ChatGPTの検索利用率がX超え、Instagramに肉薄|企業SNS・広告・AIOは何を変えるべきか

生成AI

ChatGPTの検索利用率がX超え、Instagramに肉薄|企業SNS・広告・AIOは何を変えるべきか

生成AIは、文章を作る道具から、商品や会社を選ぶ場所へ変わった。

2026年8月の国内調査では、AI Modeを含む生成AIの検索利用率が52.3%に達しました。ChatGPT単体でも30.6%。検索目的での利用率ではXの29.2%を上回り、Instagramの31.8%に迫っています。企業は、Google検索、SNS、生成AIを別々の施策として扱う段階を終えつつあります。

この記事の結論

企業が変えるべきなのは、SNSをやめてAIOへ移ることではありません。SNSで発見され、YouTubeで理解され、Web上の一次情報がAIに参照され、広告と営業で行動につなげる。この一連の流れを設計することです。フォロワー数やクリック数だけでなく、AI回答での指名・引用と、その後の問い合わせまで見る必要があります。

52.3%生成AI全体
AI Modeを含む
30.6%ChatGPT
検索目的での利用率
29.2%X
検索目的での利用率
31.8%Instagram
検索目的での利用率

数字の読み方:これは全国15~69歳の男女9,278人を対象としたインターネット調査です。各サービスの「検索目的での利用経験」を尋ねたもので、月間利用者数や利用時間の比較ではありません。また、複数の検索手段を併用できるため、各比率を合計して100%にはなりません。

生成AIの検索利用率52.3%。これは何を意味するのか

サイバーエージェントのGEOラボが2026年9月4日に公表した調査によると、AI Modeを含む生成AIの検索利用率は52.3%でした。2025年5月の21.3%から、約1年3カ月で31ポイント上昇しています。

検索エンジンの利用率は86.9%で、依然として生成AIより高い。したがって、「Google検索が終わった」という話ではありません。実態は置き換えより併用です。

ただし、両方を使う人の46.6%が、検索行動の半分以上を生成AIへ切り替えたと回答しています。ここは大きい。企業の商品やサービスが比較候補へ入る前に、AIが情報を整理し、選択肢を絞る場面が増えているからです。

確認できる事実
同調査では、AI回答内のURLをクリックした経験者が61.0%、AIに勧められた商品・サービスを自分でも詳しく調べた経験者が77.3%、AIのおすすめをきっかけに購入・利用した経験者が58.7%でした。ただし、いずれも「経験の有無」であり、購入回数や売上構成比を示す数字ではありません。

それでも、AI回答が情報収集だけでなく、比較と行動に関わっていることは読み取れます。企業にとって問題なのは、生成AIを使う人が増えたことだけではない。AIが作る候補一覧に、自社が含まれるかです。

ChatGPTがXを上回った。検索とSNSの境界が崩れている

同じ調査の検索目的での利用率では、ChatGPTが30.6%、Instagramが31.8%、Xが29.2%でした。ChatGPTはXを上回り、Instagramとの差も小さくなっています。

ここで、SNSと生成AIのどちらが勝つかを考えても意味がありません。ユーザーは一つの媒体だけで意思決定していないからです。

発見Instagram・X
Shorts・TikTok
理解YouTube
解説・レビュー
比較・相談Google・AI Mode
ChatGPT・Gemini
行動公式サイト
予約・購入・相談

Instagramのリールを見た人が、商品名をGoogleで検索する。YouTubeで比較動画を見る。最後にChatGPTへ「自分にはどちらが合うか」と聞く。この移動に不自然さはありません。

企業側だけが、SNS担当、SEO担当、広告担当、Web担当を別々に動かしている。ユーザーの動きに対して、組織の方が分断されているのです。

LLMO・GEO・AIOの違いより、実行内容を決める

LLMO、GEO、AIO、AEO。生成AI検索への対応を表す言葉が増えました。呼び方には業界や事業者による違いがあり、完全に統一された定義はありません。

用語 一般的な意味 実務で見る対象
LLMO 大規模言語モデルに理解・参照されやすい情報を整える考え方 自社情報の明確さ、言及、引用、回答内容
GEO 生成AIが作る回答内での可視性を高める考え方 ChatGPT、Gemini、AI Mode等での出現と出典
AIO・AEO AI検索・回答エンジンを含めて情報設計を最適化する考え方 質問への回答、構造、一次情報、流入と成果

用語の違いを覚えることが仕事ではありません。企業が行うことは、基本的に共通しています。

  • 自社の商品、サービス、料金、対応範囲を公開情報として明確にする
  • 顧客の質問へ、条件や例外を含めて回答する
  • 経験、検証、事例など、他社がコピーできない一次情報を作る
  • 重要な情報を画像だけでなく、取得可能な本文テキストでも掲載する
  • サイトを検索エンジンや検索用クローラーが取得できる状態にする
  • AI上での言及、サイト流入、問い合わせを分けて測る

