見えないままでは伝わらない。
介護施設、デイサービス、訪問介護のInstagramは、利用者募集だけの広告媒体ではありません。ご家族の安心、求職者の理解、地域とのつながりを、日々の写真と短い動画で積み重ねる「信頼の入口」です。
介護の採用難が続くいま、「知ってもらう仕組み」が必要
約240万人
2022年度比で約25万人増
厚生労働省は、第9期介護保険事業計画に基づき、2026年度に必要となる介護職員数を約240万人と推計しています。採用サイトに求人票を掲載して待つだけでは、地域内の限られた候補者へ職場の魅力を届け切れません。
一方、介護サービスは、建物や料金表だけで比較できるものでもありません。利用者への接し方、職員同士の連携、レクリエーション、食事、リハビリ、訪問時の姿勢など、選ばれる理由の多くは日常の中にあります。その日常を継続的に可視化できるのがInstagramです。
介護事業者がInstagramを始めるべき4つの理由
目的を一つに絞る必要はありません。ただし、投稿ごとに「誰に、何を伝え、次にどう動いてほしいか」を明確にします。
利用者・家族の不安を減らせる
見学前の家族は、設備だけでなく、普段の雰囲気や職員の表情、食事、活動内容を知りたいと考えています。日常を継続して見せることで、初めての相談に伴う心理的な壁を下げられます。
採用前のミスマッチを減らせる
募集要項だけでは、職員の関係性、教育体制、1日の動き、仕事のやりがいまでは伝わりません。職場のリアルを先に見せることで、理念や働き方に共感する候補者との接点を作れます。
地域で思い出してもらえる
介護サービスは必要になった瞬間に探されることが多い業種です。地域名、対応エリア、サービス内容を日常的に発信しておくと、家族や地域の支援者が相談先を考えるときの想起につながります。
専門性をわかりやすく伝えられる
認知症ケア、機能訓練、口腔ケア、看取り、生活援助などは、言葉だけでは違いが伝わりにくい領域です。短い解説や職員インタビューで、支援方針と強みを理解してもらえます。
介護施設・デイサービス・訪問介護で発信内容は変える
同じ介護でも、利用者の生活場面と意思決定者が異なります。サービス別に「見せる内容」と「出口」を設計しましょう。
| サービス | 主な読者 | 見せるべき内容 | おすすめCTA |
|---|---|---|---|
| 介護施設・老人ホーム | 入居検討者の家族、求職者、地域住民 | 居室・共用空間、食事、行事、職員紹介、夜勤や看護体制、面会の考え方 | 施設見学、資料請求、採用ページ |
| デイサービス | 本人、家族、ケアマネジャー、求職者 | 1日の流れ、送迎、入浴、食事、機能訓練、レクリエーション、空き状況 | 体験利用、見学、相談、事業所案内 |
| 訪問介護 | 家族、地域の支援者、登録ヘルパー候補 | 対応エリア、支援範囲、ヘルパーの1日、研修、安全対策、働き方 | サービス相談、求人応募、説明会 |
介護事業者のInstagram運用設計・参考事例3選
公開されている公式サイトと運用方針から、介護事業者が取り入れやすい設計ポイントを整理しました。成果数値ではなく、目的と発信内容の組み立てに注目しています。
介護・福祉のIKOI GROUP
複数サービス
公式サイトのSNS一覧で、法人、採用、施設、訪問介護・デイサービスなど複数のInstagramアカウントを整理して案内しています。法人全体の情報と拠点の日常を分ける考え方は、多施設展開する事業者の参考になります。
法人・採用・サービスの目的を混在させず、読者が選びやすくする。
各施設が持つ空気感や地域性を、現場単位で伝えられる。
アカウントの信頼性を担保し、目的の窓口へ案内する。
サンキ・ウエルビィ
総合介護サービス
公式Instagramの開設案内で、日々の取り組み、介護・福祉の情報、スタッフの笑顔、地域とのふれあいを発信内容として明示しています。「サービス紹介」だけに偏らず、人・専門性・地域の3軸を持つ設計です。
継続的な活動が、施設への安心と透明性を生む。
専門知識を生活者の言葉へ置き換え、相談前の疑問を解消する。
地域行事や交流を通じ、近隣での認知と親近感を育てる。
社会福祉法人 三翠会
採用広報
2026年7月に採用Instagramを開設し、働く仲間・職場紹介、採用イベント、よくある質問、先輩の声を主な発信内容として掲げています。採用専用アカウントでは、投稿から見学や説明会へ進める導線が重要です。
