YOUTUBE / MADE ON YOUTUBE 2026
2026年9月23日 発表
発表翌日、YouTube Studioを開いて確かめた。
30件超のうち、企業チャンネルに効くのは5つ。
ショート動画の連続企画化、サムネイルの出し分け、動画そのもののA/Bテスト。何がどう変わり、いつ来るのか。企業チャンネルが備えておくべきことを整理しました。
この記事で扱うこと
YouTubeが2026年9月23日、年次イベント「Made On YouTube」で30件を超える新機能を発表しました。
企業チャンネルの運用に効くのは、そのうち5つです。ショート動画の連続企画化、サムネイルの出し分け、動画そのもののA/Bテスト、下書きへのAI添削、ライブのリアルタイム吹き替え。
いずれも作って終わりではなく、比べて選ぶ方向への変更です。制作の本数、外注の見積もり、確認の工程。運用の前提が変わります。
この記事では、その5つが何を変えるのかを解説し、提供時期と、すでに使える機能との違いを整理します。発表翌日に日本のYouTube Studioで表示を確認した結果も添えました。
先に結論
Shorts seriesで、ショート動画をシーズンとエピソードに構造化できます。単発で流すものから、続けて見せるものへ変わります。
サムネイルは1本につき最大3枚登録し、視聴者に応じて出し分ける形になります。制作の発注単位が変わります。
動画のカットそのものをA/Bテストできるようになります。編集の判断を感覚ではなく数字で選べます。
Ask Studioとショート動画のカスタムサムネイルは、今回の新機能ではありません。いずれも2026年7月から使えています。まとめ記事では混ざりがちな部分です。
提供時期は機能ごとに異なります。年内に順次届くもの、来年グローバル展開されるもの、2027年のものが混在しています。
いま着手できるのは、ショート動画を連続前提で企画することとテストする対象と指標を決めておくことです。
SECTION 01 / OVERVIEW
何が発表されたのか
Made On YouTubeは、YouTubeが年に一度開く発表イベントです。2026年は9月23日に開催され、視聴者向け、クリエイター向け、ライブ配信向け、音楽向けに分けて多数の機能が公表されました。
企業チャンネルの運用に関係するものだけを抜き出すと、次の5つになります。
UPDATE DATA / 企業チャンネルに効く5機能
Shorts series
ショート動画をシーズンとエピソードに構造化できる。カスタムサムネイルと連続再生に対応
Dynamic Thumbnails
1本の動画に最大3枚のサムネイルを登録し、視聴者に応じて出し分ける
動画A/Bテスト
最大3種類のカットを比較し、どれが最後まで見られるかを検証する
下書きへのAIフィードバック
公開前の動画をAIが確認し、テンポ・構成・見せ方について指摘する
ライブの自動吹き替え
ライブ配信をリアルタイムで別の言語に吹き替える
このほかに、視聴者が会話形式のプロンプトで自分好みのフィードを作れるカスタムフィードの拡大、買い物に関する質問をAIに聞けるAsk YouTube、クリエイター同士が対戦形式で配信するLive Showdowns、肖像の検出機能の拡張などが発表されています。
音楽向けのAsk Music、ポッドキャストのまとめ機能、クリエイターとブランドのマッチングなどは、企業チャンネルの日常運用には直接関係しません。全部を追う必要はありません。
SECTION 02 / TIMELINE
いつ使えるのか|提供時期の一覧
ここがこの記事の中心です。発表されたことと、使えることは別です。
Shorts series
2026年9月23日から順次
web・モバイル・TVで展開開始
下書きへのAIフィードバック
2026年内に順次
グローバル展開とされています
Dynamic Thumbnails
2026年内に順次
同上
Ask Studioのモバイル展開
順次
iOSとAndroidのStudioアプリへ
動画A/Bテスト
一部クリエイター先行、2027年にグローバル
最大3種類のカットを比較
Shorts向けA/Bテスト
2027年から
長尺よりも後になります
※表は横にスクロールできます。2026年9月24日時点で公表されている情報にもとづきます。
公式の発表上、本日から展開が始まるのはShorts seriesです。残りは年内から2027年にかけて順次届きます。順次展開のため、実際に管理画面へ反映される時期はチャンネルによって前後します。
運用計画への影響