Googleも、AI OverviewsやAI Modeのためだけの特別なマークアップは不要であり、従来のSEOの基本が引き続き有効だと説明しています。ChatGPT検索については、OpenAIがOAI-SearchBotをブロックしないことを、検索結果への掲載と引用を助ける条件として案内しています。

つまり、魔法の設定はない。薄い記事を大量生産することでもありません。検索される問いへ、根拠を持って答えられる情報資産を作ることです。

AIに引用される投稿を増やす前に、引用できる情報資産を作る

「これからはAIに引用されるSNS投稿を作ろう」という言い方には注意が必要です。SNSの投稿は発見や反応の獲得に強い一方、ログイン状態、取得制限、投稿形式、情報の短さなどにより、AIがいつでも安定して参照できるとは限りません。

先に整えるべきなのは、企業が責任を持って管理できるWeb上の情報です。

商品・サービスページ誰向けか、何ができるか、料金、提供条件、対応地域、問い合わせ方法を明記する。
事例ページ課題、実施内容、期間、成果、条件、担当範囲を書く。成功談だけでなく判断材料を残す。
専門記事・FAQ顧客が比較時に尋ねる質問へ、結論、理由、例外、次の行動まで答える。
動画と文字情報YouTubeだけに閉じず、要点、固有名詞、手順、データをWeb本文にも展開する。

AIは、企業の頭の中にある情報を引用できません。営業資料にしかない料金も、担当者だけが知る対応範囲も、非公開の実績も、公開情報としては存在しないのと同じです。

一方で、守秘義務のあるクライアント名や未公開データまで出す必要はありません。匿名化した事例、業種別の課題、支援範囲、判断基準など、公開できる粒度へ変換すればよいのです。

Instagram・YouTube・事例記事。どれがAIに引用されやすいか

媒体ごとに役割が違います。引用されやすさだけで優劣を決めると、マーケティング全体を見失います。

媒体 得意な役割 AI検索へつなぐ実務 主なKPI
Instagram・X 発見、共感、反応、話題化 反応の良い質問や表現をFAQ・記事へ展開する 非フォロワーリーチ、保存、プロフィール遷移、指名検索
YouTube 理解、比較、人物・専門性の確認 タイトル、説明文、字幕を整え、Web側にも要点を掲載する クリック率、視聴維持、検索流入、サイト遷移
ブログ・FAQ 質問への具体的回答、検索、引用 結論、条件、一次資料、更新日、著者を明確にする 検索表示、AI上の引用、流入、回遊
事例・サービスページ 比較候補化、信頼、問い合わせ 料金、範囲、実績、向き不向き、相談方法を具体化する 指名言及、CTAクリック、相談、商談、有効受注

リールは、まだ商品名を知らない人に見つけてもらうための入口です。ブログや事例は、その商品を調べ始めた人とAIが参照できる判断材料です。

リールは発見。YouTubeは理解。ブログと事例は引用・比較資産。この分業ができると、一つの企画を使い捨てず、複数の入口へ展開できます。

フォロワー数を捨てるのではなく、AI時代のKPIを追加する

「フォロワー数よりAI引用へKPIを移す」という表現は、半分正しく、半分危険です。SNSのリーチやファン形成が不要になるわけではありません。AI引用だけを増やしても、売上や問い合わせにつながらなければ事業成果とはいえません。

KPIは、次の3層に分けます。

層 見る指標 答える質問
発見・接触 SNSリーチ、動画再生、検索表示、非指名流入 知ってもらえているか
AI可視性・比較 ブランド出現率、引用URL、推薦理由、競合との併記、指名検索 AIの回答で比較候補に入っているか
事業成果 AI経由セッション、CTA、問い合わせ、予約、購入、有効商談、売上 接触が行動と利益につながったか

ここで注意したいのが、AI上での言及と流入は別物だという点です。回答内で社名が出てもリンクが押されない場合があります。逆に、少ないクリックでも比較を終えた質の高いユーザーが来る可能性があります。

Search Consoleのクリック、GA4のセッション、フォーム送信、有効な商談、受注を混同しないこと。数字が増えたら、どの段階が改善したのかまで確認します。

「おすすめ会社」に自社が出るか。ChatGPT・Geminiで検証する

AIOの検証でよくある失敗は、一度質問し、自社が表示された画面を成果として保存することです。生成AIの回答は、質問文、時点、場所、利用者の状態、モデルによって変わります。