利用者向け広報と分け、候補者の疑問に集中して答える。
職種、入職理由、成長、1日の流れを本人の言葉で伝える。
投稿を見て終わらせず、見学ツアーや説明会を次の行動にする。
各事例は2026年8月3日に確認できた公式サイトの公開情報に基づきます。アカウント構成や発信内容は変更される場合があります。
介護のInstagramですぐ使える投稿ネタ10選
顔の写真だけに頼らず、仕事の価値、施設の工夫、相談前の疑問をコンテンツにします。
1日の流れ
送迎、食事、入浴、機能訓練などを時間順に紹介する。
職員の仕事密着
介護職、看護職、相談員、リハ職の役割と連携を見せる。
食事・おやつ
献立、季節感、栄養、形態調整の工夫を伝える。
レクリエーション
目的と準備の工夫を添え、単なるイベント写真で終わらせない。
よくある質問
費用、持ち物、送迎、見学、面会、応募条件を1投稿1問で解説。
職員インタビュー
入職理由、成長、やりがい、休日、研修を本人の言葉で紹介。
研修と安全対策
移乗、感染対策、災害訓練、認知症ケアなどを可視化する。
施設・道具紹介
浴室、送迎車、福祉用具、記録端末などを利用場面とセットで説明。
地域との活動
地域行事、交流会、認知症カフェ、防災活動などを紹介する。
空き・採用情報
告知だけでなく、対象者、相談方法、締切、次の行動を明記する。
介護のInstagramは、投稿前のルールづくりが最優先
個人情報保護委員会は、利用者の写真をホームページや機関誌などで第三者に閲覧させる場合、本人の同意が必要と示しています。Instagramも不特定多数へ公開する媒体であるため、同意範囲を曖昧にしない運用が必要です。
本人・家族の同意、使用媒体、使用期間、顔出しの可否、撤回方法を記録します。「撮影の同意」と「SNS公開の同意」は分けて確認します。
氏名、名札、書類、薬、記録画面、車両番号、自宅周辺、位置情報など、意図せず個人を特定できる情報が映っていないか確認します。
病状、要介護度、利用状況などの個別情報をInstagram上で聞き取らず、電話や公式問い合わせフォームへ案内します。
「必ず改善する」「認知症が治る」といった誤解を招く表現を避け、サービス内容と支援方針を事実に基づいて説明します。
手元、後ろ姿、空間、食事、道具、職員の解説、図解カルーセルを組み合わせれば、利用者の顔を出さずに十分な発信ができます。
個人端末でパスワードを共有せず、法人メール、二段階認証、管理者一覧、緊急停止手順を整備します。
参考:個人情報保護委員会「行事などにおける利用者の写真を掲載する場合」、厚生労働省「厚生労働分野における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン等」
Instagramを止めないための6ステップ
まずは採用、見学、家族への情報提供のうち最優先を選びます。
誰のどんな不安に答え、どのページへ案内するかを定めます。
撮影・掲載同意、禁止事項、承認者、DM対応を文書化します。
日常、専門性、採用、案内を組み合わせ、撮影日をまとめます。
地域名、サービス、対象者、相談方法、公式サイトを明記します。
保存、プロフィール閲覧、リンク、問い合わせ、応募理由を確認します。
最初の90日で行うこと
土台を作る
- 目的・読者・KPI決定
- 同意書と承認フロー整備
- プロフィールとハイライト作成
- 投稿企画を16本用意
型を見つける
- 週2回を目安に投稿
- カルーセルとリールを比較
- 質問をFAQ投稿へ反映
- 職員から素材を回収
成果へつなぐ
- 反応の良いテーマを増やす
- 見学・応募CTAを改善
- サイト流入と問い合わせを確認
- 次の3か月計画を作成
介護アカウントで見るべきKPI
| 目的 | Instagram内の指標 | 最終的に確認する成果 |
|---|---|---|
| 認知 | リーチ、非フォロワー比率、動画再生 | 地域内での指名検索、サイト流入 |
| 信頼 | 保存、シェア、プロフィール閲覧 | 家族・ケアマネジャーからの相談 |
| 利用 | リンクタップ、DM開始数 | 見学、体験利用、資料請求、契約 |
| 採用 | 採用投稿の保存、リンクタップ | 説明会、見学、応募、採用理由 |
介護施設・デイサービス・訪問介護のInstagramでよくある質問
介護施設のInstagramは集客に効果がありますか?