年内に届くものと来年のものを混ぜて計画すると、実行できない施策表ができあがります。今期はShorts seriesの企画設計に絞り、テスト設計は来期の準備として置く。この切り分けが現実的です。
SECTION 03 / NOT NEW
混同しやすい「すでにある機能」
今回の発表には、以前から使えている機能の拡張が多く含まれています。まとめ記事では新機能と並べて紹介されがちですが、分けて理解しておく必要があります。
Ask Studio
以前から提供済み
モバイルアプリへの展開、下書きへのフィードバック機能の追加
Ask Studioでのサムネイル生成
2026年7月から提供
今回は改めて紹介された形
ショート動画のカスタムサムネイル
2026年7月25日から提供
パートナープログラム向け、デスクトップのみ
サムネイルとタイトルのA/Bテスト
以前から提供済み
今回発表されたのは動画そのもののA/Bテスト
※表は横にスクロールできます。
特に紛らわしいのがA/Bテストです。サムネイルとタイトルのA/Bテストは以前からあり、今回新しいのは動画のカットを比較するテストです。前者はすでに使え、後者は来年のグローバル展開を待つ必要があります。
ショート動画のカスタムサムネイルも、2026年7月から提供されています。ただしパートナープログラムに参加しているチャンネル向けで、デスクトップからの操作に限られ、A/Bテストの対象外とされていました。
OPTION 01 / 任せる
YouTubeチャンネル運用代行
企画から撮影、編集、サムネイル、分析改善まで。ショート動画の連続企画やテスト設計を含めてお引き受けします。
OPTION 02 / 自社で回す
AI×SNS企業研修
AIを前提にした制作と分析の進め方を、社内に残す研修です。仕様変更に振り回されない運用手順をマニュアル化します。
SECTION 04 / SHORTS SERIES
Shorts series|単発から連続企画へ
今回いちばん実務に効きそうなのがこれです。
Shorts seriesは、ショート動画をシーズンとエピソードに構造化できる機能です。カスタムサムネイルと連続再生に対応し、視聴者はスクロールで次々に別の動画へ移るのではなく、ひとつの流れとして続けて見られます。
YouTubeは9月23日から、web、モバイル、TVで展開を開始したとしています。
再生リストとは別物です
既存の再生リストにショート動画を入れても、Shorts seriesにはなりません。再生リストはまとめる箱、Shorts seriesは順番に見せる構造です。公式はシーズンとエピソードへの構造化、カスタムサムネイル、連続再生を挙げており、視聴者側の体験が変わります。再生リストで代用できると考えないでください。
背景にあるのは、マイクロドラマの伸び
YouTubeによれば、2026年上半期だけでマイクロドラマの再生回数は65億回を超え、視聴時間は前年同期比で50%以上伸びています。TV画面での視聴は前年比90%増とされています。
縦型の短い動画を、連続して見る。その視聴習慣が実際に育っている、という数字です。
業界では、TikTokが連続ものの短編を収益化してきた流れに、YouTubeが追随したという見方も出ています。
企業チャンネルでの使い方
商品の使い方を分解する
1本で全部を説明せず、工程ごとにエピソードを分ける。最後まで見た人ほど理解が深い状態になります。
よくある質問をシリーズ化する
問い合わせの多い順にエピソードを並べる。カスタマーサポートの負荷軽減にも効きます。
社員や現場を連続で見せる
採用広報との相性が良い領域です。人物を軸にした連続ものは、単発より関係が積み上がります。
導入事例を章立てにする
課題、検討、導入、成果。BtoBの購買検討のプロセスに沿って分けられます。
重要なのは、撮ってから束ねるのではなく、束ねる前提で企画することです。シリーズとして成立する構成を先に決めてから撮影に入らないと、後から並べても流れになりません。
この設計は、機能の提供を待たずに今日から始められます。連続前提で撮りためておけば、管理画面に機能が現れた時点ですぐ束ねられます。
管理画面での提供状況
順次展開のため、反映の時期はチャンネルによって前後します。参考として、発表翌日の2026年9月24日に日本のチャンネルで確認した結果を挙げておきます。コンテンツ画面のショート動画タブ、アップロード時のサムネイル設定欄、動画詳細の再生リスト欄のいずれにも、シリーズを作成する導線は表示されていませんでした。
時間差は想定の範囲です。企画の設計を先に進めておけば、届いたときに手戻りがありません。
SECTION 05 / TESTING
サムネイルと編集が「テストするもの」になる