NOでは、少なくとも次の条件で記録する必要があると考えます。

1
顧客の質問を集める「おすすめ」だけでなく、料金、地域、業種、目的、課題、比較、失敗回避など、商談で実際に聞かれる言葉を使います。
2
表現を変えて複数回確認する「Instagram運用会社」と「食品メーカーに強いSNS運用会社」では、回答候補が異なります。一語だけで評価しません。
3
複数サービスで比較するChatGPT、Gemini、Google AI Modeなどで、社名、掲載順、引用元、推薦理由、競合を記録します。
4
回答内容の正確性を見る表示されたかだけでなく、料金、サービス内容、所在地、強みが事実どおりかを確認します。誤認されていれば、元情報を修正します。
5
定点観測する同じ条件で月次確認し、記事更新、外部掲載、SNS施策、広告などの変更履歴と並べます。一回の変動だけで因果関係を断定しません。

飲食・食品・フィットネス・ホテルで、情報の作り方は変わる

飲食・多店舗

Instagramでは新商品、季節感、店舗の空気を伝える。Webではメニュー、価格、アレルギー、店舗差、予約条件を整える。AIに「家族で行ける店」「駅から近い店」と聞かれたとき、判断材料になるのは正確な店舗情報です。

食品メーカー

商品の写真だけでは、比較理由が不足します。原材料、容量、保存、食べ方、利用シーン、レシピ、開発背景を言語化する。リールで需要を作り、レシピ記事や商品ページでAIと検索の回答材料を作ります。

フィットネス

ビフォーアフターだけに寄せず、対象者、プログラム、料金、期間、立地、予約、解約、指導者情報を明確にします。健康に関わる表現では、根拠のない効果保証を避ける運用基準も必要です。

ホテル・ブライダル

映像で空間の魅力を伝えるだけでは、見学や予約まで届きません。人数、アクセス、料理、季節、会場形式、下見、フェア、宿泊との連携など、比較条件をWeb上に用意する。SNSの役割はインプレッションの獲得だけでなく、見学したくなる理由を作ることです。

AIのおすすめで買う人が増えた。広告運用は何を変えるべきか

AI推奨をきっかけに購入・利用した経験者が58.7%だったからといって、広告のクリックやCPAが不要になるわけではありません。広告主が管理できる成果指標として、クリック、コンバージョン、CPA、ROASは今後も重要です。

変わるのは、広告が接触する前後の環境です。

SNS広告まだ検索していない人へ興味を作る。動画や画像で課題と商品を結びつける。
検索広告明確な検索意図を持つ人を捉える。比較や問い合わせに近い需要へ対応する。
AI上の自然言及相談・比較の回答で候補に入る。企業が直接掲載を保証できる広告枠とは異なる。
AI広告提供地域、形式、計測条件を確認し、小さくテストする。既存媒体を一律に止めない。

これからの広告運用では、広告クリックの手前で「AIに何と説明されているか」も確認します。広告では高品質と訴求しているのに、AI回答では料金や対応範囲が不明と説明されていれば、ユーザーの不安は解消しません。

広告費を増やす前に、AIと検索が参照する公式情報を整える。広告とAIOは別部署の仕事ではなくなります。

生成AIで内製化が進んでも、運用代行会社の価値はなくならない

サイバーエージェントが大手広告主企業を対象に2025年6月に実施した調査では、クリエイティブ制作で生成AIを継続的に活用している企業は54%でした。活用用途はアイデア出し、コピーやテキストの生成、画像・イラスト生成などです。

同じ調査では、クリエイティブ制作物が増えたと回答した企業が69%、SNS投稿用クリエイティブが増えたとの回答が78.8%でした。AIによって仕事が消えるというより、必要な制作量が増え、その一部をAIで処理する構造が見えます。

では、運用代行会社の価値はどこに残るのか。

社内・AIで進めやすい領域 社内が持つべき判断 外部専門会社が価値を出しやすい領域
投稿案の初稿、言い換え、素材整理、簡易集計 商品事実、ブランド基準、権利、承認、公開責任 戦略、競合分析、撮影、高品質動画、広告設計
定型投稿、過去資料の再構成、レポートの下書き 誰へ何を伝え、どの行動を得るか 第三者視点での企画、媒体横断、難しい改善判断
プロンプトとテンプレートによる制作効率化 AI出力を採用・修正・却下する基準 体制設計、教育、炎上予防、成果検証

価値が下がるのは、指示された文章や画像を作るだけの作業代行です。価値が残るのは、事業目標から逆算して企画し、品質を管理し、データから次の判断をする仕事です。

内製化か外注か、ではない。判断と企業固有の知識は社内に残し、専門性と制作力が必要な部分は外部と組む。生成AI時代の現実的な形は、共同運用です。

企業が90日で実行するSEO・AIO・SNS統合プラン

最初の30日|現状を知る

  • 顧客が検索・質問するテーマを、営業、問い合わせ、GSC、SNSコメントから集める
  • ChatGPT、Gemini、AI Modeで、自社と競合がどう説明されるか確認する
  • 料金、サービス、会社情報、事例、FAQの不足と矛盾を洗い出す
  • GooglebotやOAI-SearchBotを意図せず遮断していないか確認する

