YouTubeに新指標「ユニークリーチ」登場|企業チャンネルが再生回数だけを見てはいけない理由

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YouTubeに新指標「ユニークリーチ」登場

YOUTUBE UPDATE 2026

YouTubeに、動画やチャンネルを実際に見た人数をより現実に近い形で推定する新指標「ユニークリーチ」が追加されました。

従来のYouTube分析では、再生回数やユニーク視聴者数が主な指標として使われてきました。しかし、YouTubeをテレビで見る人が増えるにつれ、従来の指標だけでは動画が届いた人数を十分に評価できないケースが生まれています。

たとえば、家族3人がリビングのテレビで1本の動画を一緒に見た場合、再生回数は「1回」です。しかし実際には、その動画は3人に届いています。新しい「ユニークリーチ」は、このようなテレビ端末での共視聴も考慮する指標です。

ニューオーダーでは、この変更を単なるYouTube Studioの機能追加ではなく、企業のYouTube運用における評価方法を見直すきっかけだと捉えています。これからは「何回再生されたか」だけでなく、「何人に届いたか」「どの程度見られたか」「その後の行動につながったか」を組み合わせて評価する必要があります。

NO VIEWPOINT

YouTubeは、スマートフォン向けの動画SNSであると同時に、テレビ、検索、広告、コミュニティを横断するメディアへ進化しています。企業側も、再生回数だけに偏ったKPIから卒業すべき段階に入っています。

YouTubeの「ユニークリーチ」とは

ユニークリーチとは、動画またはチャンネルを見た人の推定合計数です。YouTube TVやテレビ向けYouTubeアプリなど、1台の端末を複数人で見ている可能性がある視聴も考慮されます。

似た名称の指標に「ユニーク視聴者数」がありますが、両者は同じではありません。企業のYouTube担当者は、まず次の違いを理解しておきましょう。

METRIC 01

再生回数

動画が再生された回数です。同じ人が複数回見れば、原則として複数回の再生として反映されます。

METRIC 02

ユニーク視聴者数

一定期間に動画を見た視聴者の推定人数です。同じ人が何度見ても、基本的には1人として推定されます。

NEW METRIC

ユニークリーチ

テレビなどで複数人が一緒に見ている共有視聴を考慮し、コンテンツが届いた人数を推定します。

ILLUSTRATION 01

1回の再生でも、実際には3人に届いている

企業のYouTube動画

再生回数

1回

ユニークリーチ

3人

図1:テレビでの共視聴を考慮すると、1再生=1人とは限らない

ユニークリーチは、正確な実人数ではなく推定値

ユニークリーチは、テレビの前にいる人をカメラで一人ずつ数えているわけではありません。YouTubeが各種データをもとに算出する推定値です。

そのため、ユニークリーチの絶対値だけを見て成果を判断するのは適切ではありません。前月との変化、動画ごとの差、再生回数、平均視聴時間、視聴者維持率などと組み合わせて評価することが重要です。

注意点

「ユニークリーチが3万人だから、必ず3万人が商品名を記憶した」とは言えません。リーチは接触規模を示す指標であり、視聴の深さや態度変容とは分けて考える必要があります。

企業チャンネルにとって重要な3つの変化

1.ブランド認知の価値を評価しやすくなる

企業のYouTube運用では、再生回数の多さだけでなく、商品名や企業名をどれだけ多くの人に認知してもらえたかが重要です。

特に食品、飲料、自動車、旅行、住宅、金融、日用品など、家族で購入を検討する商材はテレビでの共視聴と相性があります。1回の再生を1人への接触として扱うよりも、ユニークリーチを含めて評価した方が、ブランド動画の価値をより現実に近い形で捉えられる可能性があります。

2.テレビ画面を前提とした動画制作が必要になる

スマートフォンで見やすい動画と、リビングのテレビで見やすい動画は同じではありません。テレビ視聴を意識する場合は、次のような制作上の工夫が必要です。

  • 小さすぎるテロップを避ける
  • 会話やナレーションを聞き取りやすくする
  • 数分間見続けられる構成台本を用意する
  • 商品名や会社名を自然な形で複数回提示する
  • 家族や同僚と話題にしやすい企画を考える

ニューオーダーでは、YouTubeを「短い動画を投稿する場所」としてではなく、テレビ、検索、SNSのすべてに接点を持つメディアとして設計することが重要だと考えています。

3.タイアップや月次報告の説明力が高まる

インフルエンサーとのタイアップや企業チャンネルの月次レポートでは、これまで再生回数、登録者数、総再生時間などが中心でした。

今後はユニークリーチを加えることで、「何回再生されたか」だけでなく、「推定で何人に届いたか」を説明しやすくなります。特に認知拡大を目的とする動画では、有力な補助指標になるでしょう。

