みを超えて新たな価値を提供するためのヒントです。AIに任せきるのではなく、人間の「文脈理解」や「ストーリーテリング力」と組み合わせることが、これからの代理店に求められる役割になります。


4. Reality Labsの赤字と「メタバース」の行方

一方で、Metaが中長期的に注力してきた「Reality Labs(メタバース領域)」は依然として苦戦を強いられています。1Qの売上は 4.12億ドル と前年比でマイナス、赤字幅も依然として大きい状況です。

メタバースは短期的な収益源にはなり得ていませんが、将来的にSNSが「体験型プラットフォーム」へ進化する上で避けては通れない領域です。

ニューオーダーとしては、すぐにメタバース広告を主戦場とする必要はありません。しかし、「SNSが5年後どう変わるか」を予測するうえで、この動きをウォッチし続けることが重要です。


5. 日本企業への示唆:今後のSNS活用ポイント

Metaの決算から、日本企業が学ぶべきことは次の3点です。

  1. AIを活かした効率的な広告運用
    • 広告配信の自動化、クリエイティブ生成、ターゲティング精度向上を積極的に取り入れる。
  2. 「量」より「質」のエンゲージメント設計
    • フォロワー数やリーチよりも、購買やブランド好意度につながる深い接点を重視する。
  3. 未来を見据えた柔軟な戦略
    • メタバースや次世代SNSの変化を追い、3〜5年後を見据えたプレゼンス構築を始める。

ニューオーダーでは、こうした視点をもとに、クライアント企業のSNS戦略を総合的にサポートしています。広告代理店としての知見とAIツールの活用を掛け合わせ、「売上につながるSNS」「ブランド価値を高めるSNS」の両立を実現していきます。


まとめ:Meta決算から読み解くSNSの未来

Metaの2025年第1四半期決算は、広告の堅調な伸びAIへの大規模投資 という2つのメッセージを世界に示しました。

これはそのまま、私たちがこれからのSNS運用において取り組むべき方向性を表しています。
「AIを活かして成果を出すSNS広告」そして「未来に備えた柔軟な戦略構築」。

ニューオーダーは、この潮流を的確に読み解き、クライアントのビジネス成果へとつなげるSNS運用を提供していきます。

関連記事

この記事へのコメントはありません。

カテゴリー

アーカイブ