31~60日|引用できる情報を作る

  • サービスページへ対象、料金、範囲、向き不向き、よくある質問を追加する
  • 匿名化できる実績を、課題・施策・結果・条件の順で事例化する
  • 反応の良かったSNS投稿とYouTube企画を、検索できる記事へ展開する
  • 重複記事を統合し、重要ページへ内部リンクを集める

61~90日|計測し、運用へ戻す

  • AI回答での社名、引用元、推薦理由、競合を同じ条件で再確認する
  • GA4で判別可能なAI参照元からの流入と行動を確認する
  • Search Console、SNS、YouTube、広告、問い合わせを同じ会議で見る
  • 成果の出た問いを次の投稿、動画、記事、広告へ反映する

LLMO・GEO・AIOと企業SNSについてよくある質問

ChatGPTの利用率はInstagramを超えたのですか?

この調査の「検索目的での利用率」では、ChatGPTは30.6%、Instagramは31.8%です。ChatGPTはXの29.2%を上回りましたが、Instagramはまだ上回っていません。月間利用者数や利用時間の比較でもありません。

AIOを始めるには、専用の構造化データやllms.txtが必要ですか?

Googleは、AI OverviewsやAI Modeへ表示されるための特別な構造化データは不要と案内しています。SEOの基本、取得可能な本文、独自で有用な情報、内部リンク、良好なページ体験を優先します。llms.txtは他サービス向けに利用する判断はできますが、Google検索での可視性を高めるものではないと公式ガイドに明記されています。

Instagram投稿だけでAIO対策はできますか?

十分ではありません。Instagramは発見と反応の獲得に使い、商品情報、料金、事例、FAQは自社サイトにも掲載します。投稿から得た質問や反応を、長く管理できる情報資産へ変えることが重要です。

AIで社名が表示されれば成果ですか?

可視性の成果ではありますが、事業成果とは分けます。説明内容が正しいか、リンクされたか、指名検索や訪問が増えたか、問い合わせや購入につながったかまで確認します。

生成AIを導入すればSNS運用を完全に内製化できますか?

下書きや素材整理は内製化しやすくなります。一方、戦略、撮影、ブランド管理、広告、分析、承認体制まで自動で整うわけではありません。社内で持つ判断と、外部へ任せる専門業務を先に分けてください。

まとめ|企業は「投稿を増やす」前に、情報の流れを設計する

生成AIの検索利用率が52.3%に達し、ChatGPTの検索利用率がXを上回った。これは、SNSの時代が終わったという話ではありません。

SNSで知り、YouTubeで理解し、Googleや生成AIで比較し、公式サイトで確認する。ユーザーの情報行動が、複数の媒体を横断するようになったということです。

企業が行うべきことは明確です。SNS、SEO、AIO、YouTube、広告を別々に量産しない。一つの顧客課題から、短い投稿、詳しい動画、根拠のある記事、比較できる事例、行動できるサービスページを作る。

そして、フォロワー、再生数、検索順位だけで終わらず、AI上の指名・引用、サイト訪問、問い合わせ、商談、売上までつなげて評価する。知られていない会社は、候補に入れません。これからは、AIに説明できない会社も同じです。

AI、SNS、広告を別々に動かしていませんか

投稿制作を速くするだけでは、AI検索からの指名や事業成果にはつながりません。ニューオーダーは、企業の情報資産、SNS運用、動画制作、広告、計測を一つの導線として整理します。

社内で運用できる体制を作る

生成AIを使った企画、制作、確認、投稿、分析を、自社で継続するための実践研修です。

生成AI×SNS運用研修を見る

Instagram運用を外部と進める

戦略設計、投稿企画、写真・リール制作、キャプション、投稿代行、広告、月次分析まで、必要な範囲を一気通貫で支援します。

Instagram運用代行を見る

主な参照資料:サイバーエージェント GEOラボ「生成AIのユーザー利用実態調査(2026年8月期)」/サイバーエージェント「大手広告主企業のクリエイティブ制作における生成AI利用調査」/Google Search Central「生成AI検索向け最適化ガイド」/Google Search Central「AI機能とウェブサイト」/OpenAI「Publisher FAQs」(情報確認:2026年9月11日)

青山 直樹

メディアを32年、内側から見続けてきました。1994年電通入社、テレビ局担当6年、アジアのメディアビジネス4年。
2004年起業、ゴルフメディアを8年、ソーシャル専業13年。
今はAI時代のSNSを考え、書き、企業に教えています。
㍿ニューオーダー代表

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