年内から来年にかけて届く機能は、いずれも作ったものを比較して選ぶ方向に寄っています。
Dynamic Thumbnails|最大3枚の出し分け
1本の動画に最大3枚のサムネイルを登録すると、YouTube側が視聴者に応じて最も関連性の高いものを表示する、という機能です。2026年内に順次展開とされています。
A/Bテストとの違いは、勝ったものに一本化するのではなく、相手によって出し分け続ける点にあります。想定する視聴者層が複数ある企業チャンネルほど、効き方が変わります。
実務としては、サムネイル制作の発注が1本あたり1枚から3枚になります。制作コストと工数の前提が変わるので、外部に依頼している場合は早めに相談しておくのが現実的です。
動画A/Bテスト|カットそのものを比べる
最大3種類の異なるカットをアップロードし、どれが最後まで見られるかを比較する機能です。一部のクリエイター向けに先行提供され、グローバル展開は来年とされています。
冒頭の入り方を変える、構成の順序を入れ替える、尺を変える。これまで感覚で決めていた編集判断を、数字で選べるようになります。
ただし編集の本数が増えるということでもあります。3種類作れば、編集工数は単純に3倍に近づきます。どの動画でテストするかを絞る設計が要ります。
下書きへのAIフィードバック
公開前の動画をAIが確認し、テンポ、構成、見せ方について指摘するものです。2026年内にグローバル展開とされています。
公開してから数字を見るのではなく、公開する前に直す工程が入ります。社内レビューの一次チェックとして使えると、確認にかかる時間が減る可能性があります。
共通する変化
3つとも、作って終わりではなく、比べて選ぶ運用を前提にしています。制作本数の考え方、外注の見積もり、社内の確認フロー。いずれも作り直しが必要になる可能性があります。機能が届いてから慌てないよう、いまのうちに前提を確認しておくことをおすすめします。
SECTION 06 / TO DO
企業チャンネルがいまやること
1ショート動画の企画を、連続前提で組み直す
既存のショート動画を見直し、シリーズとしてまとめられるテーマがあるかを確認します。ないなら、次の企画から連続前提で設計してください。企画の設計は機能の提供を待たずに進められます。連続前提で撮りためておけば、管理画面に機能が現れた時点ですぐ束ねられます。
2サムネイルの制作フローを確認する
1本あたり3枚になる前提で、社内の制作体制や外注の契約を確認します。デザインの方向性を3パターン用意する、という発注が現実的にできるかどうかを先に確かめてください。
3テストする動画の基準を決める
すべての動画で3種類のカットを作るのは現実的ではありません。再生数が見込める企画、繰り返し出すフォーマットなど、テストする対象を絞る基準を先に決めておきます。
4検証する指標をそろえる
サムネイルの出し分けもカットの比較も、何をもって良しとするかを決めていないと判断できません。クリック率、平均視聴率、最後まで見られた割合。どれを主指標にするかを社内で合意しておいてください。
5越境展開があるなら、吹き替えを検証対象に入れる
ライブ配信のリアルタイム自動吹き替えは、海外市場を持つ企業には大きい変更です。既存のライブ配信で実際にどの程度使えるかを、提供が始まったら早めに試す計画にしておきます。
QMade On YouTube 2026で発表された機能は、今日から全部使えますか。
A使えません。提供時期は機能ごとに異なります。Shorts seriesは2026年9月23日から順次展開とされ、下書きへのAIフィードバックとDynamic Thumbnailsは年内に順次、動画のA/Bテストは一部クリエイター先行でグローバル展開は来年、Shorts向けのA/Bテストは2027年からとされています。
QShorts seriesとは何ですか。
Aショート動画をシーズンとエピソードに構造化できる機能です。カスタムサムネイルと連続再生に対応しており、視聴者はひとつの流れとして続けて視聴できます。web、モバイル、TVで展開が始まっています。
QDynamic ThumbnailsとサムネイルのA/Bテストは違いますか。
A違います。A/Bテストは複数の候補を比較して成績の良いものを選ぶ仕組みですが、Dynamic Thumbnailsは最大3枚を登録し、視聴者に応じて出し分け続けるものです。またサムネイルとタイトルのA/Bテストは以前から提供されており、今回新しく発表されたのは動画のカットを比較するテストです。
QAsk Studioは新機能ですか。
A新機能ではありません。以前から提供されており、Ask Studioによるサムネイル生成も2026年7月に告知されています。今回の発表に含まれるのは、モバイルアプリへの展開と、下書きへのフィードバック機能の追加です。
