この記事の結論
ショートの役割
知ってもらう・覚えてもらう
長尺の役割
相談先として選んでもらう
ショートの長さ
30〜60秒で1問1答
長尺の長さ
5〜15分で手順・費用・流れ
つなぎ方
ショート→長尺→事務所サイト→相談
守ること
業務広告の規程と守秘義務
相談の多い質問を1つずつショートにし、同じテーマの長尺を用意して、説明欄から事務所の分野別ページと相談予約へ案内します。動画は「広告」にあたりうるので、氏名・所属弁護士会の表示や、誇大な表現をしないことなど、日弁連の規程に沿って作ります。
01結論:ショートで知ってもらい、長尺で相談を決めてもらう
ショートは「この人を知る」入口、長尺は「この人に頼む」決め手です。どちらか一方ではなく、同じテーマを2つの長さで作ると、少ない撮影でも相談につながります。
法律の相談は、離婚・相続・交通事故・借金・労働問題などで困ったときに、本人が検索して相談先を探すのが普通です。そのとき見られるのは、手順と費用、相談の流れが分かる長尺の解説です。一方、困る前の人に事務所の名前と弁護士の顔を覚えてもらうには、おすすめに表示されやすいショートが向いています。
02なぜ法律事務所にYouTubeが効くのか
01
相談前に「人」を確かめられる
依頼者は、話し方や説明の分かりやすさから「この先生なら話せそう」と判断します。文章のホームページだけでは伝わりにくい部分です。
02
同じ説明を何度もしなくてよい
初回相談でよく聞かれる質問を動画にしておけば、相談前に基本を理解してもらえます。面談の時間を、個別の事情の聞き取りに使えます。
03
検索され続ける資産になる
相続や離婚の手続きのように、制度が大きく変わらないテーマの解説は、公開後も長く検索されます。
Instagramのリールで若い世代に知ってもらう方法は、弁護士のInstagram・SNS集客で解説しています。YouTubeは、検索されて相談を決める長尺の解説で強みを発揮します。
03ショートの事例3本|30〜60秒で一つの疑問に答える
ショートは「一つの疑問に、一つの答え」が基本です。公開されている法律事務所・弁護士のショートから、規模も狙いも異なる3本を選びました。
ショート事例1|岡野タケシ弁護士:相談の多い質問に1問1答で答える
動画:岡野タケシ弁護士【アトム法律税務グループ】 / YouTubeで見る
長さ
58秒
再生回数
約94万回
チャンネル登録者
約176万人
分野
離婚
どんな動画か:「妻と性格が合いません。性格の不一致を理由に離婚できますか?」という質問に、弁護士が短く答えるショートです。タイトルが質問の形そのもので、見る人が「自分のことだ」と感じやすい作りです。説明欄には、刑事事件・交通事故・相続などの分野ごとに相談窓口の電話番号が並んでいます。
学べる点:法律の疑問を「Q:〜できますか?」の形でタイトルにすると、検索でもおすすめでも内容がひと目で伝わります。説明欄で分野ごとの相談先を示し、視聴から相談までの道を短くしている点も参考になります。チャンネルは国内の弁護士YouTuberで最大の規模で、主にショートを投稿しています。
自社なら、こう企画する
初回相談でよく聞かれる質問を20個書き出し、1本1問でショートにします。タイトルは相談者の言葉のまま「〜できますか?」「〜はいくら?」にし、説明欄の先頭に、その分野の事務所ページと相談予約のリンクを置きます。
真似するときの注意:このチャンネルの規模は、弁護士本人の話し方や継続の量によるところが大きく、同じ伸び方を前提に計画しないこと。答えは一般論にとどめ、「個別の事情で結論が変わる」ことを添えます。
ショート事例2|池田佳謙弁護士:ショートで興味を持たせ、同じテーマの長尺へ案内する
動画:弁護士 池田佳謙【東日本総合法律会計事務所】 / YouTubeで見る
長さ
18秒
再生回数
約1.8万回
チャンネル登録者
約800人
対になる長尺
6分10秒・約1.6万回
どんな動画か:「離婚をするとき、弁護士費用はいくらかかる?」というテーマを18秒で投げかけるショートです。説明欄に「詳しい解説動画はこちらから」として、同じテーマの6分の長尺へのリンクがあります。長尺では、着手金・報酬金・経済的利益にかかる報酬を章立てして、具体例で試算しています。
学べる点:ショートで答えをすべて言い切らず、「詳しくは長尺で」と案内する、2本立ての分かりやすい例です。登録者が千人に満たないチャンネルでも、ショートと長尺がそれぞれ1万回以上見られています。費用という、相談前に誰もが気にするテーマを選んでいる点も効いています。
自社なら、こう企画する
1回の撮影で、同じテーマの長尺(5〜10分)を撮り、その中の要点をショートに切り出します。ショートの説明欄と固定コメントに長尺のリンクを入れ、長尺の説明欄には事務所の費用ページと相談予約を置きます。
