CONTENTS / この記事でわかること
SECTION 01 / WHY NOT
なぜ「PRだけ」のチャンネルは伸びないのか
まず、事実から入ります。
自社製品の紹介映像やCMを流すだけのチャンネルは、基本的に登録者が伸びません。視聴者がYouTubeに求めているのは、広告ではなく娯楽だからです。
ところが、PRが目的なのに、エンタメとして見られているという矛盾したチャンネルが実在します。今回取り上げる3社は、いずれも「製品PRが主目的」でありながら、エンタメとして成立させています。
この記事のスタンス
3社とも、公式に取材した訳ではなく、公開されている情報をもとに分析しています。ただ、共通して「PRの皮を被った、独立したコンテンツ」を作っている点は、企業のSNS担当が参考にできる部分です。
SECTION 02 / NINTENDO
Nintendo公式チャンネル|271万人が見る3つの工夫
任天堂の公式YouTubeチャンネル「Nintendo 公式チャンネル」は、国内だけで271万人の登録者を持っています。自社製品のPRが中心のチャンネルとしては、突出した規模です。
工夫①:Nintendo Direct|「発表」を生配信イベント化する
新作ゲームの情報を、不定期の生配信でまとめて公開する企画です。未発表タイトルの発表がその場で行われるため、世界中で高い注目を集めます。単なる新商品情報ではなく、「その瞬間をみんなで見る」体験に設計されている訳です。
工夫②:「よゐこの○○で○○生活」|バラエティ化で接点を作る
お笑いコンビ「よゐこ」が最新ゲームをプレイする企画です。視聴者参加企画(マリオメーカーでの作品募集等)も組み込まれ、単なる実況にとどまりません。プレイしているのはほとんどが未発売の最新ゲームなので、CM効果としても機能しています。
工夫③:BGM演奏動画|ファン向けの周辺コンテンツ
ゲームの楽曲をレコーディングする様子を公開する企画です。新作PRとは直接関係しませんが、ファンサービスとして高い人気を持っています。全視聴者向けではなく、コアなファン向けの企画を混ぜることで、チャンネル全体の厚みが出ています。
Nintendo Direct 2023.6.21(新作情報の生配信企画)
「よゐこのカービィで自由研究生活 前編」(視聴者参加型バラエティ企画)
「よゐこのマイクラでサバイバル生活 第1回」(この企画シリーズの原点)
「スプラトゥーン3 BGMレコーディング映像」(ファン向け周辺コンテンツ)
SECTION 03 / KURASUSHI
くら寿司|社員の「生の声」を武器にする設計
回転寿司チェーン「くら寿司」の公式チャンネル「くら寿司 178イナバニュース」は、登録者数10万人を突破し、YouTube米国本社からシルバークリエイターアワードを受賞という実績を持っています。
出演するのは、タレントではなく、20年以上くら寿司で働く社員・稲葉氏本人という設計です。
「くら寿司 お皿の行方」(くら寿司 178イナバニュース)
このショート動画がきっかけで、登録者数は約7,000人から一気に急増。動画の再生回数は1,600万回を突破を記録しました。特別な演出や広告費に頼らず、社員が商品を語る「生の声」がバズを生んだという点です。
コメント欄が、そのまま購買動機になっている
動画のコメント欄には「イナバさんの紹介でくら寿司に行きたくなる」という声が並びます。タレントの起用でも派手な演出でもなく、社員本人の熱量がそのまま来店動機に変換されている、という設計です。
NEW ORDER / CORPORATE YOUTUBE
「PRに見えないPR」を、設計から。
企画立案からMCキャスティング、撮影、投稿、広告連携まで。自社製品PRを、視聴者が見たくなるコンテンツに変える設計を支援します。
相談だけでも承ります。
SECTION 04 / POCARI SWEAT
ポカリスエット|視聴者を「踊らせる」参加型企画
大塚製薬「ポカリスエット」は、「ポカリガチダンス」シリーズの企画で知られています。
CMで振り付けを発表し、視聴者自身がその振り付けを踊って動画投稿するという構造です。視聴者が「見る」だけでなく「踊る・投稿する」当事者になる設計になっています。
「ポカリガチダンスFES篇」CM&メイキング(大塚製薬)
関連企画「ポカリガチダンス選手権」では、動画投稿数600本超、動画再生回数380万回超(MixChannelとの共同企画)を記録しました。この投稿数は、企業が用意した「正解」を、視聴者が自主的に再生産した結果です。
CMが「テンプレート」として機能している
ポカリの企画が優れているのは、CM自体を「完コピする対象」として設計している点です。動画が視聴されるだけでなく、真似される前提で作られています。優秀作品はCMに起用されるという副賞も、参加意欲を後押ししています。
SECTION 05 / INSIGHT
企業のYouTube担当が学べる4つの視点
3社の事例から、企業アカウントの運用に転用できる原則を4つ抽出しました。
EVENT化
「発表」を、イベントとして設計する
Nintendo Directのように、新商品の告知を「その瞬間をみんなで見る」体験に変える。単発の情報発信より、継続的な注目を集めやすくなります。
AUTHENTICITY
「中の人」の熱量を、そのまま見せる
くら寿司のように、タレントではなく社員本人が語る。作り込まれた広告より、生の熱量の方が信頼されやすい場面があります。
PARTICIPATION
視聴者を「参加者」にする
ポカリスエットのように、見るだけで終わらせず、真似する・投稿するところまで設計する。視聴者自身が拡散の担い手になります。
BALANCE
全員向けと、ファン向けを両方持つ
Nintendo公式チャンネルのBGM演奏動画のように、コア層向けの企画を混ぜる。チャンネル全体の厚みと継続視聴率に効きます。
PRを、PRの形のまま出さないというのが、3社に共通する本質です。それぞれの企業規模や予算がなくても、「情報を、別の形に変換する」という発想自体は、どの企業でも取り入れられます。
FAQ / よくある質問
よくある質問
CLOSING / まとめ
製品を出さずに、製品を伝える
Nintendo、くら寿司、ポカリスエット。3社に共通するのは、製品情報を、そのまま出さないという発想です。
イベント化する。パロディにする。参加させる。どれも、製品を主役から一度降ろして、別の形で見せています。「PRだけのチャンネルは伸びない」という前提を、逆手に取っている訳です。
自社の製品情報を、どう変換できるか。
そこから、企画を考えてみてください。
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FOR CORPORATE BRANDS
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※ 本記事は各社の公式チャンネル・公開情報をもとに、SNSマーケの観点から分析したものです。当社は任天堂・くら寿司・大塚製薬とは無関係です。
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