CONTENTS / この記事でわかること
SECTION 01 / DATA
街録chの立ち位置|数字で見る
まず、事実から入ります。
街録chは2020年3月に開始。テレビ制作会社出身の三谷三四郎氏が、当初はひとりで運営していたチャンネルです。
CHANNEL DATA / 基本情報
※ 各種公開インタビュー・報道による。数値は執筆時点。
ここで注目したいのは、たったひとりのディレクターが、150万人規模のチャンネルを立ち上げたという事実です。
企業のYouTubeチャンネルは、100万円かけて外注しても登録者1万人に届かない例が山ほどあります。ではなぜ、街録chは伸びたのか。次章で分解します。
SECTION 02 / WHY
なぜ伸びているのか|4つの構造
街録chの伸びは、「たまたま当たった」で片付く話ではありません。構造で説明できる強さがあります。
POINT 01
サムネイルが「週刊誌の中吊り」設計
顔のドアップ、暗い陰影、太いテロップ、パワーワードの並列。三谷氏本人が「わざと薄暗くしている」「ほどよい容疑者感が出るように調整している」と語っています。参考にしているのは週刊誌の中吊り。動画の内容以前に、スクロールを止める仕事をサムネに全部やらせているという設計です。
POINT 02
「話させる」だけの、極限までシンプルな型
カメラ1台。ほぼ全編、出演者が話しているだけ。テロップと簡素な効果音以外の演出がない。編集を意図的に薄くしていることで、視聴者は「話の中身」だけに集中できます。テレビ的な過剰な編集は入れない。地味に見えて、これは相当な設計上の判断です。
POINT 03
検索需要のロングテールを、正面から拾う
「元受刑者」「脱北者」「宗教二世」「AV業界の裏側」。誰もが知りたいわけではないが、その属性に関心を持つ人は、確実に検索する。これがロングテールになる。1本の動画が、1年後・2年後もじわじわ再生され続ける構造です。
POINT 04
1本1人の「型」が、投稿のたびに信頼を積む
毎回、構成が同じです。イントロ→身の上→山場→現在。この型の固定。「街録chなら、また同じ質の動画が出てくる」という視聴者の安心感が、登録に効いています。
SECTION 03 / PROVED
街録chが証明した3つのこと
街録chの存在は、SNS時代のコンテンツ制作について、3つのことを証明してしまいました。ここは企業のSNS担当が一番読むべき部分です。
街録chの動画には、一度メディアで話題になり、その後表舞台から離れた人物も出てきます。
あやまんJAPAN、下積みの長かった芸人、かつてバラエティで顔が売れたタレント、ネットで名前が広まった一般人。彼ら彼女らの「今」を語らせる企画は、街録chの中でも安定して再生されるジャンルです。
ここに、SNSマーケの視点として学べることがあります。
バイラルは、消費されて終わる時代になった
テレビでヒットした人は、放送が終わっても数年は名前が残りました。地方営業、CM、DVD、書籍。過去のバズを収益に変える回路が仕組みとして用意されていた訳です。
SNS時代は違います。バズった翌週には次のバズが来て、視聴者の関心は流れる。一発当てても、そこから資産化する導線を自分で作らないと、半年後には検索されなくなります。
街録chは、その「その後」を語る場所を提供している
一度当たった人が、街録chで自分の人生を語る。すると視聴者は「あの人、今こうなってたのか」と再発見する。これは過去のバイラルが、現在のコンテンツに変換される瞬間です。
ここから逆算すると、企業や個人が学ぶべきは1つだけ。バイラルが起きたその日に、次に繋げる資産を作っておく。バズの瞬間に、フォロー導線、メルマガ、公式LINE、自社サイトへの誘導。この3つを設計していない限り、バズはただの一瞬の花火で終わります。
あやまんJAPAN、街録chに登場
かつて「ぽいぽいぽい」でお茶の間に届いた宴会芸集団も、街録chに登場しています。過去にバズった名前は、10年経っても検索されている、というのが実感の湧く事例です。
視聴者は「懐かしい」で動画を開き、現在の姿を知って、SNSでシェアする。これがロングテールの起点になっている訳だ。
YOUTUBE ACCOUNT MANAGEMENT
チャンネル設計から、続ける仕組みまで。
街録chの伸びは、コンテンツの型の強さと、それを1,500本続けたことの結果です。企業のYouTubeも同じ。設計と、続ける仕組みが要る。
進め方は2つ。まずは相談だけでも承ります。
SECTION 05 / INSIGHT
企業のSNS担当が学べる4視点
街録chから、企業アカウントの運用に転用できる原則を4つ抽出しました。ここは、社内で共有できる形に落とし込んであります。
DOCUMENTARY
ドキュメンタリー型を、恐れない
教育系・ハウツー系だけがSNSではありません。社員の入社ストーリー、顧客の使い方、失敗の裏側。ドキュメンタリー型の投稿は、企業アカウントでも十分に成立する。
PERSON
「人」から始める
商品ではなく、まず人。誰が、どんな考えで、どう関わっているか。人ベースのコンテンツは、機能ベースより長く残るは、街録chの逆張り証明が示している通りです。
TEMPLATE
型を固定する
イントロ、本題、締めの構成を固定する。サムネのフォーマットを揃える。毎回同じクオリティが出てくるという安心感が、登録・保存・シェアを呼びます。
VOLUME
本数の圧を、舐めない
街録chは1,500本。企業アカウントで100本続けているところがどれだけあるか。質と量は対立しない。続けたところが強い。
SECTION 06 / CAUTION
真似るときに、外してはいけない線
ここは、書かないと不誠実になるので書きます。街録chの手法は強力ですが、誰でも真似ていいという話ではありません。
題材の重さと、扱う側の力量が釣り合っているか
街録chは、重い題材を扱っても炎上を最小限で切り抜けています。これは、ディレクター個人の取材力と編集判断があってこそ。企業アカウントで安易に同じ路線を狙うと、事故になります。
出演者の権利と気持ちを、公開後も守る仕組み
街録chは「本人が消してと言ったら消す」と明言しています。この覚悟が、次の出演者が話せる土壌になっている。企業も同じ。掲載同意と、削除依頼への即応体制を最初に作ってください。
サムネの「引き」と、内容の「誠実さ」を切り離さない
中吊り風のサムネで釣って、中身が薄いと、視聴者は一度で離れます。街録chが強いのは、サムネの過激さに、内容の濃さが追いついているから。
自社ブランドの許容範囲を、先に決めておく
「うちで扱う話題は、どこまでか」を経営として先に線引きする。個々の投稿で毎回悩まなくていい状態を作ることが、続けるための前提です。
CLOSING / まとめ
「一人の人生」が、コンテンツになる時代
街録chは、SNS時代のYouTubeがどこに向かっているかを、はっきり示した事例です。
大掛かりな企画より、人一人の中身。ひとりの人生の物語が、企画された芸能人トークより深く届く。編集を薄くした方が、視聴者は近く感じる。
企業のYouTubeも、ここに学べる余地は大きい。必要なのは、機材でも予算でもなく、続ける設計です。
週2本。人ベース。型を固定する。
まずは、ここから始めてみてください。
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「続ける仕組み」を、まず作る。
街録chの強さは、コンテンツの型と、それを1,500本続けたことの掛け算です。企業のチャンネルにも、まったく同じ原理が働きます。
※ 本記事はYouTubeチャンネル「街録ch」を、SNSマーケの観点から分析した記事です。番組の紹介・案内を目的としたものではありません。
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