真似するときの注意:費用を示すときは、着手金・報酬金などの種類と算定方法を正確に伝えます。「〇万円〜」だけを強調すると、誤認を招くおそれがあります(06章を参照)。
ショート事例3|石垣徹郎弁護士:地域と分野を名前に入れ、免責の一文を添える
動画:札幌手稲の弁護士 石垣徹郎【離婚・相続】 / YouTubeで見る
長さ
1分17秒
公開
2026年9月
分野
離婚・相続
地域
札幌市手稲区
どんな動画か:「相手が離婚を拒否したらどう進める?」に答えるショートです。チャンネル名に「札幌手稲」という地域と「離婚・相続」という分野が入っています。説明欄には、事務所名、所属弁護士会(札幌弁護士会)、動画の内容に関連する事務所サイトのページ、「一般的な法律情報の提供を目的とするもので、個別の案件についての法律相談ではありません」という一文があります。
学べる点:地域の事務所が始めたばかりのチャンネルですが、必要な要素がそろっています。地域名と分野をチャンネル名に入れると、地元の相談者が見つけやすくなります。所属弁護士会の表示と免責の一文は、規程と相談者の誤解の両方に備える書き方です。
自社なら、こう企画する
チャンネル名を「地域名の弁護士 氏名【分野】」の形にし、説明欄のひな形(事務所名・所属弁護士会・関連ページ・免責の一文・相談予約)を作って、全動画で同じ並びにします。
真似するときの注意:始めたばかりの段階では、再生回数で成果を判断しないこと。地域の相談は数が少なくても、1件の相談につながれば十分に意味があります。
04長尺の事例3本|相談前の不安を、まとめて解消する
長尺は、相談を考えている人の「何をすればいい?」「いくらかかる?」「どう進む?」にまとめて答えます。テーマの選び方と、説明欄の作り方が異なる3本を選びました。
長尺事例1|福田たかふみ弁護士:シリーズ名で、学べるチャンネルにする
動画:福田たかふみ 相続の弁護士 / YouTubeで見る
長さ
12分55秒
再生回数
約1.6万回
チャンネル登録者
約400人
分野
相続
どんな動画か:「相続が起きたら絶対にやってはいけないこと5選」を解説する動画で、「相続の学校」というシリーズの1本です。説明欄には、動画の概要、事務所への相談の問い合わせ先、弁護士の経歴が載っています。
学べる点:「〇〇5選」のように数で区切ると、見る人が最後まで見る理由になります。シリーズ名を付けると、次の動画も見てもらいやすくなり、チャンネルが「相続を学べる場所」として覚えられます。経歴を説明欄に書いておくと、相談前の安心材料になります。
自社なら、こう企画する
注力する分野を1つ決め、「離婚の教室」「交通事故の基礎」のようなシリーズ名で、月1〜2本の長尺を続けます。毎回の最後に「個別の事情は相談で」と一言添え、説明欄から相談予約へ案内します。
真似するときの注意:「絶対にやってはいけない」のような強い言い方は、不安をあおりすぎないよう、理由と対処を必ずセットで伝えます。
長尺事例2|丸の内ソレイユ法律事務所:「この動画でわかること」で、検索した人に答える
動画:弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所【公式チャンネル】 / YouTubeで見る
長さ
12分39秒
再生回数
約3,700回
チャンネル登録者
約1,300人
分野
相続
どんな動画か:「生前贈与と特別受益の違い」を、持ち戻しの計算の流れまで具体例で解説する動画です。説明欄の冒頭に「この動画でわかること」を5項目で並べ、最後に相続の専門サイト、電話番号、問い合わせページを載せています。
学べる点:「生前贈与 特別受益 違い」のように、検索されやすい言葉をそのままタイトルに入れています。説明欄の要点の一覧は、見る前に内容が分かるうえ、GoogleやAIにも内容が伝わりやすい書き方です。リンク先を事務所のトップではなく、分野別の専用サイトにしている点も参考になります。
自社なら、こう企画する
相談でよく出る専門用語(遺留分、財産分与、過失割合など)を1本1語で解説し、「この動画でわかること」を説明欄の冒頭に書きます。リンク先は、その分野のページに直接つなぎます。
真似するときの注意:計算の具体例は、架空の事例であることを明示し、実際の依頼者が特定されないようにします。
長尺事例3|弁護士法人サリュ:費用の不安に、正面から答える
動画:弁護士法人サリュchannel / YouTubeで見る
長さ
3分42秒
再生回数
約1万回
チャンネル登録者
約1,000人
分野
相続