Qショート動画にカスタムサムネイルを設定できますか。
A2026年7月25日から提供されています。ただしパートナープログラムに参加しているチャンネル向けで、デスクトップからの操作に限られ、A/Bテストの対象外とされていました。Shorts向けのA/Bテストは2027年からです。
Q日本でも同じ時期に使えますか。
A各機能の日本での提供時期について、個別の公表は確認できていません。いずれも順次展開のため、管理画面に反映される時期はチャンネルによって前後します。参考として、発表翌日の2026年9月24日に日本のチャンネルで確認した範囲では、Shorts seriesの作成導線とDynamic Thumbnailsの設定項目は表示されていませんでした。
Q既存の再生リストでShorts seriesの代わりになりますか。
Aなりません。再生リストは動画をまとめる機能ですが、Shorts seriesはシーズンとエピソードに構造化し、カスタムサムネイルと連続再生に対応するものとされています。視聴者側の見え方が異なるため、再生リストで代用することはできません。
Q企業チャンネルは、まず何から着手すべきですか。
Aショート動画を連続企画として設計し直すことです。企画の設計は機能の提供を待たずに進められ、視聴習慣の変化とも合致します。サムネイルの出し分けや動画のA/Bテストは、制作体制と検証指標の準備を先に進めておくのが現実的です。
CLOSING / まとめ
全部を追わず、今日できる1つから始める
Made On YouTube 2026は2026年9月23日に開催。30件超の発表があった。
Shorts seriesで、ショート動画をシーズンとエピソードに構造化できる。単発から連続企画へ。
サムネイルは最大3枚の出し分け、動画はカットのA/Bテストへ。作って終わりではなく、比べて選ぶ運用になる。
提供時期は年内から2027年まで分かれる。順次展開のため、管理画面への反映はチャンネルごとに前後する。
Ask Studioとショート動画のカスタムサムネイルは今回の新機能ではない。いずれも2026年7月から。
サムネイルもカットも比べて選ぶ運用になる。制作体制と検証指標の準備が先に要る。
まずはショート動画を連続企画として組み直すこと。機能を待たずに進められる。
既存の再生リストはShorts seriesの代わりにならない。まとめる箱と、順番に見せる構造は別物。
SOURCES / 出典・参考
Made On YouTube 2026 公式発表 / YouTube公式ブログ(blog.youtube)
Made On YouTube 2026の発表まとめ / Google公式ブログ(blog.google)
YouTube presents new AI and engagement features at Made on 2026 / Social Media Today(socialmediatoday.com)
YouTube adds new creator tools like video A/B testing, dynamic thumbnails, and live dubbing / TechCrunch(techcrunch.com)
YouTube’s new Shorts series feature brings episodic viewing to Shorts / TechCrunch(techcrunch.com)
YouTube ends 2-year wait for Shorts thumbnails but blocks A/B testing(2026年7月26日) / PPC Land(ppc.land)
日本のチャンネルのYouTube Studioでの表示確認(2026年9月24日)(ニューオーダー)
※ 本記事は2026年9月24日時点で公表されている情報にもとづきます。提供時期、機能名、対象範囲は変更される場合があります。最新の情報はYouTubeの公式発表をご確認ください。
OPTION 01 / 任せる
YouTubeチャンネル運用代行
企画から撮影、編集、サムネイル、分析改善まで。ショート動画の連続企画やテスト設計を含めてお引き受けします。
OPTION 02 / 自社で回す
AI×SNS企業研修
AIを前提にした制作と分析の進め方を、社内に残す研修です。仕様変更に振り回されない運用手順をマニュアル化します。
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