Instagramだけで契約まで完結するとは限りませんが、見学前の不安を減らし、施設名を思い出してもらい、公式サイトや電話相談へ進んでもらう接点として有効です。問い合わせ時に「何を見たか」を記録し、効果を判断しましょう。
デイサービスでは何を投稿するとよいですか?
1日の流れ、機能訓練、食事、レクリエーション、送迎、職員紹介、よくある質問が基本です。写真だけでなく「何のための活動か」「どんな方に向くか」まで説明すると比較材料になります。
訪問介護でもInstagramを運用できますか?
可能です。利用者宅を撮影せず、対応エリア、支援内容、ヘルパーの持ち物、研修、1日の動き、職員インタビュー、採用FAQなどを発信できます。自宅周辺や書類が映り込まないよう確認してください。
利用者の顔写真を投稿してもよいですか?
第三者が閲覧できる媒体へ利用者写真を掲載する際は、本人の同意が必要です。本人・家族の意向、媒体、期間、顔出し範囲を確認し、同意を撤回できる手順も整えてください。迷う場合は掲載しない判断が安全です。
投稿頻度はどのくらい必要ですか?
最初は週2回程度でも十分です。毎日投稿を目標にして止まるより、月8本を安全に作れる体制を優先します。ストーリーズは空き状況や行事準備など、即時性のある情報に使い分けます。
利用者向けと採用向けはアカウントを分けるべきですか?
法人規模と投稿量によります。1アカウントでも、表紙デザイン、ハイライト、投稿シリーズで整理できます。複数拠点で採用投稿を継続できる場合は、採用専用アカウントを分ける選択肢があります。
職員が忙しく、運用を続けられるか不安です。
現場職員に企画・撮影・編集・投稿をすべて任せないことが重要です。素材回収フォーム、月1回のまとめ撮影、テンプレート、承認期限を決めます。難しい工程だけ外部へ委託する方法もあります。
安全に続き、採用・相談につながる介護Instagramへ。
ニューオーダーでは、目的設計、投稿企画、撮影、リール・カルーセル制作、投稿代行、月次分析まで支援します。利用者のプライバシーに配慮しながら、施設の人柄と専門性が伝わる運用を設計します。
参考資料
- 厚生労働省:地域における介護人材確保促進のための取組手法等に関する調査研究事業
- 個人情報保護委員会:利用者写真を掲載する場合の同意
- 厚生労働省:医療・介護関係事業者の個人情報ガイドライン等
- IKOI GROUP:SNS・各種メディア
- サンキ・ウエルビィ:Instagram公式アカウント開設案内
- 社会福祉法人三翠会:公式採用Instagram開設案内
公開情報は2026年8月3日に確認しました。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断を示すものではありません。運用時は自法人の個人情報保護方針、就業規則、関係法令、所管行政の案内をご確認ください。
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