どんな動画か:「相続問題の弁護士費用はどれくらい?」に答える動画です。説明欄では、関連記事と料金プランのページへ案内し、出演した弁護士の氏名と所属弁護士会、「動画を投稿した時点で当法人に所属している弁護士です」という注記を載せています。
学べる点:相談をためらう一番の理由になりやすい費用を、短い動画で先に説明しています。動画から料金ページへ直接つなぐと、相談前の不安を減らせます。出演した弁護士の所属や時点の注記は、規程と、後から見た人の誤解の両方に備える書き方です。
自社なら、こう企画する
分野ごとに「〇〇を弁護士に頼むと費用はいくら?」の動画を1本ずつ作り、料金ページと相談予約にリンクします。料金を改定したら、動画の説明欄と固定コメントで新しい料金ページへ案内します。
真似するときの注意:過去に公開した動画の金額が、今の料金と食い違わないよう、料金を変えたときは説明欄を見直します。
05ショートから相談予約までのつなぎ方
STEP 01
ショート
一つの疑問に答え、チャンネルを知ってもらう
仕掛け:説明欄と固定コメントに、同じテーマの長尺のリンク
STEP 02
長尺
手続き・費用・流れをまとめて伝える
仕掛け:説明欄の冒頭に「わかること」、チャプター、分野別ページ
STEP 03
事務所サイト
分野別のページで、取扱業務と費用を確かめる
仕掛け:動画を埋め込み、相談の流れと費用を並べる
STEP 04
相談予約
フォーム・電話で予約する
仕掛け:「どの動画を見たか」を予約時に聞き、記録する
説明欄は、全動画で同じひな形にする
再生リストは「相続」「離婚」のように分野ごとに作り、長尺にはチャプターを付けます。見たい部分にすぐ飛べると、最後まで見てもらいやすくなります。チャプターや説明欄の書き方は、YouTubeのブラウジング機能とは?で詳しく解説しています。
06弁護士の業務広告に関する規程|動画で守る5つのポイント
YouTubeの動画やチャンネルも、依頼者になるよう誘うことを主な目的とする発信であれば、日本弁護士連合会の「弁護士の業務広告に関する規程」の対象になりえます。動画で特に気をつけたい点を5つにまとめました。
債務整理の広告は、2026年4月から指針が厳しくなっています。
日弁連は債務整理の広告に関する指針を改正し(2026年2月19日付、4月1日から適用)、減額を期待させる「借金減額診断」や、「着手金〇万円〜」のようなあいまいな報酬の表示を、誤認のおそれがある広告に加えました。債務整理を扱う事務所は、動画のタイトル・サムネイル・説明欄も合わせて見直してください。
守秘義務と、出演の同意
相談事例を話すときは、依頼者が特定される情報(地域、時期、職業、家族構成の組み合わせなど)を入れないようにします。事務所のスタッフや弁護士が出演する場合は、退所した後の動画の扱いも含めて同意を取っておきます。サリュの動画のように「投稿した時点の所属」を注記しておくと、後から見た人の誤解を防げます。
※規程の条文は、日弁連「弁護士の業務広告に関する規程」にもとづきます。最新の規程と運用指針は、日弁連と所属弁護士会の資料で確認してください。個別の表示の可否は、所属弁護士会にお問い合わせください。
07企画の作り方|相談の多い質問から、分野ごとに作る
企画のネタは、事務所に毎日届く相談の中にあります。初回相談でよく聞かれる質問を、分野ごとに書き出すことから始めましょう。
相続
企画の例
遺産分割の進め方、遺留分、相続放棄の期限、使い込みへの対応
離婚
企画の例
性格の不一致で離婚できるか、財産分与、養育費、親権
交通事故
企画の例
過失割合、示談の前にすること、後遺障害の等級
労働問題
企画の例
残業代請求、不当解雇、ハラスメントの相談先
債務整理
企画の例
任意整理と自己破産の違い、家族に知られるか
企業法務
企画の例
契約書のチェック、顧問弁護士の使い方、労務の基本
1回の撮影で、長尺2本とショート4本を作る
一例として、月1回・2時間の撮影で、同じ分野の長尺を2本撮り、それぞれから要点を2本ずつショートに切り出します。台本を先に作っておけば、弁護士は話す内容に集中できます。台本の作り方はYouTube構成台本の作り方で、一人で話すのが苦手な場合の聞き手(MC)の起用はYouTube MCとはで紹介しています。
ショートは、ほかの動画の転載や切り抜きばかりだと評価されにくくなっています。自社で撮った長尺から切り出す場合も、ショート用に冒頭の一言を撮り足すなど、独自の内容にしましょう(YouTubeショートが「オリジナル重視」に)。
08弁護士の時間をどう確保するか|撮影・編集の体制と外注
どの体制でも、内容の正確さと規程に合っているかの確認は、弁護士が行います。外注先には、台本の段階で確認を入れる流れと、公開前の最終確認を組み込んでもらいましょう。