再生回数だけで評価しないKPI設計

ユニークリーチが追加されたからといって、この数字だけを追えばよいわけではありません。企業チャンネルでは、目的に応じてKPIを三つの階層に分けると、成果を判断しやすくなります。

認知

どれだけ届いたか

インプレッション、再生回数、ユニーク視聴者数、ユニークリーチ

興味・関心

どれだけ見られたか

平均視聴時間、平均再生率、視聴者維持率、高評価、コメント

行動

何につながったか

サイト流入、指名検索、資料請求、問い合わせ、来店、応募、購入

認知を目的とした動画に問い合わせ件数だけを求めても、適切な評価はできません。反対に、ユニークリーチが大きくても、問い合わせや売上につながる設計がなければ、企業活動として十分とはいえません。チャンネルの目的に合わせて複数の指標を見ることが必要です。

ショートフィードの静止画投稿に音楽を追加

YouTubeは、ショートフィードに画像投稿を組み込む方針を示しています。対象となるクリエイターは、静止画や複数画像を使った投稿に音楽を加えられるようになり、動画撮影を行わなくてもショートフィード内で視覚的なコンテンツを展開しやすくなります。

この変化は、動画撮影の予算やリソースが限られている企業にとっても注目すべきものです。すでにInstagramやWebサイト用に撮影した写真を、YouTube向けに再編集して活用できる可能性が広がります。

ILLUSTRATION 02

写真素材が、YouTubeショートの新しい投稿資産になる

PHOTO POST

01

既存写真を再活用

商品、料理、施設、社員、イベント写真を投稿素材に。

02

順番で物語を作る

複数画像を、結論まで読み進めたくなる構成に編集。

音楽で世界観を補強

写真のトーンに合うBGMで、視聴体験を設計。

図2:静止画、複数画像、音楽を組み合わせたショートフィード向け投稿のイメージ

企業が活用しやすい投稿例

  • 新商品の特徴を写真で順番に紹介する
  • イベントや展示会の様子をダイジェストで見せる
  • 料理の完成までを工程別に紹介する
  • ホテルや旅館の客室、料理、温泉、周辺観光をまとめる
  • 施工前と施工後を比較する
  • 社員や職場の様子を採用広報として紹介する

Instagramの投稿をそのまま転用すればよいわけではない

企業がすでにInstagramを運用している場合、カルーセル投稿用の写真やデザイン素材をYouTubeでも活用できる可能性があります。

ただし、Instagramの投稿をそのままコピーするだけでは十分ではありません。YouTubeでは、検索から訪れる人、動画を見た後に投稿へ接触する人、テレビでチャンネルを知った人など、Instagramとは異なる経路でユーザーが流入します。

同じ写真を使う場合でも、YouTube向けに次の要素を調整する必要があります。

1

1枚目だけで内容が理解できる見出し

2

写真を送る順番に合わせたストーリー設計

3

YouTubeで視聴されやすいテーマや検索語

4

写真の雰囲気に合ったBGM

5

通常動画やショート動画へ誘導する役割

企業が今から取り組むべき5つのこと

1

YouTubeアナリティクスを確認する

ユニークリーチ、ユニーク視聴者数、デバイス別の視聴状況など、自社チャンネルで確認できる指標を把握します。

2

月次レポートのKPIを見直す

再生回数だけの報告から、リーチ、視聴の深さ、問い合わせなどを組み合わせた報告へ変更します。

3

テレビでも見やすい動画を制作する

文字サイズ、音声、映像の情報量、構成台本を見直し、スマートフォン以外の視聴環境にも対応します。

4

通常動画・ショート・投稿の役割を分ける

通常動画で深く理解してもらい、ショートで新規層へ接触し、静止画投稿で継続的な接点を作ります。

5

他のSNS素材を再編集して活用する

InstagramやWebサイトで使用した写真を、YouTube向けの順番、見出し、音楽に再編集して展開します。

まとめ|YouTubeは「再生回数」だけを見る時代ではない

ユニークリーチの追加は、YouTubeがスマートフォンの中だけで完結するサービスではなく、テレビ視聴を含む動画メディアとして評価され始めていることを示しています。

企業のYouTube運用でも、再生回数だけを追いかけるのではなく、何人に届いたのか、どの程度見られたのか、視聴後にどのような行動が起きたのかを一体で評価する必要があります。

また、ショートフィードに画像投稿が組み込まれることで、動画制作だけでなく、既存の写真資産を使った発信の幅も広がります。通常動画、ショート動画、静止画投稿を組み合わせ、チャンネル全体でユーザーとの接点を設計していきましょう。

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