同じ士業の例として、税理士YouTubeの始め方では、時事ネタを月2本で続ける方法を紹介しています。
09弁護士・法律事務所のYouTube活用でよくある質問
Q. 弁護士のYouTubeは、ショートと長尺のどちらが主流ですか?
A. 知ってもらうにはショート、相談を決めてもらうには長尺が向いています。どちらか一方ではなく、同じテーマを2つの長さで作るのが効率的です。
Q. YouTubeの動画は、弁護士の広告規程の対象になりますか?
A. 依頼者になるよう誘うことを主な目的とする発信であれば、対象になりえます。氏名と所属弁護士会の表示、誇大な表現の禁止、記録の保存などに沿って作りましょう。
Q. 解決事例を動画で紹介してもよいですか?
A. 依頼者が特定されない形にし、必要な場合は書面の同意を得ます。勝訴率の表示はできません。
Q. 顔を出さずに運用できますか?
A. できますが、相談先を選ぶ人は「どんな弁護士か」を見ています。声だけ、手元だけで始める場合も、プロフィールや事務所紹介の動画で顔と経歴を伝えるのがおすすめです。
Q. 1本の長さはどのくらいがよいですか?
A. ショートは30〜60秒、長尺は5〜15分が目安です。長尺にはチャプターを付けて、見たい部分に飛べるようにします。
Q. どのくらいの頻度で投稿すればよいですか?
A. 一例として、長尺を月2本、ショートを月4本です。毎日の投稿より、続けられる頻度で質を保つことを優先します。
Q. 登録者が少なくても相談につながりますか?
A. つながります。相談は、困った人が検索して見つけることが多いため、登録者数より、分野と地域が伝わる動画がそろっているかが大切です。
Q. 撮影や編集だけを外部に頼めますか?
A. 頼めます。ニューオーダーでは、台本・撮影・編集・投稿・分析まで、必要な範囲だけのご依頼にも対応しています。
Q. YouTubeとInstagramはどちらから始めるべきですか?
A. 相談を決めてもらうための解説を積み重ねるならYouTube、若い世代に知ってもらうならInstagramのリールが向いています。同じテーマで両方に展開するのが効率的です。
Q. 債務整理を扱っていますが、注意することはありますか?
A. 2026年4月から、日弁連の債務整理広告の指針が厳しくなりました。「借金減額診断」のような表現や、あいまいな報酬表示を避け、タイトル・サムネイル・説明欄を見直してください。
10法律事務所のYouTube運用は、ニューオーダーにご相談ください
弁護士・法律事務所のYouTubeは、知ってもらうショートと、相談を決めてもらう長尺を、同じテーマで積み重ねる運用です。相談の多い質問を企画にし、説明欄から分野別のページと相談予約へつなぎ、業務広告の規程に沿って続けましょう。
法律事務所のYouTube運用を、企画から相談の導線まで
ニューオーダーは、テレビ・広告の企画制作を背景に、構成台本、撮影、MCの手配、編集、投稿、分析までを一括で支援します。弁護士の時間を月1回の撮影に抑える進め方や、撮影・編集だけの部分的なご依頼もご相談ください。
動画の企画や台本づくりを、事務所の中で続けたい方へ
相談の記録から企画を出す、台本の下書きを作る、説明欄やショートの文言を整える。生成AIを使った動画運用の進め方を、法人向けの研修でお伝えしています。内容の確認は人が行う前提で、事務所に合った手順を一緒に作ります。
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出典・確認資料
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岡野タケシ弁護士 2024年の再生回数に関する発表(PR TIMES)
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再生回数・登録者数は2026年11月2日時点の概数で、日々変わります。各動画の分析と自社への企画の提案は、ニューオーダーの見解です。本記事は一般的な情報の提供を目的とし、個別の広告表示の可否を判断するものではありません。
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